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参考資料4_歯学教育モデル・コア・カリキュラム(令和4年度改訂版) (72 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00004.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第1回 7/19)《文部科学省》
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コラム「インストラクショナルデザイン」
1) インストラクショナルデザインとは
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)は、質の高い教育を設計し、実践するための方法
論である。インストラクショナルデザインの目的は、対象となる教育の効果・効率・魅力を高めることに
ある。
学修者に応じて適切な目標を設定し、到達できるような教育を設計・実践することが効果的な教育に求め
られる。例えば心音の聴診を扱う場合、教える対象がOSCE前の学生であれば、聴診における作法や聴診器
を当てる部位を理解していることが目標となり得る。一方、臨床実習終了後の学生が対象であれば、心音
を聴診したうえでその音の種類を判断し、臨床推論に利用することができるといった目標も設定可能であ
ろう。
効率の向上には、教育にかかる人的・物的・時間的・金銭的等のコスト面が関係する。聴診の例でいえ
ば、学生1人1人が模擬患者やシミュレーターで実習できる環境を整えるのか、タブレット等のアプリで擬
似的に体験できるようにするのか、あるいは講義や動画で情報を伝えることに留めるのか、等が挙げられ
る。これらは教育の方略を選択する際にも重要となる点である。
魅力を高めることは、学生の意欲を継続させ、生涯学習へとつなぐことを意味する。入学直後に行われ
る早期体験実習等を通じて医学・医療に対する興味関心が高まるように工夫すること、臨床実習中の経験
等を将来の専門分野選択に活かせるようにすること、などが例として挙げられる5。
2) インストラクショナルデザインの第一原理
インストラクショナルデザインは種々の理論が提唱されている。Merrillはインストラクショナルデザイ
ンの第一原理として、その共通項をProblem、Activation、Demonstration、Application、Integrationと
いう5つの要素に整理した6。
Problemは現実世界で起こりうる問題・課題を扱うことを意味する。例えばPBLの課題として、臨床実習
ですぐに直面するであろう症例を扱うことは、目標を明確化し、学習意欲を向上させることにつながる。
Activationは既習内容や経験を想起させ、新しい知識と関連づけることを意味する。臨床の場で目にした
症例に関して、講義や教科書で学んでいた知識、あるいは類似の症例等に対比させて学習することなどが
挙げられる。
Demonstrationは具体的な例を学生に示すことを、Applicationは学生に実施・実演させることを意味す
る。シミュレーションで手技を扱う際、教員による実演や動画を用いた例示を行った後、学生に練習・実
施させるという方略が例として挙げられる。
Integrationは知識や技能を日常生活や業務に統合することを意味する。参加型臨床実習、さらには卒後
において、臨床の場面で医行為を実践すること、実践した結果を省察して新たな学びへと結びつけること
が例として挙げられる。

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鈴木克明. E-Learning 実践のためのインストラクショナル・デザイン(特集号:実践段階の e-Learning). 日本教育工学会論文. 2006;29(3):
197–205. https://doi.org/10.15077/jjet.KJ00004286879
6
Merrill, MD. First principles of instruction. Educational Technology Research and Development. 2002; 50(3): 43–59.
https://doi.org/10.1007/bf02505024

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