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資料1-2-13診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (14 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
プラスマローゲン合成系酵素欠損症 根性点状軟骨異形成症2型3型(RCDP type 2、type 3)の診断基準
A.症状
RCDP type 2、3 とも type1 に共通する根性点状軟骨異形成症の臨床像を認める。すなわち近位優位の四
肢短縮症と関節の点状石灰化、異常顔貌、白内障、重度の精神運動発達遅滞を呈する。また四肢短縮が近
位優位でない例や、異常顔貌や発達遅滞などが軽度の variant type の報告もみられる。
B.検査所見
1.血中・組織のプラスマローゲン含量の低下
生化学的には type2、3 ともに血漿・血清、赤血球や線維芽細胞等におけるプラスマローゲン含量の減少を
認める。一方、type1 ではプラスマローゲン含量の減少以外に、血漿・血清でのフィタン酸の増加も認める。
2.線維芽細胞を用いたプラスマローゲン合成系酵素活性の低下
RCDP type2 では DHAP アシルトランスフェラーゼ(acyltransferase)活性、type3 ではアルキル-DHAP シン
ターゼ(synthase)活性の低下を認める。ただし、DHAP アシルトランスフェラーゼはアルキル-DHAP シンター
ゼとのヘテロトリマーを形成して機能しているため、アルキル-DHAP シンターゼ欠損症の type3 においても
type2 の欠損酵素である DHAP アシルトランスフェラーゼ活性が 15%程度減少することが報告されている。ま
た type1 も病因である PEX7 がアルキル-DHAP シンターゼの受容体であるため、両酵素活性の低下を認め
る。
C.鑑別診断
以下の疾患を鑑別する。
臨床像からの鑑別としては骨系統疾患、特に根性以外の点状軟骨異形成症(chondrodysplasia punctata)
が挙げられ、放射線科専門医による臨床、X 線所見の診断が重要である。RCDP type1 との鑑別はフィタン酸
の蓄積やチオラーゼ(thiolase)のプロセッシングに異常を認めないことより、ツェルベーガー症候群との鑑別
は極長鎖脂肪酸の蓄積を認めないことや免疫染色で形態的に細胞内ペルオキシソームが存在していること
より可能である。
D.遺伝学的検査
1.RCDP type2 は dihydroxyacetonephosphate (DHAP) acyltransferase、type3 は alkyl-DHAP synthase 遺
伝子の病原性変異
<診断のカテゴリー>
(1)症状で述べた項目
(2)血中や組織のプラスマローゲン含量の低下。フィタン酸、極長鎖脂肪酸は正常
(3)DHAP アシルトランスフェラーゼ又はアルキル-DHAP シンターゼの活性低下

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