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地域づくり支援ハンドブックvol.1 (154 ページ)

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出典情報 支援パッケージ(地域づくり支援ハンドブック)について(5/15)《厚生労働省》
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Q

個別課題から地域課題の解決につなげていくにはどうすればよい
ですか?

地域ケア会議
よくある質問

いま地域ケア個別会議はうまくいっていますか?
地域課題を把握するには、まずひとつひとつのケースをしっかり検討できている必要があります。個別事例の
なかで、地域の実態把握や足りない地域の資源・要素など課題の種を把握できていなければ、その後の展開に
つなげませんので、できていなければ、その改善から検討してみましょう。
各論 / 地域ケア会議を機能させるポイントを教えてください 146ページ

大事な視点
個別課題から地域課題の解決につなげていくプロセスは以下のようになります。
① 地域ケア個別会議で地域課題と考えうる要素や事例をしっかり把握しておく
② ケースの蓄積を通じて、それらの要素や事例を横断的に把握、整理、分析することで、個別の事例に留
まるのか、地域に共通する課題なのか、といった仕分けをしていく
③ 地域課題と認識したものに対して、なぜその課題が発生しているのかという原因を分析し、影響度合い
などから取組の優先順位をつけていく
④ 地域での資源開発や、事業化を含めた政策形成など、どのような方策で解決していくか、といったアプ
ローチを検討し、実行していく
大事なポイントは、いま自分たちが課題として認識しているものが本当に(優先的に)解決すべき地域の課
題なのか、原因や課題の大きさなども含めてしっかりと課題のアセスメントをするという意識です。
上記プロセスの例として、地域ケア個別会議におけるケースの目的に「以前のように近所の方々とスーパー
で井戸端会議がしたい」という方がいたとします。サービス利用により歩行能力もだいぶ上がっており、立
ち話ができる持久性はついてきたが、スーパーまで歩いて行き、さらに立ち話をするということはまだ難し
い状況であるとします。ここから、自宅からスーパーまでの移動をサポートしてくれる地域の資源があれば
いいなということが見えてきました(上記①)。地域ケア個別会議で複数ケースを行っていくと、スーパー
が少し高台にあるため、実はこの地域には同じようなニーズのある人が一定数いることがわかってきました
(上記②③)。そこで、それを解決するための住民互助の移動支援サービスという地域資源開発の動きにつ
ながっていく(上記④)といった流れが考えられます。

個別ケースから得られた地域課題の種をしっかり記録していますか?
個別ケース検討において、よい対話をしても、その結果や得られた情報を整理して記録しておらず、やりっぱ
なしとなってしまっていることもあるようです。次につなげるためにも、地域ケア個別会議の記録方法や運営
方法などを確認しておきましょう。

地域課題に関する個々の要素・事例を一覧化して対話してみよう
関係者で議論を進める土台として、既存の地域課題につながる個別事例や要素を一覧にして整理してみましょ
う。多く出てくる課題感や、地域性など様々な気付きがあると思います。
総論 / 地域づくりにおける市町村の役割とは?

17ページ

地域課題の解決に向けたポイント




「政策形成につなげる地域ケア会議の効果的な活用の手引き」には、地域ケア個別会議で地域課題を把握する際のポイントや、把握し
た地域課題を実際の解決に繋げる際などのポイントが具体的に記載されています。また『地域包括支援センター運営マニュアル3訂』
には、包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備として、地域課題解決のプロセスが解説されています。

一般財団法人 長寿社会開発センター「政策形成につなげる地域ケア会議の効果的な活用の手引き」 (令和5年3月)、R
4年度介護予防活動普及展開事業
一般財団法人 長寿社会開発センター『地域包括支援センター運営マニュアル3訂』(令和4年4月)

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