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資料1-2-16診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (37 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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303 アッシャー症候群
○ 概要
1.概要
アッシャー(Usher)症候群は、難聴に網膜色素変性症を伴う症候群性の疾患である。難聴の程度は中等度
~重度難聴までと幅広く、先天性に発症する例がほとんどを占める。また網膜色素変性は遅発性に発症し、
徐々に視野狭窄が進行して社会的失明となる例が多い。
2.原因
アッシャー(Usher)症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる疾患である。原因遺伝子としては現在までに9つ
が同定されている。タイプ1は MYO7A 、 USH1C 、 CDH23 、 PCDH15 、 USH1G であり、タイプ2は USH2A、
ADGRV1 (GPR98、)、WHRN (DFNB31)、タイプ3は CLRN1 である。
病態に関しては感音難聴と網膜色素変性症を伴うことから、その障害部位は内耳(特に有毛細胞)と網膜
(特に桿体細胞)の障害であると考えられており、内耳と網膜に共通する疾患発症メカニズムと内耳特有の疾
患発症メカニズムの組み合わせによる発症が推定されているが、その詳細は不明である。
3.症状
症状の程度とその発症時期によって3つのタイプに分類されている。視覚症状は夜盲にはじまり、その後視
野狭窄が進行していく経過をとる例がほとんどである。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ1
先天性の高度~重度難聴を呈する。両側前庭機能障害を伴う例が多く、視覚症状は 10 歳前後より生じる。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ2
先天性の高音障害型難聴を呈する。視覚症状は思春期以降に生じることが多い。前庭機能は正常である
例が多い。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ3
進行性の難聴を呈し、前庭機能障害の有無、及び視覚症状の発症時期は様々である。
4.治療法
難聴に対する治療法
現時点では疾患そのものを治療する有効な治療法は無い。
難聴の程度に応じて、補聴器や人工内耳によって聴力を補う治療が行われている。
特に先天性の高度難聴を呈するアッシャー(Usher)症候群タイプ1症例に対しては補聴器での聴取は困難
でありその効果は限定的であると考えられるため、早期からの人工内耳装用が望ましい。また、将来的に網
膜色素変性症が進行し、社会的失明となることを予測し、早期からの両側人工内耳装用により聴覚情報を担
保することが QOL 向上のために有用であると考えられる。
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○ 概要
1.概要
アッシャー(Usher)症候群は、難聴に網膜色素変性症を伴う症候群性の疾患である。難聴の程度は中等度
~重度難聴までと幅広く、先天性に発症する例がほとんどを占める。また網膜色素変性は遅発性に発症し、
徐々に視野狭窄が進行して社会的失明となる例が多い。
2.原因
アッシャー(Usher)症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる疾患である。原因遺伝子としては現在までに9つ
が同定されている。タイプ1は MYO7A 、 USH1C 、 CDH23 、 PCDH15 、 USH1G であり、タイプ2は USH2A、
ADGRV1 (GPR98、)、WHRN (DFNB31)、タイプ3は CLRN1 である。
病態に関しては感音難聴と網膜色素変性症を伴うことから、その障害部位は内耳(特に有毛細胞)と網膜
(特に桿体細胞)の障害であると考えられており、内耳と網膜に共通する疾患発症メカニズムと内耳特有の疾
患発症メカニズムの組み合わせによる発症が推定されているが、その詳細は不明である。
3.症状
症状の程度とその発症時期によって3つのタイプに分類されている。視覚症状は夜盲にはじまり、その後視
野狭窄が進行していく経過をとる例がほとんどである。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ1
先天性の高度~重度難聴を呈する。両側前庭機能障害を伴う例が多く、視覚症状は 10 歳前後より生じる。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ2
先天性の高音障害型難聴を呈する。視覚症状は思春期以降に生じることが多い。前庭機能は正常である
例が多い。
アッシャー(Usher)症候群 タイプ3
進行性の難聴を呈し、前庭機能障害の有無、及び視覚症状の発症時期は様々である。
4.治療法
難聴に対する治療法
現時点では疾患そのものを治療する有効な治療法は無い。
難聴の程度に応じて、補聴器や人工内耳によって聴力を補う治療が行われている。
特に先天性の高度難聴を呈するアッシャー(Usher)症候群タイプ1症例に対しては補聴器での聴取は困難
でありその効果は限定的であると考えられるため、早期からの人工内耳装用が望ましい。また、将来的に網
膜色素変性症が進行し、社会的失明となることを予測し、早期からの両側人工内耳装用により聴覚情報を担
保することが QOL 向上のために有用であると考えられる。
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