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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (15 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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単心室症
左心低形成症候群
三尖弁閉鎖症
心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症

○ 概要

1.概要
単心室症、左心低形成症候群、三尖弁閉鎖症、心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症の総称を単心
室循環症候群という。単心室循環症候群とは、体循環と肺循環の双方を、機能的に一つの心室のみに依
存する血行動態を有する疾患群の総称である。全て、先天性であり、後天性の疾患は存在しない。なお、
単心室症とはあり、形態的に心室が一つのみ存在することを意味するものではない。
単心室循環症候群では、重度の慢性低酸素血症、多呼吸、易疲労感などの心不全症状を呈する。肺血
流は増加、減少の双方が存在し、心室レベルで血液が右—左両方向に短絡するためが、肺動脈狭窄の有
無により、肺血流が減少する症例と増加する症例が存在する。肺血流減少群では、酸素投与に反応しな
い重度の低酸素血症を生じる。肺血流増加群では、多呼吸、呼吸困難、易疲労感などの心不全症状を呈
し、中には高度な肺高血圧、肺血管低形成を合併することも多いがある。
手術を含め、根治的治療法はない。労作時の易疲労のため、就業な困難な場合が多い。重度の慢性低
酸素血症やフォンタン型手術後の循環破綻によって死亡することが多い。
多くの症例は、乳児期から幼児期にかけて Glenn 手術および Fontan 型手術を経て、Fontan 循環と呼ば
れる単心室循環になる。肺循環心室を持たない Fontan 循環では、心臓や肺だけでなく、内臓臓器全体に
大きな負荷がかかる。そのため術後長期では、心不全の悪化や不整脈の出現を契機として、Fontan 術後
症候群と呼ばれる全身臓器におよぶ様々な続発症が発症する。最終的に Fontan 循環は破綻するため、
長期の生存は困難である。

図1A:右室型単心室症(肺動脈閉鎖を伴う)、図1B:左心低形成症候群(僧帽弁閉鎖、大動脈弁閉鎖)、図1C:
三尖弁閉鎖症(高度な肺動脈狭窄を伴う)、図1D:心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症

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