参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (83 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》 |
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認知領域(知識)については、学修者が知識をどの程度活用できるかを判断する(Bloom's Taxonomy 参照)。
評価方法としては、筆記試験や CBT 等の方法として、下記の試験が例として挙げられる。
・客観式試験(多肢選択問題、組み合わせ問題、並べ替え問題等)
解答の選択肢を与え、選択して答えさせる方式の試験。機械的採点が可能で、量的処理が容易である一方
で、主に情報を想起できるかを問うており、評価可能な認知的能力は浅くなりやすい。国家試験や共用試
験 CBT 等で採用されている。選択肢の形式は択一、複数選択等がある。本形式特有のピットフォールとし
て、選択肢を手がかりにして解答を導けたり、わからなくても適当に解答できる場合があったりすること
が知られており、選択肢数や採点方法を工夫することである程度克服することができる。
・記述式試験(短文/長文の論述試験)
解答を記述する形式の試験で、短答式と論述式に大別される。客観式に比べ、情報を応用する、分析する
といった深い認知的能力を問いやすくなるが、限られた試験時間では評価すべき領域を十分網羅できない
場合もある。採点時には、評価の再現性の担保のためにルーブリック等の評価基準の設定が必要となる試
験。
・口頭試験(面接試験)
診療現場での臨床推論能力を評価するためとして、短縮版臨床評価テスト(mini-CEX)が用いられることも
ある。
(2)技能・行動領域の評価
歯学教育では、様々な能力に対する評価機会が設けられるが、特に、臨床研修歯科医として実務を開始する
ために十分な資質・能力を修得していることを示すために、患者診療に関わる技能・行動(態度)の評価は重要
となる。評価方法としては、シミュレーション試験、実地試験、ポートフォリオ評価等がある。シミュレーシ
ョン試験や実施試験では、作業手順、操作能力等に対して、評価者の直接的な観察による評価や成果物の評価
等が行われる。ポートフォリオ評価では、一定期間にわたる学修者自身による学修活動の振り返りやその他の
評価記録を総合的に判断することで、学修状況の判断、プロフェッショナルとしての成長の評価が可能であ
る。それぞれの客観性・信頼性を高めるためのツールとして、 ルーブリック・評定尺度・チェックリスト等
を用いることが望ましい。
・客観的臨床能力試験(OSCE)
あらかじめ定められた共通の課題を用いて、共通の規準・基準で学修者のパフォーマンスを評価する。
学修者(受験者)は、共通の物品等が準備されたステーションで試験を受ける。臨床技能や態度の評価に
適している。客観的に評価できるという特長があるが、実施にあたっては多くの人的・物的・時間的リ
ソースが必要である。歯学系では臨床実習開始前に、全国で大規模な共用試験 OSCE が実施されている。
そのほか、臨床実習の中または終了後に、形成的あるいは総括的評価の目的で OSCE を実施することがあ
る。
・観察評価
観察評価は、日常的な行動・態度の評価を通じて実践的能力を評価できる。主に評価者の観察によって
評価できる。異なる評価者でも一定の観点と尺度で評価できるよう、ルーブリックの作成が推奨され
る。一方、評価のばらつきは学修者能力の多面的な観察を示唆するため、その最小化を目指す必要はな
い。むしろ、様々な立場の評価者を設けること(360 度評価)や、根拠の詳細を記述することが、観察評価
を能力と一般化して判定する際には重要である。診療現場おける観察評価の代表的なツールとしては、
Mini Clinical Evaluation Exercise(Mini-CEX)がある。
・ルーブリック評価
ルーブリックは、学修の達成度を測るための評価方法の一種で、これまで学んだ知識やスキルを統合し
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