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資料1-2-13診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (53 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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多くが生後 2-8 ヶ月で肝不全のため死亡する。ときに、同一家族内発症であっても、臨床症状が多様な時が
ある。2 ヶ月以前で発症した症例の1年死亡率 は 60%とされている。また、生存例でも、2 歳以降までには
肝硬変を呈し、さらに肝細胞癌を合併する場合もある。Weinberg らは、2 歳以上での肝細胞癌の合併率は
37%であると報告している。高チロシン血症 2 型は、細胞質チロシンアミノ基転移酵素(TAT, EC: 2.6.1.5)が
欠損することで発症し、高チロシン血症 3 型は、4-ヒドロキシピルビン酸二酸素添加酵素(HPD, EC:2.6.1.5)
が欠損することで発症する。
3. 症状
高チロシン血症1型:肝実質細胞と近位尿細管細胞の障害を認める。臨床的には、進行する肝障害と腎尿
細管障害が特徴である。急性型、亜急性型、慢性型の3つの病型があり、急性型では生後数週から始まる
肝腫大、発育不良、下痢、嘔吐、黄疸などが見られる。重症例では肝不全へ進行し、無治療であれば生後2
~3か月で死亡する。亜急性型では、生後数か月から1年程度で肝障害を発症する。肝硬変、肝不全に至
る。肝臓癌を発生する症例も多く、多発性腫瘍も報告されている。腎臓では尿細管機能障害が出現し、低リ
ン血性くる病、ビタミン D 抵抗性くる病などが認められる。また、腹痛発作、ポリニューロパチーなどの急性間
欠性ポルフィリン症に類似した症状が出現する。
高チロシン血症2型:肝・腎障害はない。皮膚病変は、チロシン結晶の析出により出現し、過剰角化やびら
んが手掌・足底に好発する。また、角膜において同様にチロシン結晶が析出し、びらん・潰瘍が生じる。角膜
の変化は、生後数か月から認められることがおおいが、思春期以降になって明らかになることもある。皮膚
症状は眼症状よりも遅く出現し、疼痛を伴う角質の増殖とびらんが特徴的であり、手掌・足底に限局する。
血中チロシン値が高い症例では、精神発達遅滞を認めることが多い。早期に血漿チロシン値を 200-400μ
mol/L にコントロールして管理できれば、正常発達を遂げることも可能である。
高チロシン血症3型:高チロシン血症 1 型や 2 型に比べて、症状が軽度であり、無症状の症例もある。失
調、けいれん、ディスレキシア、学習障害、行動障害、精神発達遅滞、自閉症、注意欠陥・多動性障害
(ADHD)などの精神神経症状が認められる。精神神経症状の病因は、高チロシン血症 2 型と同じように、体
液中のチロシンや 4-ヒドロキシフェニルピルビン酸などのチロシン代謝産物の増加が症状の悪化に関係して
いると考えられているが、はっきりとは理解されていない。
4. 治療法
ニチシノンを使用し、①薬物治療 (高チロシン血症 1 型)
NTBC(オーファディン®)投与
診断確定後は速やかに NTBC の投与を開始する。常に食事療法と併用する必要がある。
②食事療法(低フェニルアラニン・低チロシン食)を併用する。高チロシン血症 1 型、2 型、3 型)
血中チロシン値をコントロールするため、低フェニルアラニン・低チロシン食によりタンパク摂取制限を行い
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ある。2 ヶ月以前で発症した症例の1年死亡率 は 60%とされている。また、生存例でも、2 歳以降までには
肝硬変を呈し、さらに肝細胞癌を合併する場合もある。Weinberg らは、2 歳以上での肝細胞癌の合併率は
37%であると報告している。高チロシン血症 2 型は、細胞質チロシンアミノ基転移酵素(TAT, EC: 2.6.1.5)が
欠損することで発症し、高チロシン血症 3 型は、4-ヒドロキシピルビン酸二酸素添加酵素(HPD, EC:2.6.1.5)
が欠損することで発症する。
3. 症状
高チロシン血症1型:肝実質細胞と近位尿細管細胞の障害を認める。臨床的には、進行する肝障害と腎尿
細管障害が特徴である。急性型、亜急性型、慢性型の3つの病型があり、急性型では生後数週から始まる
肝腫大、発育不良、下痢、嘔吐、黄疸などが見られる。重症例では肝不全へ進行し、無治療であれば生後2
~3か月で死亡する。亜急性型では、生後数か月から1年程度で肝障害を発症する。肝硬変、肝不全に至
る。肝臓癌を発生する症例も多く、多発性腫瘍も報告されている。腎臓では尿細管機能障害が出現し、低リ
ン血性くる病、ビタミン D 抵抗性くる病などが認められる。また、腹痛発作、ポリニューロパチーなどの急性間
欠性ポルフィリン症に類似した症状が出現する。
高チロシン血症2型:肝・腎障害はない。皮膚病変は、チロシン結晶の析出により出現し、過剰角化やびら
んが手掌・足底に好発する。また、角膜において同様にチロシン結晶が析出し、びらん・潰瘍が生じる。角膜
の変化は、生後数か月から認められることがおおいが、思春期以降になって明らかになることもある。皮膚
症状は眼症状よりも遅く出現し、疼痛を伴う角質の増殖とびらんが特徴的であり、手掌・足底に限局する。
血中チロシン値が高い症例では、精神発達遅滞を認めることが多い。早期に血漿チロシン値を 200-400μ
mol/L にコントロールして管理できれば、正常発達を遂げることも可能である。
高チロシン血症3型:高チロシン血症 1 型や 2 型に比べて、症状が軽度であり、無症状の症例もある。失
調、けいれん、ディスレキシア、学習障害、行動障害、精神発達遅滞、自閉症、注意欠陥・多動性障害
(ADHD)などの精神神経症状が認められる。精神神経症状の病因は、高チロシン血症 2 型と同じように、体
液中のチロシンや 4-ヒドロキシフェニルピルビン酸などのチロシン代謝産物の増加が症状の悪化に関係して
いると考えられているが、はっきりとは理解されていない。
4. 治療法
ニチシノンを使用し、①薬物治療 (高チロシン血症 1 型)
NTBC(オーファディン®)投与
診断確定後は速やかに NTBC の投与を開始する。常に食事療法と併用する必要がある。
②食事療法(低フェニルアラニン・低チロシン食)を併用する。高チロシン血症 1 型、2 型、3 型)
血中チロシン値をコントロールするため、低フェニルアラニン・低チロシン食によりタンパク摂取制限を行い
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