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資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (32 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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42 結節性多発動脈炎
○ 概要
1.概要
動脈は血管径により、大型、中型、小型、毛細血管に分類される。結節性多発動脈炎
(periarteritispolyarteritis nodosa:PAN)は、中型血管を主体として、血管壁に炎症を生じる疾患である。以
前は PAN と共に一つの疾患群として捉えられていた顕微鏡的多発血管炎(microscopic polyangiitis:MPA)
は、毛細血管および細小動・静脈を主体とする疾患であり、現在は、異なる両者は独立した疾患概念とされ
ている。また、抗好中球細胞質抗体(antineutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)も PAN 患者血清中には
検出されず、現時点では、この疾患に対する特異性の高い診断マーカーは存在しない。フランスなどでは、
B 型肝炎ウイルス感染に伴って発症する症例が相当数報告されているが、本邦ではまれにしか認められな
い。
PAN は MPA に比較して若干若い年齢層に多く、の平均発症年齢は 5553 歳で MPA よりも若年で、男女
比は3:1でやや男性に多い傾向がある1:1と男女差は認めない。
2.原因
肝炎ウイルスや他のウイルス感染を契機に発症するという報告もあるが、多くの症例では原因は不明で
ある。
3.症状
PAN は全身諸臓器に分布する中型血管の血管炎であるため、症状は多彩である。その症状は、炎症に
よる全身症状と罹患臓器の炎症及び虚血、梗塞による臓器障害の症状の両者からなる。
A.全身症状
全症例の中で、発熱(38~39℃℃以上)が 8054%に、体重減少が 60(6 か月で 6 kg 以上減少)が 28%
に、高血圧が 2023%の症例に認められる。発熱に悪寒・戦慄を伴うことはまれである。体重減少は数か月
以内に6kg 以上の減少を来すことが多い。高血圧は、糸球体虚血によるレニン・アンギオテンシン系の活性
化により発症腎動脈狭窄に伴う腎血流低下によるレニンーアンジオテンシン系亢進に起因し、悪性高血圧
の所見を呈する。
B.臓器症状
筋肉・関節症状を 80%に、皮膚症状(紫斑、潰瘍、結節性紅斑)を 60 皮下結節、網状皮斑)を 83%に、
筋肉・関節症状を 75%に、腎障害(急性腎不全、腎炎)・高血圧を 50 末梢神経炎を 49%に、末梢神経炎を
50%に中枢神経症状(脳梗塞、脳出血)を 2512%に、肺・胸膜症状を 24%に、それぞれ認める。また、腎障
害(急性腎障害)、消化器症状(消化管出血、穿孔、梗塞)を 20%に、それぞれ認める。また、、心症状(心
筋梗塞、心外膜症膜炎)や肺・胸膜症状、眼症状などを呈することもあるがまれである。
C.皮膚動脈炎(皮膚型結節性多発動脈炎)
皮膚に症状が限局する場合、皮膚動脈炎と呼ばれる。皮膚症状以外に発熱を認めることもあり、また皮
膚病変近傍の関節痛、筋痛、末梢神経障害を伴うこともある。

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