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資料1_具体的研究事項と横断的事項について (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33521.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第11回 6/9)《厚生労働省》
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(5)ライフステージやがんの特性に着目した重点研究領域

②高齢者のがん

これまでの成果の例
AMED評価

• 細胞老化に関する研究が進み、加齢に伴う生体の変化の観点から、がんの進展に関する理解が進んだ。

後半5年間での成果の例

• 老化細胞除去による高齢者発がん抑制療法の開発(東京大学 中西 真)
発がんの最も重要なリスクファクターの1つである加齢について、がん細胞周囲の間質細胞に着目し、そのうちp16陽性老化様細胞の細
胞起源や特性の解明を通じて、加齢に伴う発がん促進の本態を明らかにするものである。これまでに、p16陽性老化細胞可視化技術、
細胞老化促進マウスモデル等を用いて、がん間質p16陽性老化様細胞を除去(セノリシス)することで、腫瘍内の線維化が顕著に改善
し、腫瘍の増大が有意に抑制されるという結果を得ている。
• 抗PD-1抗体不応答性がん患者に有効な併用治療薬の開発(京都大学 本庶 佑)
PD-1阻害治療の効果の見られない高齢マウスにおいてエフェクター前駆T細胞の誘導能が低いこと、さらに、このエフェクター前駆T
細胞の誘導能の低下は非自己細胞投与の刺激により改善し、免疫老化によるPD-1阻害治療耐性を克服できる可能性を見出した。これら
の成果は、PD-1阻害がん免疫治療の有効予測マーカーの開発につながるだけでなく、治療効果を改善するための併用治療法の創出につ
ながると考えられる。免疫系の老化は、がんの発症や進展だけではなく、感染症や関節リウマチなどの加齢関連疾患の発症や病態形成
に重要な役割を果たすことが明らかになってきており、本研究から得られた免疫老化とその改善に関する知見は、新しいがん免疫療法
の開発につながるだけではなく、様々な加齢関連疾患に対する診断マーカーや治療基盤の創出につながると考えられる。
• 骨髄異形成症候群(MDS)のオミックス解析による治療反応性および病型進展の新たなバイオマーカーの同定とその実用化に関する研究
(京都大学 小川 誠司)
骨髄異形成症候群(MDS)の発症・進展、白血病移行の各段階に関わる遺伝子変異の特徴を明らかにし、また遺伝子変異と治療効果の
相関に関する重要な知見を得た。

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