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資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (76 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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46 悪性関節リウマチ
○ 概要
1.概要
既存の関節リウマチ(rheumaticrheumatoid arthritis:RA)に、血管炎(リウマトイド血管炎)をはじめとする
関節外症状を認め、難治性又は重症な臨床病態を伴う場合に、悪性関節リウマチ(MRA)という。内臓障害
がなく、関節リウマチの関節病変が進行して高度な関節の機能が高度に低下して身体障害がもたらされる
場合に障害を来しただけでは悪性関節リウマチとはいわない。悪性関節リウマチと診断される年齢のピー
クは 60 歳代で、男女比は1:2である。悪性関節リウマチの血管炎は結節性多発動脈炎と同様な全身性動
脈炎型(内臓を系統的に侵し、生命予後不良)と内膜の線維性増殖を呈する末梢動脈炎型(四肢末梢及び
皮膚を侵し、生命予後は良好)の2つの型に分けられる。血管炎以外の臓器症状病変としては、間質性肺
炎を生じると生命予後は不良である。
2.原因
関節リウマチと同様に病因は不明である。悪性関節リウマチ患者の関節リウマチの家族内発症は 12%に
みられ、体質・遺伝性が示唆されるが、遺伝性疾患といえるほどの強い遺伝性はない。HLA 抗原との関係
では、みられる。関節リウマチは HLA-DR4 との相関 (HLA-DRB1*0401)との関連が指摘されているが、悪
性関節リウマチではその相関関連がより強い。
悪性関節リウマチでは IgG クラスのリウマトイド因子が高率に認められ、この IgG クラスのリウマトイド因子
は自己凝集する。その免疫複合体は補体消費量が高く、血管炎の起因発症に関与しているとみなされるみ
なされている。
3.症状
全身血管炎型では既存の関節リウマチによる多発関節痛(炎)のあるところに、発熱(38゜C以上)、体重
減少を伴って皮下結節、紫斑、筋痛、筋力低下、間質性肺炎、胸膜炎、多発神経炎または多発性単神経炎、
消化管出血、上強膜炎などの全身の血管炎に基づく症状がかなり急速に出現する。
末梢動脈炎型では皮膚の潰瘍、梗塞、又は四肢先端の壊死や壊疸を主症状とする。
全身血管炎型ではリウマトイド因子高値、血清補体価低値、免疫複合体高値を示す。
4.治療法
悪性関節リウマチに伴う関節外病変の制御、及び関節の構造的変化と身体機能低下の進行抑制を目標
に治療する。悪性関節リウマチの薬物治療には、ステロイドグルココルチコイド、メトトレキサートをはじめと
する疾患修飾性抗従来型抗リウマチ薬、生物学的製剤、学的抗リウマチ薬、分子標的型合成抗リウマチ薬、
シクロフォスファミドやアザチオプリンなどの免疫抑制薬、抗凝固剤などがあり、その他血漿交換療法も行
われる。治療法の選択は臨床病態により異なる。
(1)全身症状(血管炎による臓器病変があり漿膜炎や上強膜炎などの関節外病変や発熱、体重減少を伴う)
を伴うリウマトイド血管炎の寛解導入治療では、抗リウマチ薬あるいはグルココルチコイド単独よりも、グ

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