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資料1-2-10診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (41 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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ゲン遺伝子(COL1A1、COL1A2)遺伝子変異により、皮膚脆弱型 EDS はプロコラーゲン I N-プロテイナー
ゼ遺伝子(ADAMTS2)遺伝子変異により、DDEDS は CHST14 遺伝子変異により発症する。変異により、後
側彎型 EDS はコラーゲン修飾酵素リジルヒドロキシラーゼ遺伝子(PLOD)変異または FKBP14 遺伝子変
異、脆弱角膜症候群は ZNF469 遺伝子または PRDM5 遺伝子変異、脊椎異形成型 EDS は B4GALT7 遺伝
子、B3GALT6 遺伝子、または SLC39A13 遺伝子変異、筋拘縮型 EDS はデルマタン 4-O-硫酸基転移酵素
遺伝子(CHST14)またはデルマタン硫酸エピメラーゼ遺伝子(DSE)変異、ミオパチー型 EDS はⅫ型コラー
ゲン遺伝子(COL12A1)変異、歯周型 EDS は C1R 遺伝子または C1S 遺伝子変異により発症する。しかし、
それぞれの遺伝子変異がどのような機序で多系統の合併症を引き起こすのか、治療につながる詳細な病
態は不明である。原因遺伝子が同定されていない関節型 EDS の病態は全くわかっていない。
3.症状
古典型 EDS においては、皮膚の脆弱性(容易に裂ける、萎縮性瘢痕を来す)、関節の脆弱性(柔軟、脱臼
しやすい)、血管の脆弱性(内出血しやすい)、心臓弁の逸脱・逆流、上行大動脈拡張を呈する。類古典型
EDS においては、柔らかい感触の皮膚、萎縮性瘢痕を伴わない皮膚過伸展性、全身関節過可動、易出血
性を呈する。心臓弁型 EDS においては、重度進行性の心臓弁異常、皮膚過伸展性、萎縮性瘢痕、薄い皮
膚、易出血性、関節過可動を呈する。関節型 EDS においては、関節の脆弱性が中心(脱臼・亜脱臼、慢性
疼痛)である。血管型 EDS においては、動脈解離・瘤・破裂、腸管破裂、子宮破裂といった重篤な合併症を
呈するとともに、小関節の弛緩、特徴的顔貌、皮下静脈の透見などの身体的特徴がある。関節型 EDS にお
いては、関節の脆弱性が中心(脱臼・亜脱臼、慢性疼痛)である。DDEDS で多発関節弛緩型 EDS において
は、先天性両側股関節脱臼、反復性(亜)脱臼を伴う重度全身関節過可動、皮膚過伸展性を呈する。皮膚
脆弱型 EDS においては、皮膚裂傷を伴う皮膚脆弱性、手首・足首の皮膚弛緩、手掌の皺、重度易出血性、
臍ヘルニア、四肢短縮を伴う成長障害、組織脆弱性に関連した出生前後の合併症を呈する。後側彎型
EDS においては、先天性筋緊張低下、先天性・早期発症側彎、(亜)脱臼を伴う全身関節過可動を呈する。
脆弱角膜症候群においては、薄い角膜、早期発症進行性円錐角膜・球状角膜、青色強膜を呈する。脊椎
異形成型 EDS においては、低身長、筋緊張低下、四肢彎曲を呈する。筋拘縮型 EDS においては、進行性
結合組織脆弱性(皮膚過伸展・脆弱性、全身関節弛緩・慢性脱臼・変形、巨大皮下血腫、心臓弁の逸脱・
逆流、難治性便秘、膀胱拡張、眼合併症など)及び発生異常(顔貌の特徴、先天性多発関節拘縮など)を
伴う特徴的な症状を呈する。ミオパチー型 EDS においては、先天性筋緊張低下・筋萎縮、近位関節拘縮、
遠位関節過可動を呈する。歯周型 EDS においては、早期発症重度難治性歯周炎、歯肉欠損、脛骨前面斑
を呈する。
4.治療法
古典型 EDS における皮膚、関節のトラブルに対しては、激しい運動を控えることやサポーターを装着する
などの予防が有用である。皮膚裂傷に対しては、慎重な縫合を要する。関節型 EDS においては、関節を保
護するリハビリテーションや補装具の使用、また疼痛緩和のための鎮痛薬の投与を行う。血管型 EDS の動
脈病変については、定期的な画像検査・発症時の慎重な評価と治療を行う(できる限り保存的に、進行性
の場合には血管内治療を考慮。)。最近、β遮断薬セリプロロールの動脈病変予防効果が期待されている。
腸管破裂の発症時には、迅速な手術が必要である。DDEDS 筋拘縮型 EDS においては、定期的な骨格系
