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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (3 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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血行動態は主に合併病変に基づくが、乳児期より症状が見られる。心室中隔欠損があり肺動脈狭窄がない場
合、多呼吸、哺乳不良、体重増加不良など、高肺血流による心不全が主な症状となる。肺動脈狭窄が高度な場
合は、低肺血流によるチアノーゼが主な症状となる。三尖弁のEbstein病様の変化が見られる症例では、三尖弁
閉鎖不全による右心(体心室)不全が乳児期より進行する。いづれの場合も、年齢とともに、三尖弁閉鎖不全、
右心(体心室)不全、不整脈が進行する。
4.治療法
外科治療としては、完全大血管転位症の I 型、II 型では大血管スイッチ術合併異常を実施する。III 型では幼児
期に Rastelli 手術が選択される。これらができない場合には、心房位転換術を施行する。伴う修正大血管転位症
ではの外科治療は、比較的手術侵襲の少ない機能的修復術(conventional repair)として、心室中隔欠損パッチ
閉鎖に対して心室中隔欠損閉鎖術のみを行う場合や、高度な肺動脈狭窄に対して心外導管を用いて解剖学的
左室と肺動脈を結ぶ Rastelli 手術が行われる。これらの手術では、解剖学的右心室が生涯にわたり体心室とし
て機能するため、進行性の三尖弁閉鎖不全から右室機能の長期予後拡大を考慮して、心房位引き起こし、最終
的に右心不全に陥る。そこで症例によっては、心房内血流転換術と Rastelli 手術や大血管スイッチ術動脈スイッ
チ手術を組み合わせて、左室左心室を動脈側体心室とする解剖学的修復術(double switch repair)が試みられ
る。理想的な手術法ではあるが試みられている。、侵襲の大きな手術であるとともに、心房内血流転換により心
房収縮が制約され、術後遠隔期には心室拡張能不全、心房ルートの狭窄、難治性心不全の状態で不整脈など
の続発症が問題となる。難渋する頻脈性不整脈には、カテーテルアブレーションが、徐脈性不整脈にはペースメ
ーカー挿入を行う。
修正大血管転位の成人例では、小児期に行われた手術後の続発症を改善するために、手術再介入を必要と
することが多い。様々な治療介入にもかかわらず難治性心不全に陥った症例では、一般に外科的修復が不可
能は困難で、内科的対症療法あり、最終的に限られ、は心臓移植以外に救命の方法がない。

図 2

左:機能的心内修





(conventional repair、心室中隔欠損閉鎖術)、図2中央:Senning 手術による心内血流転換及び動脈ス
イッチ手術による double switch 手術、図2右:Senning 手術による心内血流転換及び心外導管を用いた
Rastelli 手術による double switch 手術
5.予後
完全大血管転位症では、治療介入なしでは1か月で 50%が、6か月で 85%が死亡する予後不良の疾患

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