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(別添2)「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(本文) (5 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41932.html
出典情報 「過労死等の防止のための対策に関する大綱」の変更が本日、閣議決定されました(8/2)《厚生労働省》
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第1 はじめに
平成26年6月に過労死等防止対策推進法が成立してから10年が経過した。
この間の関係者による取組の結果、長時間労働が減少傾向となるなど一定の成果
がみられてきたが、依然として、我が国において過労死等が多発し大きな社会問
題となっている。過労死等は、本人はもとより、その遺族又は家族にとって計り
知れない苦痛であるとともに社会にとっても大きな損失である。
人の生命はかけがえのないものであり、どのような社会であっても、過労死等
は、本来あってはならない。過労死等がなく、仕事と生活を調和させ、健康で充
実して働き続けることのできる社会の実現に寄与することを目的として、この
「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に基づき、過労死等の防止のため
の対策を推進する。
1 これまでの取組
過労死は、1980年代後半から社会的に大きく注目され始め、「過労死」と
いう言葉は、我が国のみでなく、国際的にも「karoshi」として知られ
るようになった。死亡には至らないものも含む過労死等の問題について、その
深刻さが広く認識されるようになったが、2010年代に入っても、若者の
「使い捨て」が疑われる企業等の問題等、劣悪な雇用管理を行う企業の存在と
対策の必要性が各方面で指摘されてきた。長時間労働やハラスメント等により
引き起こされる過労死等は、人権に関わる問題といえる。
このような中、過労死された方の遺族等やその方々を支援する弁護士、学者
等が集まって過労死を防止する立法を目指す団体が結成された。団体では、全
国で55万人を超える署名を集めること等により被災者の実態と遺族等の実情
を訴え、立法への理解を得るよう国会に対する働きかけを行うとともに、地方
議会に対しては法律の制定を求める意見書が採択されるよう働きかけを行った。
また、国際連合経済社会理事会決議によって設立された社会権規約委員会が、
我が国に対して、長時間労働を防止するための措置の強化等を勧告していた。
このような動きに対応し、143の地方議会が意見書を採択するとともに、国
会において法律の制定を目指す議員連盟が結成される等、立法の気運が高まる
中で、過労死等防止対策推進法(以下「法」という。)が、平成26年6月に全
会一致で可決、成立し、同年11月1日に施行された。法は、過労死等を「業
務における過重な負荷による脳血管疾患若しくは心臓疾患を原因とする死亡若
しくは業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死
亡又はこれらの脳血管疾患若しくは心臓疾患若しくは精神障害」(法第2条)と
定義し、その防止のための対策を推進することを求めている。
このように、過労死に至った多くの尊い生命と深い悲しみ、喪失感を持つ遺
族等による四半世紀にも及ぶ活動を原動力として制定された法の施行以降、過

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