(側彎、脱臼)の評価、心臓血管の評価、泌尿器系、眼科の評価、必要に応じた整腸剤・緩下剤内服などが
考慮される。他病型においても、同様に合併症に対する対症療法を行う。
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ゼ遺伝子(ADAMTS2)遺伝子変異により、DDEDS は CHST14 遺伝子変異により発症する。変異により、後
側彎型 EDS はコラーゲン修飾酵素リジルヒドロキシラーゼ遺伝子(PLOD)変異または FKBP14 遺伝子変
異、脆弱角膜症候群は ZNF469 遺伝子または PRDM5 遺伝子変異、脊椎異形成型 EDS は B4GALT7 遺伝
子、B3GALT6 遺伝子、または SLC39A13 遺伝子変異、筋拘縮型 EDS はデルマタン 4-O-硫酸基転移酵素
遺伝子(CHST14)またはデルマタン硫酸エピメラーゼ遺伝子(DSE)変異、ミオパチー型 EDS はⅫ型コラー
ゲン遺伝子(COL12A1)変異、歯周型 EDS は C1R 遺伝子または C1S 遺伝子変異により発症する。しかし、
それぞれの遺伝子変異がどのような機序で多系統の合併症を引き起こすのか、治療につながる詳細な病
態は不明である。原因遺伝子が同定されていない関節型 EDS の病態は全くわかっていない。
3.症状
古典型 EDS においては、皮膚の脆弱性(容易に裂ける、萎縮性瘢痕を来す)、関節の脆弱性(柔軟、脱臼
しやすい)、血管の脆弱性(内出血しやすい)、心臓弁の逸脱・逆流、上行大動脈拡張を呈する。類古典型
EDS においては、柔らかい感触の皮膚、萎縮性瘢痕を伴わない皮膚過伸展性、全身関節過可動、易出血
性を呈する。心臓弁型 EDS においては、重度進行性の心臓弁異常、皮膚過伸展性、萎縮性瘢痕、薄い皮
膚、易出血性、関節過可動を呈する。関節型 EDS においては、関節の脆弱性が中心(脱臼・亜脱臼、慢性
疼痛)である。血管型 EDS においては、動脈解離・瘤・破裂、腸管破裂、子宮破裂といった重篤な合併症を
呈するとともに、小関節の弛緩、特徴的顔貌、皮下静脈の透見などの身体的特徴がある。関節型 EDS にお
いては、関節の脆弱性が中心(脱臼・亜脱臼、慢性疼痛)である。DDEDS で多発関節弛緩型 EDS において
は、先天性両側股関節脱臼、反復性(亜)脱臼を伴う重度全身関節過可動、皮膚過伸展性を呈する。皮膚
脆弱型 EDS においては、皮膚裂傷を伴う皮膚脆弱性、手首・足首の皮膚弛緩、手掌の皺、重度易出血性、
臍ヘルニア、四肢短縮を伴う成長障害、組織脆弱性に関連した出生前後の合併症を呈する。後側彎型
EDS においては、先天性筋緊張低下、先天性・早期発症側彎、(亜)脱臼を伴う全身関節過可動を呈する。
脆弱角膜症候群においては、薄い角膜、早期発症進行性円錐角膜・球状角膜、青色強膜を呈する。脊椎
異形成型 EDS においては、低身長、筋緊張低下、四肢彎曲を呈する。筋拘縮型 EDS においては、進行性
結合組織脆弱性(皮膚過伸展・脆弱性、全身関節弛緩・慢性脱臼・変形、巨大皮下血腫、心臓弁の逸脱・
逆流、難治性便秘、膀胱拡張、眼合併症など)及び発生異常(顔貌の特徴、先天性多発関節拘縮など)を
伴う特徴的な症状を呈する。ミオパチー型 EDS においては、先天性筋緊張低下・筋萎縮、近位関節拘縮、
遠位関節過可動を呈する。歯周型 EDS においては、早期発症重度難治性歯周炎、歯肉欠損、脛骨前面斑
を呈する。
4.治療法
古典型 EDS における皮膚、関節のトラブルに対しては、激しい運動を控えることやサポーターを装着する
などの予防が有用である。皮膚裂傷に対しては、慎重な縫合を要する。関節型 EDS においては、関節を保
護するリハビリテーションや補装具の使用、また疼痛緩和のための鎮痛薬の投与を行う。血管型 EDS の動
脈病変については、定期的な画像検査・発症時の慎重な評価と治療を行う(できる限り保存的に、進行性
の場合には血管内治療を考慮。)。最近、β遮断薬セリプロロールの動脈病変予防効果が期待されている。
腸管破裂の発症時には、迅速な手術が必要である。DDEDS 筋拘縮型 EDS においては、定期的な骨格系
(側彎、脱臼)の評価、心臓血管の評価、泌尿器系、眼科の評価、必要に応じた整腸剤・緩下剤内服などが
考慮される。他病型においても、同様に合併症に対する対症療法を行う。
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