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参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (10 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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過ぎないということを認識することも重要である。これらを意識しながら臨床実習をはじめとする学修に臨め
ば、より有意義な成果が得られることだろう。
「多様な場や人をつなぎ活躍できる」ということは、これから起こる多様な求めや変化に応えるという受動
的な側面だけでなく、歯科医師として多様なキャリアパスが形成でき、多様なチャンスがあるということも意
味する。実際に、現在の歯科医師の大半は臨床に従事しているが、基礎歯学や法・社会歯学を含む研究に加
え、保健所を含む行政、学校保健や他領域も含めた教育といった多様な領域に進んでいる歯科医師もいる。ま
た、臨床歯科医であっても日々の診療だけでなく、市民向け講座や政策検討、国際保健・医療に参画する等多
様な社会貢献を果たしている。人生 100 年時代において、卒業段階での選択だけではなく、卒後も様々な段階
で多様な選択肢があることを付言する。
また、多様な選択肢の中から自身の進む道を選んだ後においても、医学的関心を幅広く持つことは生涯にわ
たって求められる。例えば、臨床の道を進んだとしても診療を行う上でリサーチマインドを絶えず意識し、あ
るいは研究の道を進んでも新たな医学的発見を目指す上で常に臨床現場を意識することを努力し続けることが
求められる。また、異なる立場や場面を意識したり、他の選択肢を選んだ歯科医師と連携したりすることを求
められることは容易に想像できる。さらには、歯科医師の間だけで関係性を築くのではなく、歯学・歯科医療
に関わる多くの人々と積極的に関係を築き、自らも社会の一員として関心を持ち関与することも、「多様な場
や人をつなぎ活躍できる」という目的の達成のためには必要不可欠なことであろう。
最後に、学問は先人の積み重ねの上に成り立つものであることから、入学した最初の授業から学問の尊さを
感じ取り、また、生命は太古の昔からの生活の営みが紡ぎ出すものであることから、臨床体験・実習や解剖学
実習では生命の厳かさや生と死の意味するものを感じ取りながら、学修に臨んでいただきたい。また、歯学生
の学修環境は、大学の教職員だけではなく、患者や学外の歯学教育関係者等多くの方々の協力の上に成り立っ
ていることを忘れてはならない。そのため、自己を理解し、様々な人の支えによって歯学を学ぶ機会が得られ
たことへの感謝と敬意の念を持ち学修の成果を社会に還元するとともに、地域のリーダーの役割を担い、更に
次世代における医学や医療の発展につなぐために、生涯にわたって精進していただきたい。そして何より、一
人の社会人として高い倫理観と教養を持つことを強く求める。
4. 歯学教育に携わる各関係者にお願いしたいこと
診療参加型臨床実習や学生の動機づけとしての早期体験実習の実施を含め、歯科医師会、病院団体等の行政
を含む関係機関との連携を大学に期待したい。特に、今回の改訂で新規に追加した「総合的に患者・生活者を
みる姿勢」に係る資質・能力の教育を実現・充実するため、地域の医療機関等に、各大学の実習等へ協力いた
だければ幸いである。歯学教育とりわけ臨床実習は、今後、今まで以上に歯科医療に関する地域医療や地域包
括ケアシステムを意識した内容を含むことが期待される。
また、卒後の医療現場では、チーム医療や多職種連携の観点から、医療系・資格系職種に限らず、多くの職
種との協働が求められる。このため、卒前の段階からこれらを意識した教育が実施できるよう、医療関係者に
おかれては様々な形でご協力いただきたい。各大学におかれては、必要な学修内容が十分担保できるよう、十
分な実験・実習時間の確保に配慮いただきたい。
なお、教育に当たっては、上記「歯学生に求めたいこと」で示した内容についても考慮いただければ幸いで
ある。
5. 患者・市民への周知や協力の依頼
改正医療法等により、歯学生が行う歯科医業については、法的な位置付けをもって実施することとなった。
上記「歯学生に求めたいこと」でも述べたとおり、診療参加型臨床実習の円滑かつ安全な実施にあたっては、
患者として関わる市民の理解が必要不可欠である。実習における患者からの同意については、本書に収録され
ている「診療参加型臨床実習実施ガイドライン」でも示しているが、診療参加型臨床実習への市民の協力を広
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