おわりに
本懇談会では、人口減少等の深刻な課題に直面する中、限られたリソースをもとに、
デジタル技術の活用を通じて、持続可能で活力ある地域社会を実現するため、地域
社会の活動をどのように支えていくべきかという視点から、情報通信利用環境の在り方、
デジタル実装による地域振興、地域社会ＤＸを推進するための人材及び連携・推進体
制という４つの検討項目について、国において対応すべき方向性を提言として取りまと
めた。
しかしながら、今後、各地域社会においてデジタル技術が実装され、将来的にＤＸに
よる価値創造が実現されていくためには、各都道府県や市区町村、地域社会の様々
なステークホルダーが、共通の目標の下で連携しながら具体的な行動を起こせるよう、
地域社会ＤＸの全体像や求められるアクションなどを端的に示していくことが求められ
る。
本懇談会では、先進的な事例の成功要因等について議論を行ってきたところ、例え
ば、基礎自治体を中心に、地域社会の抱える課題について地域住民をはじめとする
ステークホルダーとともに、外部の有識者の協力も得ながら洗い出し、地域社会のある
べきビジョンを整理した上で、デジタル技術も活用してどのように解決していくかを中
長期的な視点やバックキャスト思考で検討し、その過程で、課題意識や目的を共有で
きる地域社会のステークホルダーを巻き込んでいくといったアプローチが考えられる。
この点、本懇談会で取り扱った事例は限られており、また、地域社会によって、抱え
る課題や持てるリソース、ステークホルダーの有無など状況は多種多様であり、また取
り組む領域によっても異なるものと考えられる。
このため、本懇談会としては、本報告書を踏まえ、地方自治体を含む地域社会ＤＸを
支えるステークホルダーが具体的な行動を起こせるよう、今後、総務省において、様々
な事例をもとに、成功要因、様々な段階に応じ取るべきアクション、留意点等をガイド
ブック等で整理するとともに、総合通信局等や地域情報化アドバイザー等を含む様々
なアプローチを通じた伴走型の支援を継続させることにより、デジタル技術を実用した、
活力ある地域社会を実現させていくことを提起して、報告書を結ぶこととしたい。

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