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資料1_具体的研究事項と横断的事項について (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33521.html
出典情報 今後のがん研究のあり方に関する有識者会議(第11回 6/9)《厚生労働省》
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(8)がん対策の効果的な推進と評価に関する研究
構成員・参考人からの事前提出意見一覧①

現状と課題

今後の研究の方向性



がん検診の評価として死亡率減少の「代替となる適切な指標
の開発を推進」という中間報告の方向性には異論がないが、
実際のところそのような代替指標の開発はどれくらい進んで
いるだろうか。

代替指標があったとしても、検査の侵襲性、確定診断までの
プロセスや不利益なども含めた総合的なバランスで考えるべ
きである。同時に中間アウトカムで許容するか、過剰診断を
どの程度厳格に考えるかどうかなどの評価も必要である。あ
る程度可能性の高い技術は、検診特区のようなフィールドで
導入と検証を同時に進めても良いかもしれない。



これまで、対策型がん検診については、死亡率の減少を主要
評価項目として有効性が検証されてきたが、死亡率減少効果
の検証には長い期間を要するため、新たな検診手法の実用化
が遅れてしまうという課題がある。

がん検診領域でのAIを活用した画像診断支援プログラムの利
用では、死亡率減少効果以外の早期発見を評価項目とする等
の検討が必要と考える。



がん対策については、がん対策推進基本計画のもと取り組ん
でいるが、日本においては医療については皆保険でカバーさ
れている半面、がん検診の受診など早期発見は住民検診もあ
るが、自助努力となり、保険外の取組へのインセンティブが
弱い。

がん検診の受診について、インセンティブによる受診率向上
など、予防・早期発見の取組を加速すべきである。またAYA
世代をはじめ若年層への展開も検討すべき。



第3期までのがん対策推進基本計画の報告書には国全体(また
は各都道府県)のがん対策の進歩が明記されているが、対策
項目の評価指標に客観的評価が難しいものが多いほか、多く
の指標について地域間格差や医療機関間格差を評価してこな
かった。一部の指標についてはこれらの格差はさらに拡大し
て居るとの指摘がある。

1.国および都道府県のがん対策(推進)計画の中間および
最終評価のために設定する評価指標に客観性をもたせるた
めの研究が必要である。
2.がん登録の利用と公開について、研究者や行政の利活用
を促進するほか、制限されている利用・公開の指針を見直
す(現在、市町村、医療機関毎のデータ利用・公開に制限
がある)。



検診、診断、治療、再発、緩和医療、サバイバーシップ支援
など、一連のがん医療は、がん診療連携拠点病院以外の施設
を含めて、多施設の連携によって構成されているが、がん診
療に関する情報連携が進んでいない。

がん対策研究の基盤として保健医療データプラットフォーム
の構築を一層進めるとともに、保健医療データプラット
フォームを活用したがん対策研究を支援すべきではないか。
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