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資料1_具体的研究事項と横断的事項について (50 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33521.html |
出典情報 | 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第11回 6/9)《厚生労働省》 |
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(9)各柱にまたがる「横断的事項」について
③免疫療法に係る研究
これまでの成果の例
AMED評価
• 新たなCAR-T免疫細胞療法や非ウィルス製法での新たなCAR-T細胞製造法、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測バイオマーカー開
発などの研究が多数進められた。
後半5年間での成果の例
• 免疫抑制に対する制御能を有するCAR-T細胞を利用したがん治療法の研究 / 難治性固形がんに対する次世代CAR-T細胞療法の研究開
発(山口大学 玉田 耕治)
本研究課題の到達目標は、がん微小環境における免疫抑制を克服し、固形がんに対して強力な治療効果を発揮しうる革新的CAR-T細
胞の基盤技術を研究・開発することであり、そのために、①IL-7とCCL19を産生することで腫瘍局所におけるCAR-T細胞及び宿主免疫
細胞の集積、増殖、生存を高める技術、②PD-1阻害活性を有する一本鎖抗体を産生し、腫瘍局所での免疫抑制を解除する能力を有する
CAR-T細胞技術、について研究・開発をおこなった。次世代がんでの3年間の応用研究の成果に基づき、革新的がん医療実用化研究事
業に導出した。
• 制御性T細胞を標的とした新規がん免疫療法の開発(大阪大学 坂口 志文)
腫瘍組織に高浸潤し、がん免疫応答を抑制する制御性T細胞(Treg)を標的とし除去することで、有効ながん免疫応答を惹起・強化す
る新しいがん免疫療法の開発を目標とした。腫瘍浸潤Tregを除去する分子標的として、特異的発現を示す細胞表面分子(CCR8)の同
定と単クローン抗体の開発、およびTreg特異的に制御される細胞内シグナル分子(LCK)の同定とその阻害薬の開発を進め、CCR8抗
体あるいはLCK阻害薬によるがん免疫応答の増強と腫瘍の退縮効果を明らかにした。CCR8抗体・LCK阻害薬は、全身性のTreg除去に比
べて、腫瘍Tregを選択的に除去することから、副作用としての自己免疫病等を回避できる新しいがん免疫療法として期待される。
• T細胞の老化、疲弊による生体機能不全とその解除方法の開発(慶應義塾大学 吉村 昭彦)
作製されたCAR-T細胞をIL-7、CXCL12、IGF-I、NOTCHリガンドの4つの因子(たんぱく質)を組み合わせて培養することで、疲弊し
た状態からステムセルメモリー様の「若い」T細胞へと転換できることを見出した。このステムセルメモリー様CAR-T細胞は、がん細
胞と反応して素早く増殖し、寿命が長く、強い抗腫瘍効果を発揮することが確認された。今回の培養方法は、従来のCAR-T細胞に比べ
てより強力で長期生存可能なCAR-T細胞を作製できることから、早期にがん治療への応用が期待される。
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③免疫療法に係る研究
これまでの成果の例
AMED評価
• 新たなCAR-T免疫細胞療法や非ウィルス製法での新たなCAR-T細胞製造法、免疫チェックポイント阻害剤の効果予測バイオマーカー開
発などの研究が多数進められた。
後半5年間での成果の例
• 免疫抑制に対する制御能を有するCAR-T細胞を利用したがん治療法の研究 / 難治性固形がんに対する次世代CAR-T細胞療法の研究開
発(山口大学 玉田 耕治)
本研究課題の到達目標は、がん微小環境における免疫抑制を克服し、固形がんに対して強力な治療効果を発揮しうる革新的CAR-T細
胞の基盤技術を研究・開発することであり、そのために、①IL-7とCCL19を産生することで腫瘍局所におけるCAR-T細胞及び宿主免疫
細胞の集積、増殖、生存を高める技術、②PD-1阻害活性を有する一本鎖抗体を産生し、腫瘍局所での免疫抑制を解除する能力を有する
CAR-T細胞技術、について研究・開発をおこなった。次世代がんでの3年間の応用研究の成果に基づき、革新的がん医療実用化研究事
業に導出した。
• 制御性T細胞を標的とした新規がん免疫療法の開発(大阪大学 坂口 志文)
腫瘍組織に高浸潤し、がん免疫応答を抑制する制御性T細胞(Treg)を標的とし除去することで、有効ながん免疫応答を惹起・強化す
る新しいがん免疫療法の開発を目標とした。腫瘍浸潤Tregを除去する分子標的として、特異的発現を示す細胞表面分子(CCR8)の同
定と単クローン抗体の開発、およびTreg特異的に制御される細胞内シグナル分子(LCK)の同定とその阻害薬の開発を進め、CCR8抗
体あるいはLCK阻害薬によるがん免疫応答の増強と腫瘍の退縮効果を明らかにした。CCR8抗体・LCK阻害薬は、全身性のTreg除去に比
べて、腫瘍Tregを選択的に除去することから、副作用としての自己免疫病等を回避できる新しいがん免疫療法として期待される。
• T細胞の老化、疲弊による生体機能不全とその解除方法の開発(慶應義塾大学 吉村 昭彦)
作製されたCAR-T細胞をIL-7、CXCL12、IGF-I、NOTCHリガンドの4つの因子(たんぱく質)を組み合わせて培養することで、疲弊し
た状態からステムセルメモリー様の「若い」T細胞へと転換できることを見出した。このステムセルメモリー様CAR-T細胞は、がん細
胞と反応して素早く増殖し、寿命が長く、強い抗腫瘍効果を発揮することが確認された。今回の培養方法は、従来のCAR-T細胞に比べ
てより強力で長期生存可能なCAR-T細胞を作製できることから、早期にがん治療への応用が期待される。
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