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資料1-2-16診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (12 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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296 胆道閉鎖症
○ 概要
1.概要
胆道閉鎖症は、新生児期から乳児期早期に発症する難治性の胆汁うっ滞疾患である。炎症性に肝外胆
管組織の破壊が起こり、様々なレベルでの肝外胆管の閉塞が認められる。全体の約 85%が肝門部におい
て胆管の閉塞が認められる。また多くの症例で炎症性の胆管障害は肝外胆管のみならず肝内の小葉間胆
管までおよんでいる。わが国における発生頻度は 107,000 から 1510,000 出生に1人とされている。1989 年
から行われている日本胆道閉鎖症研究会による全国登録には 20102019 年までに 25163,591 例の登録が
行われている。
2.原因
原因としては先天的要素、免疫異常、遺伝的要素、ウイルス感染などの種々の説が挙げられているが未
だ解明はされていない。海外からは新生児マウスへのロタウイルス腹腔内投与による胆道閉鎖症類似動
物モデルの報告がなされている。しかし国内での追試は成功例の報告がない。病理組織学的検討などで
は炎症性変化は Th1 優位の炎症反応であることが示されている。また胆管細胞におけるアポトーシスの亢
進などの現象は同定されているものの、このような現象を来す原因は未だ不明である。
3.症状
新生児期から乳児期早期に出現する便色異常、肝腫大、黄疸が主な症状である。また胆汁うっ滞に伴う
ビタミン K の吸収障害のために出血傾向を来す場合がある。それに付随して全体の約4%が脳出血で発症
することが知られている。合併奇形としては無脾・多脾症候群、腸回転異常症、十二指腸前門脈などがあ
る。外科的な治療が成功しなければ、全ての症例で胆汁性肝硬変の急速な進行から死に至る。
4.治療法
胆道閉鎖症が疑われる症例に対して、採血検査や手術の画像検索を行う。しかし最終的な確定診断は
直接胆道造影が必要である。胆道閉鎖症の診断が確定したら、病型に応じて肝外胆管を切除して、肝管あ
るいは肝門部空腸吻合術が施行される。上記手術により黄疸消失が得られるのは全体の約6割程度であ
る。術後に黄疸が遷延または再発した場合や、上記合併症で著しく QOL が障害されている場合などには最
終的に肝移植が必要となる。
5.予後
胆道閉鎖症手術により黄疸消失が得られるのは全体の約6割程度である。術後に発症する続発症として
は胆管炎と門脈圧亢進症が代表的なものである。胆管炎は術後早期に発症すると予後に大きな影響を及
ぼし、全体の約 40%に胆管炎の発症が認められる。門脈圧亢進症では、それに付随するものとして消化管
に発生する静脈瘤と脾機能亢進症の頻度が代表的なものである高い。消化管の静脈瘤は破裂により大量
の消化管出血を来す可能性がある。脾機能亢進症は血小板をはじめとする血球減少を来す。また、門脈
圧亢進症に伴い肺血流異常(肝肺症候群や門脈肺高血圧)を生じることが起こりうる可能性あり、予後に大
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○ 概要
1.概要
胆道閉鎖症は、新生児期から乳児期早期に発症する難治性の胆汁うっ滞疾患である。炎症性に肝外胆
管組織の破壊が起こり、様々なレベルでの肝外胆管の閉塞が認められる。全体の約 85%が肝門部におい
て胆管の閉塞が認められる。また多くの症例で炎症性の胆管障害は肝外胆管のみならず肝内の小葉間胆
管までおよんでいる。わが国における発生頻度は 107,000 から 1510,000 出生に1人とされている。1989 年
から行われている日本胆道閉鎖症研究会による全国登録には 20102019 年までに 25163,591 例の登録が
行われている。
2.原因
原因としては先天的要素、免疫異常、遺伝的要素、ウイルス感染などの種々の説が挙げられているが未
だ解明はされていない。海外からは新生児マウスへのロタウイルス腹腔内投与による胆道閉鎖症類似動
物モデルの報告がなされている。しかし国内での追試は成功例の報告がない。病理組織学的検討などで
は炎症性変化は Th1 優位の炎症反応であることが示されている。また胆管細胞におけるアポトーシスの亢
進などの現象は同定されているものの、このような現象を来す原因は未だ不明である。
3.症状
新生児期から乳児期早期に出現する便色異常、肝腫大、黄疸が主な症状である。また胆汁うっ滞に伴う
ビタミン K の吸収障害のために出血傾向を来す場合がある。それに付随して全体の約4%が脳出血で発症
することが知られている。合併奇形としては無脾・多脾症候群、腸回転異常症、十二指腸前門脈などがあ
る。外科的な治療が成功しなければ、全ての症例で胆汁性肝硬変の急速な進行から死に至る。
4.治療法
胆道閉鎖症が疑われる症例に対して、採血検査や手術の画像検索を行う。しかし最終的な確定診断は
直接胆道造影が必要である。胆道閉鎖症の診断が確定したら、病型に応じて肝外胆管を切除して、肝管あ
るいは肝門部空腸吻合術が施行される。上記手術により黄疸消失が得られるのは全体の約6割程度であ
る。術後に黄疸が遷延または再発した場合や、上記合併症で著しく QOL が障害されている場合などには最
終的に肝移植が必要となる。
5.予後
胆道閉鎖症手術により黄疸消失が得られるのは全体の約6割程度である。術後に発症する続発症として
は胆管炎と門脈圧亢進症が代表的なものである。胆管炎は術後早期に発症すると予後に大きな影響を及
ぼし、全体の約 40%に胆管炎の発症が認められる。門脈圧亢進症では、それに付随するものとして消化管
に発生する静脈瘤と脾機能亢進症の頻度が代表的なものである高い。消化管の静脈瘤は破裂により大量
の消化管出血を来す可能性がある。脾機能亢進症は血小板をはじめとする血球減少を来す。また、門脈
圧亢進症に伴い肺血流異常(肝肺症候群や門脈肺高血圧)を生じることが起こりうる可能性あり、予後に大
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