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資料1-2-10診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (31 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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167 マルファン症候群/ロイス・ディーツ症候群
○ 概要
1.概要
大動脈、骨格、眼、肺、皮膚、硬膜などの全身の結合組織が脆弱になる遺伝性疾患。結合組織が脆
弱になることにより、大動脈瘤や大動脈解離、高身長、側弯等の骨格変異、水晶体亜脱臼、自然気胸な
どを来す動脈瘤・解離などの心血管症状、側弯等の骨関節症状、水晶体偏位等の眼症状、などを来す
が、特に、大動脈解離は時に命にかかわる重篤な合併症である。FBN1 遺伝子異常によるマルファン症
候群と、TGFβ関連遺伝子異常によるロイス・ディーツ症候群に大別される。
2.原因
常染色体顕性遺伝(優性遺伝病遺伝)病であり、マルファン症候群では約 75%は両親のいずれかが
罹患し、、ロイス・ディーツ症候群では約 25%は突然が親からの遺伝で発症し、残りは新生変異で起こる。
による。マルファン症候群の原因遺伝子は、フィブリリン1、TGFβ受容体1、2FBN1、ロイス・ディーツ症候
群の原因遺伝子は、TGFBR1、TGFBR2、SMAD3、TGFB2、TGFB3、SMAD2 が判明しているが、それら以
外の未解明他の原因遺伝子の存在も疑われている。細胞骨格の構成物質であるフィブリリン1の異常に
より、全身の結合組織が脆弱になるとともに、TGFβシグナル伝達の過剰活性化が脆弱化に関与してい
ることも指摘されている疑われる。
3.症状
若年性の大動脈瘤・解離、骨関節症状が両疾患に共通する主症状である。動脈瘤破裂や大動脈解離
によりは、突然死を来すことのリスクがあり、もっとも重篤な合併症である。突然死を来さなくてもその他、
大動脈弁閉鎖不全・僧帽弁閉鎖不全によりよる心不全や呼吸困難を呈したり、大動脈解離ではショック
に陥ることがある。骨格病変不整脈も問題となる。骨関節症状としては高身長、長指、側弯、漏斗胸など
の胸郭形成不全等を呈する異常が問題となる。その他、水晶体亜脱臼水晶体偏位によりよる視力の低
下、自然気胸によりよる呼吸困難などを呈する。
1.マルファン症候群
大動脈基部拡張・解離、水晶体偏位、高身長・細長い指・漏斗胸・鳩胸・側弯などの特徴的骨格病変
を三主徴とする。大動脈基部拡張や僧帽弁逸脱の多くは小児期より認めるが、心臓弁閉鎖不全等によ
る心雑音や心不全症状、大動脈解離などで顕在化する。水晶体偏位・脱臼はマルファン症候群に特徴
的で診断的価値が高い。
2. ロイス・ディーツ症候群
種々の血管系症状(大動脈瘤・解離、中小動脈瘤、動脈蛇行、先天性心奇形)と骨関節症状(漏斗胸・
鳩胸、側彎、関節過可動性、先天性内反足、頭蓋骨縫合早期癒合、頸椎不安定性、眼間開離等)を高頻
度で認めるが、個人差が大きい。動脈瘤は大動脈以外に、頭頸部、胸部、腹部の分枝中小動脈等にも
生じ、早期に解離に至る場合もある。

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