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資料1-2-13診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (10 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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ツェルベーガースペクトラムでは C26:0、C25:0、C24:0 などの血中極長鎖脂肪酸の増加を認める。軽症型
では、増加の程度も軽度になるが、診断マーカーとしては最も有用である。一方、RCDP type1 では増加を
認めない。
②フィタン酸、プリスタン酸
ツェルベーガースペクトラムではフィタン酸、プリスタン酸とも増加する傾向にある。ただし、食事に依存し
ており、出生時からの哺乳障害を認める重症型では増加しないことがある。一方、RCDP type1 ではフィタン
酸の増加は認めるが、プリスタン酸の増加は認めない。
③プラスマローゲン
ツェルベーガースペクトラムでも RCDP type1 でも低下し、その程度は重症度に相関する傾向にある。
2.画像診断(頭部 MRI、頭部 CT)
ツェルベーガー症候群の頭部 CT では側脳室拡大(胎児エコーで見つかることもある)、MRI 画像では髄鞘
化障害と脳回形成異常が特徴的で側脳室拡大や脳梁低形成も認める。一方、新生児型副腎白質ジストロフ
ィーの脳画像所見では、形成異常は乏しく、進行性の脳萎縮と白質変性がみられる。また乳児レフサム病の
脳 MRI 所見では錐体路、小脳歯状核、脳梁に異常信号が認められ、その後、小脳から大脳白質に広がる症
例もみられる。RCDP type1 では軽度の大脳、小脳の萎縮や MRI にて髄鞘化遅延や白質の異常信号、頸椎
狭窄などを認める症例も散見される。
3.患者細胞を用いた免疫染色
皮膚生検により培養線維芽細胞等を樹立して、ペルオキシソームタンパクの細胞内局在を免疫染色で観察
する。主にカタラーゼ抗体が用いられており、ツェルベーガースペクトラムでは通常、細胞内に点状に染まるカ
タラーゼ顆粒(ペルオキシソーム)はみられない。ただし、軽症型では対照に比べて少数又はモザイク様に顆
粒がみられることがある。一方、RCDP type1 では対照とほぼ同様に観察される。
4.相補性解析
ツェルベーガースペクトラムでは、既知の相補性群の患者細胞と細胞融合して、カタラーゼ顆粒の出現を認
めれば異なる相補性群、出現しなければ同じ相補性群に属するとして、12 個ある相補性群のどれに属するか
を決定する。
C.鑑別診断
以下の疾患を鑑別する。
1.ツェルベーガースペクトラム
<新生児期>
ダウン症候群、プラダー・ウィリ症候群、脊髄性筋萎縮症、他の先天性筋疾患、染色体異常症、原因不明
の奇形症候群など。
<乳幼児期以降>

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