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資料1-2-10診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (16 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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157 スタージ・ウェーバー症候群
○ 概要
1.概要
スタージ・ウェーバー症候群は、脳内頭蓋内の軟膜血管腫軟膜毛細血管奇形と、顔面のポートワイン斑
ポートワイン母斑、眼の緑内障を有する神経皮膚症候群の一つであり、難治性てんかん、精神発達遅滞、
運動麻痺、視力・視野障害、片頭痛などが問題となる。
2.原因
胎生初期の原始静脈叢の退縮不全と考えられているが、その原因が不明。
近年、GNAQ 遺伝子の変異が報告されたために、何らかされ、病態への遺伝子異常関与が推定されて
いる。しかしながら、GNAQ 遺伝子の変異は軟膜血管腫頭蓋内軟膜毛細血管奇形及びポートワイン斑ポー
トワイン母斑(毛細血管奇形)の発生に関連するものと考えられ、スタージ・ウェーバー症候群の特徴である
考えられる。GNAQ 遺伝子変異は皮質静脈の形成不全を説明し得るものや毛細血管奇形下脳実質の皮質
形成にも関与することが示唆されるが確定的ではない。
3.症状
軟膜血管腫頭蓋内軟膜毛細血管奇形、ポートワイン斑ポートワイン母斑(毛細血管奇形)、緑内障の三
所見が重要。臨床的には難治性てんかん、精神運動発達遅滞、片麻痺の出現、視力・視野障害及び緑内
障片頭痛が問題になる。難治性てんかんは約 50%が抗てんかん薬ではコントロール不良であり、てんかん
外科治療がも考慮される。10~20%は内科的治療と外科治療を行っても極めて難治に経過する。
精神発達遅滞は約 50~8030〜60%に見られ、てんかん発作の重症度及び軟膜血管腫頭蓋内軟膜毛細
血管奇形の範囲に比例する。注意欠如多動症は小児の 40%に、精神症状は成人の 50%におよぶ。
軟膜血管腫下頭蓋内軟膜毛細血管奇形下の脳皮質が虚血に陥るため運動麻痺などの局所症状を呈す
ることもある。
緑内障は静脈血のうっ滞のため 30〜70%に眼圧みられるが上昇すると考えられ、血管腫、原因は様々
な説があり明確ではない。顔面ポートワイン母斑を認める例や頭蓋内軟膜毛細血管奇形が前方に位置す
る例では著明となり、失明などが問題となる。脈絡膜血管腫は 40〜50%にみられ、視力低下および視野欠
損の原因になる。
片頭痛は 30〜45%に認められる。片頭痛に伴った一過性視症状や運動麻痺がみられることがある。
4.治療法
難治性てんかんに対しては、抗てんかん薬による治療が行われ、約 50~60%の症例で効果を認める
が認められる。、薬剤抵抗性を示す場合が少なくない。抗てんかん薬の効果が認められない患者に対して
は焦点切除が行われる切除術も考慮される。広範に軟膜血管腫頭蓋内軟膜毛細血管奇形の存在する場
合には手術治療も困難である。広範囲の軟膜血管腫頭蓋内軟膜毛細血管奇形による難治性てんかんに
対しては多脳葉切除(離断)術や半球離断術が行われるが、その後に運動麻痺を後遺する後遺症として残

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