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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (66 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html |
出典情報 | 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》 |
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226 間質性膀胱炎(ハンナ型)
○ 概要
1.概要
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群とは、「膀胱の非特異的なに関連する慢性炎症を伴い、頻尿・の骨盤部の
疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛や頻尿などの下部尿路症状を呈する伴
い,混同しうる疾患がない状態」(間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドラインによる)の総称である。そ
の病型はハンナ型(このうちハンナ病変を有するのあるもの)を間質性膀胱炎(ハンナ型),それ以外を膀胱
痛症候群と非ハンナ型(有しないもの)に大別され、呼ぶ。両者は類似した臨床症状を呈するが、間質性膀
胱炎(ハンナ型)は内視鏡的にも病理学的にも明確特徴的な異常所見を有し、症状的にもより重症である。
中高齢の女性に多いが、男性や小児にもみられる。原因は不明で、膀胱粘膜の機能障害や免疫学的機序
が想定されている。頻回な排尿や膀胱の痛みによる苦痛から生活の質は大きく損なわれる。確立した治療
法はなく、対症的な治療に留まる。再燃と寛解を繰り返し長期にわたる医学管理が必要となる。
2.原因
原因は不明であるが、膀胱粘膜の機能障害、免疫学的な異常反応、尿中の毒性物質などが想定されて
いる。
3.症状
症状は、頻尿・夜間頻尿、尿意亢進、残尿感、膀胱不快感、膀胱痛などが主体である。その種類や程度
は多岐にわたるので、症状の特定や程度の規定は困難である。膀胱の不快感や痛みは膀胱に尿がたまっ
た時や冷えた時のほか、刺激物の摂取や精神的なストレスでも悪化する。痛みの部位は膀胱・尿道が多い
が、膣・外陰部・腰部などにも波及することもある。時に、線維筋痛症、シェーグレン症候群、過敏性腸症候
群や関節リウマチなどの自己免疫疾患を合併する。日常生活には多大の障害が生じる。
4.治療法
対症療法としては、病態説明や食事指導が用いられる。内服治療薬としては、鎮痛薬、抗うつ薬、抗アレ
ルギー薬、ステロイドなどが用いられる。内視鏡的な治療としては、ハンナ病変の経尿道的手術(電気的切
除・焼灼)及び膀胱水圧拡張術が広く用いられる。その際に膀胱内にハンナ病変を認めた場合は、その電
気又はレーザーによる焼灼術も行われる。膀胱内への薬物注入治療として、ヘパリン、DMSO、ステロイド
などが用いられる。ボツリヌス毒素の膀胱壁内注入も行われることがある。いずれの治療にも抵抗性で症
状が強い症例に対しては、膀胱全摘術と尿路変更術が行われる。
5.予後
ハンナ病変の焼灼・切除術及び膀胱水圧拡張術又はハンナ病変の焼灼術により、約半数の症例で症状
の寛解をみる。しかし、長期的に寛解するのは一部の症例に限られ、多くの症例では、再治療や追加治療
が必要となる。これらの治療にも拘らず耐えがたい症状が持続する症例は膀胱全摘術が適応となる。
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○ 概要
1.概要
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群とは、「膀胱の非特異的なに関連する慢性炎症を伴い、頻尿・の骨盤部の
疼痛,圧迫感または不快感があり,尿意亢進・尿意切迫感・膀胱痛や頻尿などの下部尿路症状を呈する伴
い,混同しうる疾患がない状態」(間質性膀胱炎・膀胱痛症候群診療ガイドラインによる)の総称である。そ
の病型はハンナ型(このうちハンナ病変を有するのあるもの)を間質性膀胱炎(ハンナ型),それ以外を膀胱
痛症候群と非ハンナ型(有しないもの)に大別され、呼ぶ。両者は類似した臨床症状を呈するが、間質性膀
胱炎(ハンナ型)は内視鏡的にも病理学的にも明確特徴的な異常所見を有し、症状的にもより重症である。
中高齢の女性に多いが、男性や小児にもみられる。原因は不明で、膀胱粘膜の機能障害や免疫学的機序
が想定されている。頻回な排尿や膀胱の痛みによる苦痛から生活の質は大きく損なわれる。確立した治療
法はなく、対症的な治療に留まる。再燃と寛解を繰り返し長期にわたる医学管理が必要となる。
2.原因
原因は不明であるが、膀胱粘膜の機能障害、免疫学的な異常反応、尿中の毒性物質などが想定されて
いる。
3.症状
症状は、頻尿・夜間頻尿、尿意亢進、残尿感、膀胱不快感、膀胱痛などが主体である。その種類や程度
は多岐にわたるので、症状の特定や程度の規定は困難である。膀胱の不快感や痛みは膀胱に尿がたまっ
た時や冷えた時のほか、刺激物の摂取や精神的なストレスでも悪化する。痛みの部位は膀胱・尿道が多い
が、膣・外陰部・腰部などにも波及することもある。時に、線維筋痛症、シェーグレン症候群、過敏性腸症候
群や関節リウマチなどの自己免疫疾患を合併する。日常生活には多大の障害が生じる。
4.治療法
対症療法としては、病態説明や食事指導が用いられる。内服治療薬としては、鎮痛薬、抗うつ薬、抗アレ
ルギー薬、ステロイドなどが用いられる。内視鏡的な治療としては、ハンナ病変の経尿道的手術(電気的切
除・焼灼)及び膀胱水圧拡張術が広く用いられる。その際に膀胱内にハンナ病変を認めた場合は、その電
気又はレーザーによる焼灼術も行われる。膀胱内への薬物注入治療として、ヘパリン、DMSO、ステロイド
などが用いられる。ボツリヌス毒素の膀胱壁内注入も行われることがある。いずれの治療にも抵抗性で症
状が強い症例に対しては、膀胱全摘術と尿路変更術が行われる。
5.予後
ハンナ病変の焼灼・切除術及び膀胱水圧拡張術又はハンナ病変の焼灼術により、約半数の症例で症状
の寛解をみる。しかし、長期的に寛解するのは一部の症例に限られ、多くの症例では、再治療や追加治療
が必要となる。これらの治療にも拘らず耐えがたい症状が持続する症例は膀胱全摘術が適応となる。
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