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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (14 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》
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大学のカリキュラム構築に資するよう作成した。
まず、コンピテンシー基盤型教育に向けて、育成すべき人物像を明確にするため、看護実践能力を
資質・能力及び学修目標として示し、臨地実習前・後・卒業時点での到達度を設定した。
次に、この到達度を、学生、教員、臨地の実習指導者等が共有することにより、臨地実習における学
生ごとの課題と成果が共通理解される。この共通理解は、臨地の実習指導者と教員との協働を促進
し、臨地における教育の質を向上させる。特に、各領域実習前の学生の到達度を明示することは、実
習施設の看護管理職に学生の実習時の看護実践能力を保障するため、学生の看護実践の機会が増
すことが期待される。これらは、「参加型臨地実習」実現の基盤となるものである。
また、大学は教学マネジメントに則り、FD/SD の実施、カリキュラム・マネジメントのもと、ディプロ
マ・ポリシーごとの目標到達度を示すディプロマサプリメントの発行等がなされ、このプロセスの
PDCA サイクルを適切に回すことが求められる。コンピテンシー基盤型教育に則るこの看護学教育モ
デル・コア・カリキュラムは、 各大学の教学マネジメントプロセスをサポートするために、卒業時・臨地
実習時・臨地実習前の看護実践能力評価のための評価基準を提供するものである。
6-4.改訂の方法論
看護学教育コアカリ改訂は、一般社団法人日本看護系大学協議会(以下、「JANPU」という。)が、
文部科学省の令和 5・6年度先導的大学改革推進委託事業「看護学教育モデル・コア・カリキュラムの
改訂に向けた調査研究」として実施した成果報告書に基づくものである。
コンピテンシー基盤型教育に基づく看護学教育コアカリとするために、卒業後に求められる看護師の
基本的資質・能力(コンピテンシー)を明確化した上で、看護学基礎教育において段階的に必要なコン
ピテンシーと評価基準を提案する必要がある。そのために、看護教員、臨床看護師、高度実践看護師
等を対象として、Chat 型 AI を活用したデルファイ法によるデータ収集を実施し、これまで発出された
多くの報告書、答申、資料等をデータとしてフレームワークの枠組みに参照し、さらに専門家による合
意形成を図った。その結果、「資質・能力(コンピテンシー)案」は、第 1 階層として 11 分類、各分類に
対する第 2・3・4 階層として 1,130 の資質・能力が得られた。
続いて、「資質・能力案」に対してさらに分析を行い「到達度案」「教育内容案」を作成した。「到達度
案」及び「教育内容案」は、卒業時点を 2040 年とし、看護学生が卒業する時点までに学修成果の目
標(学修目標)を到達すると設定し、評価時期(マイルストーン)を設定した。「資質・能力案」に対する
「到達度案」は「①卒業時点でどのような資質・能力がどの程度求められるか(到達度)」、卒業時点で
看護師の資質・能力を育成するためには「②各専門領域の臨地実習時点では、どのような指導の下、
どのような実践の到達を求めるか」、臨地実習で実践するためには「③各領域実習前時点では学内の
講義・演習でどのような能力の獲得がどの程度求められるか」の到達度を Miller のピラミッド
(Does, Shows how, Knows how, Knows の4段階)に基づき示した。
「教育内容案」は、Chat 型 AI による 2 回の大規模調査の質問項目、臨床業務従事者が認識する
「看護職の業務」、「現代の看護職に要求される資質・能力」、「現代の看護職における課題」及び
「Entrustable Professional Activities(EPA)」のうち、「看護職の業務」及び「EPA」に関する
データの収集・分析を行った。また、看護師として求められる基本的な資質・能力を身につけるうえで、
必要な教育内容となる知識や技術に関して、Chat 型 AI の第 1・2 回調査のデータ収集では飽和し
なかった項目を既存資料によりデータ収集し、別表化したものを「教育内容案」とし、第 3・4 回調査で
の対象者からの意見を踏まえて修正案を作成した。
続いて、「資質・能力案」「到達度案」「教育内容案」など「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」骨子

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