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資料1-2-3診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (45 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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(3)生命の危険を伴う最重症例には、シクロホスファミドに加えて血漿交換療法を併用する。
(4)難治例に対する治療薬として、抗 CD20 モノクローナル抗体であるリツキシマブが用いられる。
(5)再燃時には寛解導入療法に準じて治療を行う。
(1) (6)治療の目標は寛解の導入と維持である。診断、臓器障害・疾患活動性の評価に続いて寛解導入治療
を行う。寛解達成後は、寛解維持治療を行う。(注1)
(2) 寛解導入治療では、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドを用いる(静注シクロホスファミドパルスが経
口シクロホスファミドよりも優先される)。また、本疾患の治療に対して十分な知識・経験をもつ医師のもと
で、リツキシマブの使用が適切と判断される症例においては、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドの代
替として副腎皮質ステロイド+リツキシマブを用いても良い。シクロホスファミド、リツキシマブともに使用で
きない場合で、重症臓器病変がなく腎機能障害が軽微な症例では副腎皮質ステロイド+メトトレキサート*、
それ以外の症例では副腎皮質ステロイド+ミコフェノール酸モフェチル*を用いる。
(3) 重症な腎障害を伴う症例の寛解導入治療では、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドに加え血漿交換
を併用する。
(4) (2)において副作用リスクが高いと考えられる場合、限局型で重症臓器合併症がない場合、などでは、副
腎皮質ステロイド単独で治療することがある。また、(3)において副作用リスクが高いと考えられる場合は、
シクロホスファミドを併用せず副腎皮質ステロイド+血漿交換で治療することがある。
(5) 寛解維持治療では、副腎皮質ステロイドに加えアザチオプリンを併用する。寛解維持治療に用いる他の
薬剤として、リツキシマブ、メトトレキサート*、ミコフェノール酸モフェチル*が選択肢となりうる。
(6) 再燃した場合、臓器障害・病態を評価したうえで、再度寛解導入治療を行う。
(1)(7) 細菌感染症・日和見感染症対策を十分に行う。
*2021 年現在保険適用外であることに留意する。
注1:治療内容を検討する際には、最新の診療ガイドラインを参考にすること。
5.予後
治療が行われないと生命に危険が及ぶ。できる限り早期に診断し、適切な寛解導入療法を行えば、大部
分は多くの症例で寛解するを達成できる。治療開始の遅れ、あるいは初期治療への反応性不良により、臓
器の機能障害が残存する場合がある。腎不全を呈する患者では血液透析が必要となる。また、再燃するこ
との可能性があるので、定期的に専門医の診察と検査を受ける必要がある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
9,610486 人(結節性多発動脈炎との合計)
2.発病の機構
不明(自己免疫異常の関与が示唆される。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治的治療なし。)
4.長期の療養
必要(再燃、寛解を繰り返し慢性の経過となる。)
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(4)難治例に対する治療薬として、抗 CD20 モノクローナル抗体であるリツキシマブが用いられる。
(5)再燃時には寛解導入療法に準じて治療を行う。
(1) (6)治療の目標は寛解の導入と維持である。診断、臓器障害・疾患活動性の評価に続いて寛解導入治療
を行う。寛解達成後は、寛解維持治療を行う。(注1)
(2) 寛解導入治療では、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドを用いる(静注シクロホスファミドパルスが経
口シクロホスファミドよりも優先される)。また、本疾患の治療に対して十分な知識・経験をもつ医師のもと
で、リツキシマブの使用が適切と判断される症例においては、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドの代
替として副腎皮質ステロイド+リツキシマブを用いても良い。シクロホスファミド、リツキシマブともに使用で
きない場合で、重症臓器病変がなく腎機能障害が軽微な症例では副腎皮質ステロイド+メトトレキサート*、
それ以外の症例では副腎皮質ステロイド+ミコフェノール酸モフェチル*を用いる。
(3) 重症な腎障害を伴う症例の寛解導入治療では、副腎皮質ステロイド+シクロホスファミドに加え血漿交換
を併用する。
(4) (2)において副作用リスクが高いと考えられる場合、限局型で重症臓器合併症がない場合、などでは、副
腎皮質ステロイド単独で治療することがある。また、(3)において副作用リスクが高いと考えられる場合は、
シクロホスファミドを併用せず副腎皮質ステロイド+血漿交換で治療することがある。
(5) 寛解維持治療では、副腎皮質ステロイドに加えアザチオプリンを併用する。寛解維持治療に用いる他の
薬剤として、リツキシマブ、メトトレキサート*、ミコフェノール酸モフェチル*が選択肢となりうる。
(6) 再燃した場合、臓器障害・病態を評価したうえで、再度寛解導入治療を行う。
(1)(7) 細菌感染症・日和見感染症対策を十分に行う。
*2021 年現在保険適用外であることに留意する。
注1:治療内容を検討する際には、最新の診療ガイドラインを参考にすること。
5.予後
治療が行われないと生命に危険が及ぶ。できる限り早期に診断し、適切な寛解導入療法を行えば、大部
分は多くの症例で寛解するを達成できる。治療開始の遅れ、あるいは初期治療への反応性不良により、臓
器の機能障害が残存する場合がある。腎不全を呈する患者では血液透析が必要となる。また、再燃するこ
との可能性があるので、定期的に専門医の診察と検査を受ける必要がある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
9,610486 人(結節性多発動脈炎との合計)
2.発病の機構
不明(自己免疫異常の関与が示唆される。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治的治療なし。)
4.長期の療養
必要(再燃、寛解を繰り返し慢性の経過となる。)
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