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資料1-2-12診断基準等のアップデート案(第49回指定難病検討委員会資料) (2 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25626.html
出典情報 厚生科学審議会 疾病対策部会指定難病検討委員会(第49回 5/16)《厚生労働省》
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図1:修正大血管転位(心室中隔欠損を伴う)
2.原因
完全大血管転位症では、正常では螺旋状に発生する円錐動脈幹中隔が直線的に発生したと考えられる。
修正大血管転換症では、発生初期に原始心筒が正常の右への屈曲ではなく、左に屈曲するために発生す
ると考えられるが、その原因は不明である。
心臓形成の初期、左右の心原基は胚の正中で癒合して1本の原始心臓管を形成する。原始心臓管は律動的
な収縮を開始するとともに、胚の右方に屈曲する(心ループ形成、d-loop)。この過程が何らかの原因により障害
され、原始心臓管が胚の左方に屈曲すると(l-loop)、内臓心房位は正常であるにも関わらず、左心室が胚の右
下方に、右心室が胚の左上方に位置するようになる。その結果、正常とは逆に、左心房には三尖弁を介して右
心室が、右心房には僧帽弁を介して左心室が、それぞれ接続するようになる。このような状態は心房-心室不一
致(atrioventricular discordance)と呼ばれる。
心房-心室不一致が起こると、その後の心臓流入路、心室、流出路の形成にも二次的な障害が起こることが多
く、大血管転位、両大血管右室起始、肺動脈狭窄及び閉鎖、心室中隔欠損などが合併する。この中で、大血管
転位(心室-大血管不一致、ventriculoarterial discordance)が同時に発症した場合、右心房-左心室-大動脈、左
心房-右心室-肺動脈の関係が成立し、心房-心室-大血管の間に不一致があるにも関わらず、血行動態は修正
され、修正大血管転位となる。
このような発生異常を引き起こす原因の詳細は不明である。特異的な遺伝子異常も明らかではない。
3. 症状
完全大血管転位症の I 型は生直後からチアノーゼが強い。II 型ではチアノーゼは軽いものの多呼吸、哺
乳困難、乏尿などの心不全症状が強い。III 型は肺動脈狭窄が適度であればチアノーゼも心不全症状も軽
い。心房位転換術後は成人期になって、三尖弁閉鎖不全、右室不全、不整脈による動悸が出てくる。
修正大血管転位症では、心室中隔欠損と肺動脈狭窄・閉鎖合併例ではチアノーゼを示す。大きい心室
中隔欠損では乳児期から心不全をみる。房室ブロック、頻拍発作も多い。心内合併奇形を伴わない例は当
初無症状であるが、成人期になって房室ブロック、三尖弁閉鎖不全、右室(解剖学的)不全が出てくる。
[合併異常がない場合]
完全大血管転位とは異なり血行動態は修正されるので、成人まで比較的無症状に経過する。成人期以降は、
三尖弁が体心室圧に耐えられず、 徐々に閉鎖不全が進行し、右心(体心室)不全が進行する。房室結節の位
置異常及びHis束の走行異常により、約60%の症例で刺激伝導系の異常が見られ、年齢とともに徐々に完全房
室ブロックに移行する(2%/年)。
[合併異常がある場合]

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