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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (41 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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217 エプスタイン病
○ 概要
1.概要
三尖弁の1枚又は2枚中隔尖及び後尖の弁尖付着位置が右室内にずれ落ちるために、三尖弁の閉鎖に
支障が生じて高度の逆流を呈する。また呈し、右房化した右室の心筋は菲薄化する。三尖弁逆流と右房化
右室のために右房は著明に拡大し、機能的右室は狭小化する。新生児期の重症例では、右室からの順行
性の駆出が低下し、機能的肺動脈閉鎖の血行動態を呈する。
ことがある。約 90%の症例に心房中隔二次孔欠損が合併する。房室接合部における線維輪の形成も障害
されることがありため、房室副伝導路の残存による WPW 症候群の合併例が約 20~30%存在する。

図1:エプスタイン病(心房中隔欠損合併例)
2.原因
三尖弁の前尖は、僧帽弁前尖及び後尖と同様に、胎生初期の 35 日ころに心内膜床組織形成されるが、
中隔尖と後尖は遅れて胎生 3 ヶ月以降に完成する。三尖弁中隔尖と後尖の発生における心内膜床の浸食
侵食(undermining)過程の異常で、弁尖と腱索は心室中隔又は右室自由壁に貼り付けられたように癒着
(plastering)し、弁尖の付着位置が右室内にずれ落ちた様相となる。侵食の過程は前尖の部分から進行し
先に完成するために、エプスタイン病では、心臓後部の心十字に一致する中隔尖と後尖の交連部分での偏
位が最も著しくなる。本疾患での心臓発生異常の起因となる原因は不明である。
3.症状
三尖弁の plastering と異形成の程度により、臨床像は極めて多彩である。成人まで無症状に経過して心
雑音や WPW 症候群による上室性頻拍発作で発見される軽症例
1) 新生児型:
plastering が強い症例では、新生児早期あるいは胎児期より右室から、重症例では生直後よりの駆出が低
下し、重篤な右心不全、心房間右左短絡によるチアノーゼと肺低形成による呼吸不全をきたす。最重症例

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