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資料1-2-16診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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2)2011 年以降、欧米で大きな治療効果があった3剤、高力価の消化酵素薬、気道内の膿性粘液を分解す
るドルナーゼアルファ吸入液、トブラマイシンの吸入薬により、予後の改善が期待されている。
3)胎便性イレウスに対しては、高浸透圧性造影剤の浣腸が行われるが、手術が必要となる場合も多い。
4)呼吸器症状の治療は、肺呼吸理学療法(体位ドレナージ、タッピング)、去痰薬、気管支拡張薬の組み合
わせにより喀痰の排出を促進させ、呼吸器感染を早期に診断し適切な抗菌薬を使うことが基本である。
ドルナーゼアルファは、気道内の膿性粘液中の DNA を分解することにより喀痰を排出し易くする。高張
食塩水(6~7%)の吸入も喀痰を排出し易くする。緑膿菌感染を早期に検出し、早期に治療することが
大切である。
5)膵外分泌不全には膵酵素補充療法を行う。気道の慢性感染症と咳そうによる消耗が加わって、栄養不
良となることが多い。充分な量の消化酵素製剤を補充して、健常な子供よりも 30~50%多いカロリーを
摂る必要がある。栄養状態が良好になると肺呼吸機能が改善する。
6)最近、ヨーロッパ人に多い一部の遺伝子変異について、根本的な治療薬が開発され治療効果があると
報告されている。しかし、日本人の遺伝子変異はヨーロッパ人とは異なるので、治療薬開発のために研
究班として遺伝子解析と変異タンパクの機能解析を進めている。
5.予後
20142021 年 108 月現在までに 95127 症例(男性 4662 例、女性 4965 例)のデータが蓄積されており、平
均生存期間の中央値は約 2024.0 年である。ただし、症例数の多い欧米で開発された治療法の発達・普及
により予後の改善が見込まれ、成人症例の増加が予想される。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数
100 人未満
2. 発病の機構
不明(CFTR 遺伝子の変異が主な原因であるが、病態形成の機序に不明な部分が多い。)
3. 効果的な治療方法
未確立(対症療法のみである。)
4. 長期の療養
必要(進行性であり、生涯治療を継続する必要がある。)
5. 診断基準
あり(研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類
重症度 Stage 分類を用いて Stage-3-2 以上を対象とする。
○ 情報提供元
「嚢胞性線維症」

研究代表者 近畿大学医学部 主任教授 竹山宜典

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