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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (37 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》
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された学修に対するアウトカムベースのアプローチであり、カリキュラムの開発、実施、評価が中心とな
る 2)。
2022 年(令和 4 年)3 月「GUIDING PRINCIPLES」3)が、「THE ESSENTIALS」に基づくコ
ンピテンシー基盤型カリキュラムへ移行するための教員のガイドとして作成された。ガイドには「アウト
カムとコンピテンシー」、「段階的な学修進行」、「学修経験の調整」、「コンピテンシー重視の指導」、「プ
ログラム評価」からなるコンピテンシー基盤型教育の主要な構成要素とアプローチに関する共通の理
解が必要であることを示している。コンピテンシー基盤型教育によりアウトカムを設定することは、知
識・スキル・態度・価値観、思考・判断・表現力を統合したパフォーマンスを学修成果として示すこととな
り、学修成果の可視化によって看護職としてのコンピテンシーの明示を可能とする。さらに、アウトカム
(Learning Outcome)から看護成果をつなげる形で示す 3)ことは、看護学教育と看護職の成果に
関して社会に説明責任として果たすこととなる。看護学教育におけるコンピテンシーに基づくアウトカム
は、臨床における看護学生や新人看護師の看護実践能力に直結し、それらが保証されることは看護師
の不適応、離職を予減少させ、安全な看護実践を促進するなど看護成果への影響が大きい 4-7)。看護
学教育における看護成果はケアの質、医療全体の質、国民の健康と QOL に影響を及ぼすことがすで
に論説されているように社会に与える影響が大きい。
看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案では、見学中心の臨地実習、看護実践能力の低下、基
礎教育と継続教育の分断、評価基準の不明瞭さなどの課題から、看護学生と新人看護師の看護実践
能力をつなぐ、シームレスな卒業時点の到達度を明示した。これは、新人看護師のコンピテンシーを看
護基礎教育課程の最終到達点としただけではなく、各段階の到達度を検討できるよう、臨地実習前の
到達度、臨地実習時点での指導体制と委託の程度を示したものである。指導体制と委託の程度とは、
学生がその活動を監督なしで実行するために必要な学修を経て、必要とされる能力を有しており、そ
の能力を発揮すれば、学生に全面的に委託できる活動であるかどうかの観点に基づき 5 段階で示さ
れている。つまり、各専門領域の臨地実習時点での指導体制と委託の程度とは、看護学生がその活動
を監督なしで実行するために必要な能力を学内の講義・演習で獲得しているということを前提として、
看護学生が看護師に必要な看護実践能力を臨地実習場面で修得するためには、どのような指導の
下、看護実践の到達を求めるかである。
臨地実習は看護職としての実践を臨床現場で実際に経験を積む機会であり、将来看護職になるた
めには非常に有効な欠くことができない学修方法である。これらの到達が不十分、不適切であれば、
対象への看護の実践は保証されたことにはならない。そのため、臨地実習時点で看護学生が実践する
機会を確保するためには臨地実習前時点で看護学生がどのような学修を経てどのような能力を身に
つけているのかを明示する必要がある。この時点の看護学生の能力について大学が臨地実習施設な
らびに対象者の方への説明責任を果たせるようなアウトカムの設定、さらには臨地実習時点での指導
体制と委託の程度、そして実習時に実践の機会が確保され能力育成につながったかどうかの卒業時
点のアウトカムが必要であった。
看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案は、臨地実習前、実習時点、実習終了時点及び卒業時
点に看護職として身に付けるべき知識、スキル、態度・価値観、思考・判断・表現力を統合したパフォー
マンスを保証することを目指し、そのための看護学基礎教育におけるコンピテンシーとアウトカム設定、
パフォーマンス・レベルでの到達度を示しており、これらの評価の構造化が果たす役割は大きい。この
アウトカムは各大学の教職員のみならず、学生、臨地実習施設、そして対象の方々、広くは国民に周知
され、同意が得られ、活用され、評価されることにより効果が期待できる。

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