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資料1-2-16診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (43 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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<診断基準>
若年発症型両側性感音難聴
<診断のカテゴリー>次の3条件を満たす感音難聴のことである。
1.遅発性かつ若年発症である(40 歳未満の発症)。
2.両側性である。
3.遅発性難聴を引き起こす原因遺伝子が同定されており、既知の外的因子によるものが除かれてる除
かれている。
解説
1.遅発性の若年発症について
(1)40 歳未満での発症が標準純音聴力検査で確認されたもの。
健常人を対象にした大規模調査の結果より、加齢に伴う標準純音聴力検査における聴覚閾値の平均値は
125Hz、250Hz、500Hz、1000Hz、2000Hz、4000 Hz、8000Hz の全周波数にわたり 55 歳未満では 20dB 未満
であることが明らかとなっており、加齢に伴う聴力の悪化は 55 歳以降に認められる。したがって 40 歳未満
で難聴があるとすれば医学的には加齢以外の要因によるものであると考えることが妥当である。
(2)遅発性の発症あるいは観察期間中の進行が確認できたもの。
・新生児聴覚検査、1歳半健診、3歳児健診、就学時健診のいずれかの時点において難聴がないことが証
明できるもの。
・耳鼻咽喉科にて標準純音聴力検査を施行し、観察期間中に難聴の進行があることが証明できたもの。
2.両側性について
両側の感音難聴があり、良聴耳が中等度以上の難聴であるもの。両側性とは常に両側が同様な病態を示
すという意味ではなく、両側罹患という意味である。したがって、両側性感音難聴で一側のみが進行すると
いう例も含まれる。
3.原因について
(1)既知の遅発性・進行性難聴を引き起こす原因遺伝子が同定されている
既知の遅発性・進行性難聴を引き起こす原因遺伝子としては、現在までに、ACTG1 遺伝子、CDH23 遺伝
子、COCH 遺伝子、KCNQ4 遺伝子、TECTA 遺伝子、TMPRSS3 遺伝子、WFS1 遺伝子、EYA4 遺伝子、

MYO6 遺伝子、MYO15A 遺伝子、POU4F3 遺伝子の変異が同定されている。これらの遺伝子変異が同定さ
れ、かつ上記の聴力基準を満たす症例は先天性難聴、加齢性難聴とは異なる病態であり、本疾患であると
考えることが妥当である。
なお、研究班の実施した大規模調査より、各遺伝子変異による難聴者の占める割合は、難聴者全体(加齢
性難聴は除く)の 0.14%~1.9%程度であることが明らかとなっている。
(2)既知の外的因子が除外されているもの。

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