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資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (1 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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資料1-2-3
(診断基準等のアップデート案(見え消し))
30 遠位型ミオパチー
取扱注意
○ 概要
1.概要
遠位筋が好んで侵される遺伝性筋疾患の総称。世界的には少なくとも9つの異なる疾患が含まれるとさ
れているが、これまでのところ、本邦では「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」(常染色体潜性遺伝(劣性
遺伝))、「三好型ミオパチー」(常染色体潜性遺伝(劣性遺伝))、「眼咽頭遠位型ミオパチー」(常染色体顕
性遺伝形式不明(優性遺伝))の3疾患しか見いだされていないが中心として報告されている。いずれも本
邦において発見された疾患である。
2.原因
「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、シアル酸生合成経路の律速酵素をコードする GNE 遺伝子のミ
スセンス変異によりシアル酸合成能が低下することで発症する。「三好型ミオパチー」は、肢帯型筋ジストロ
フィー2B 型と同じく、DYSF 遺伝子の変異による筋鞘膜修復に関係する蛋白質ジスフェルリンの欠損症であ
る。「近年、「眼咽頭遠位型ミオパチー」の一部の患者原因遺伝子として LRP12、GIPC1、NOTCH2NLC の
CGG トリプレットリピート伸長が同定され、本邦における「眼咽頭遠位型ミオパチー」例の大半が、これら 3
つの遺伝子のいずれかにリピート伸長を有することが報告された。ただし、「眼咽頭遠位型ミオパチー」と診
断される例の中には、実際には、臨床病理学的に類似する眼咽頭型筋ジストロフィーに罹患しているが、
大半の患者では原因不明で例もある。
3.症状
「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、10 代後半~30 代後半にかけて発症し、前脛骨筋を特に強く侵
すが、進行すると近位筋も侵される。病理学的に縁取り空胞の出現を特徴とする。「三好型ミオパチー」は、
10 代後半~30 代後半に発症し、主に下腿後面筋群が侵されるが進行すると近位筋も侵される。病理学的
には筋線維の壊死・再生変化が特徴であり、血清 CK 値が高度に上昇する。「眼咽頭遠位型ミオパチー」は、
通常成人期~老年期にかけて発症し、眼瞼下垂、眼球運動障害、嚥下障害に加えて、特に前脛骨筋下腿
三頭筋を侵すミオパチーを呈する。筋病理学的には縁取り空胞を認める。
4.治療法
転倒による外傷(歩行障害のため)、また「眼咽頭遠位型ミオパチー」では、嚥下障害による誤嚥性肺炎
などに対しては、対症療法を行う。
5.予後
歩行障害、嚥下障害、嚥下性誤嚥性肺炎などが生じる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
- 1-
(診断基準等のアップデート案(見え消し))
30 遠位型ミオパチー
取扱注意
○ 概要
1.概要
遠位筋が好んで侵される遺伝性筋疾患の総称。世界的には少なくとも9つの異なる疾患が含まれるとさ
れているが、これまでのところ、本邦では「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」(常染色体潜性遺伝(劣性
遺伝))、「三好型ミオパチー」(常染色体潜性遺伝(劣性遺伝))、「眼咽頭遠位型ミオパチー」(常染色体顕
性遺伝形式不明(優性遺伝))の3疾患しか見いだされていないが中心として報告されている。いずれも本
邦において発見された疾患である。
2.原因
「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、シアル酸生合成経路の律速酵素をコードする GNE 遺伝子のミ
スセンス変異によりシアル酸合成能が低下することで発症する。「三好型ミオパチー」は、肢帯型筋ジストロ
フィー2B 型と同じく、DYSF 遺伝子の変異による筋鞘膜修復に関係する蛋白質ジスフェルリンの欠損症であ
る。「近年、「眼咽頭遠位型ミオパチー」の一部の患者原因遺伝子として LRP12、GIPC1、NOTCH2NLC の
CGG トリプレットリピート伸長が同定され、本邦における「眼咽頭遠位型ミオパチー」例の大半が、これら 3
つの遺伝子のいずれかにリピート伸長を有することが報告された。ただし、「眼咽頭遠位型ミオパチー」と診
断される例の中には、実際には、臨床病理学的に類似する眼咽頭型筋ジストロフィーに罹患しているが、
大半の患者では原因不明で例もある。
3.症状
「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、10 代後半~30 代後半にかけて発症し、前脛骨筋を特に強く侵
すが、進行すると近位筋も侵される。病理学的に縁取り空胞の出現を特徴とする。「三好型ミオパチー」は、
10 代後半~30 代後半に発症し、主に下腿後面筋群が侵されるが進行すると近位筋も侵される。病理学的
には筋線維の壊死・再生変化が特徴であり、血清 CK 値が高度に上昇する。「眼咽頭遠位型ミオパチー」は、
通常成人期~老年期にかけて発症し、眼瞼下垂、眼球運動障害、嚥下障害に加えて、特に前脛骨筋下腿
三頭筋を侵すミオパチーを呈する。筋病理学的には縁取り空胞を認める。
4.治療法
転倒による外傷(歩行障害のため)、また「眼咽頭遠位型ミオパチー」では、嚥下障害による誤嚥性肺炎
などに対しては、対症療法を行う。
5.予後
歩行障害、嚥下障害、嚥下性誤嚥性肺炎などが生じる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数
- 1-