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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (6 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》 |
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変化し、看護師にはこれまで以上に多様な場で状況に応じた適切な対応ができる看護実践能力が求
められるようになった。
このような社会のニーズの変化に対応し、看護師として必要となる能力を備えた質の高い人材を養
成するため、学士課程教育の内容の充実を図ることを目的に、2016 年(平成 28 年)に文部科学省
は「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」を設置し、2017 年(平成 29 年)10 月に
「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」25)(以下、「平成 29 年コアカリ」という。)を策定した。大学に
おけるカリキュラム構築は、各分野の人材養成に対する社会的要請や学問領域の特性などをふまえつ
つ、各大学が独自の理念や特色に基づいて自主的・自律的に行うべきものという考えを前提とし、平
成 23 年報告書を参照し、看護実践能力の修得に必要な学習目標を「モデル・コア・カリキュラム」とし
て看護系大学関係者をはじめ広く国民に対して提示するものであった。
平成 29 年コアカリの構成は、①多様なニーズに応える看護系人材を養成する具体的な学習目標
であること、②看護系大学での実行可能性を考慮しつつ、全ての学生が共通して修得することが求め
られる内容を検討すること、③学士課程における医療系人材養成として医学教育・歯学教育・薬学教
育「モデル・コア・カリキュラム」との将来の同時改訂、一部共通化を見据えること、以上の 3 項目に留
意された。また、指定規則の全ての教育内容は平成 29 年コアカリに内包された。卒業時点で必要と
なる看護実践能力が示されたことは意義深く、コンピテンシーを参照したカリキュラムであったが、看護
系大学のカリキュラムとして十分に浸透するまでには至らなかった。
平成 29 年コアカリを改訂する意義は、社会環境の変化から、「普遍的な知識・理解と汎用的技能
を文理横断的に身につけ、時代の変化に合わせて積極的に社会を支え、論理的思考力を持って社会
を改善していく資質を有する人材像」が求められ、社会は大学卒業時点の学生の質の保証のためにコ
ンピテンシー基盤型教育を求めている。また、コンピテンシー基盤型教育は既に世界の潮流となってい
る。平成 29 年コアカリはコンピテンシーを参照したカリキュラムであったがコンピテンシー基盤型教育
としては不十分であったため、今回改訂が必要である。
コンピテンシー基盤型教育を行うためには、学生の看護実践能力はコンピテンシーとして「知識、ス
キル、態度・価値観、思考・判断・表現力」を統合した、学生のパフォーマンスとして示されることを明確
にする必要がある。さらに、看護学教育におけるコンピテンシーは、卒業時点のみならず、卒業後に看
護師として成長した段階ごとのコンピテンシーにつながるものである。コンピテンシー基盤型教育はプ
ロセス評価ではなくアウトカム評価であるため、入学後から卒業後の成長段階までを見通したアウトカ
ム評価に基づき、卒業時点のアウトカムを設定する必要がある。
専門職としてのコンピテンシーは、大学における看護学基礎教育のみで達成するものではなく、キャ
リアにつながる大切な指標と考えることができる。今回の改訂によって、看護師としての成長段階まで
を見通したコンピテンシー基盤型教育への転換ができることを目指している。
3.コンピテンシー基盤型教育の実現に向けて
3-1.コンピテンシーに基づく学修方略
コンピテンシー基盤型教育は、学修者が習得する必要のあるスキルが明確に示された学修に対す
るアウトカムベースのアプローチであり、カリキュラムの開発、実施、評価が中心となる 26)。つまり、コン
ピテンシー基盤型教育は、従来の「学修者がどういう授業や実習や研修を受けたか」をみるプロセス重
視ではなく、「学修者がどのような看護師に育っているか」のアウトカム重視の評価方法となる。
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められるようになった。
このような社会のニーズの変化に対応し、看護師として必要となる能力を備えた質の高い人材を養
成するため、学士課程教育の内容の充実を図ることを目的に、2016 年(平成 28 年)に文部科学省
は「大学における看護系人材養成の在り方に関する検討会」を設置し、2017 年(平成 29 年)10 月に
「看護学教育モデル・コア・カリキュラム」25)(以下、「平成 29 年コアカリ」という。)を策定した。大学に
おけるカリキュラム構築は、各分野の人材養成に対する社会的要請や学問領域の特性などをふまえつ
つ、各大学が独自の理念や特色に基づいて自主的・自律的に行うべきものという考えを前提とし、平
成 23 年報告書を参照し、看護実践能力の修得に必要な学習目標を「モデル・コア・カリキュラム」とし
て看護系大学関係者をはじめ広く国民に対して提示するものであった。
平成 29 年コアカリの構成は、①多様なニーズに応える看護系人材を養成する具体的な学習目標
であること、②看護系大学での実行可能性を考慮しつつ、全ての学生が共通して修得することが求め
られる内容を検討すること、③学士課程における医療系人材養成として医学教育・歯学教育・薬学教
育「モデル・コア・カリキュラム」との将来の同時改訂、一部共通化を見据えること、以上の 3 項目に留
意された。また、指定規則の全ての教育内容は平成 29 年コアカリに内包された。卒業時点で必要と
なる看護実践能力が示されたことは意義深く、コンピテンシーを参照したカリキュラムであったが、看護
系大学のカリキュラムとして十分に浸透するまでには至らなかった。
平成 29 年コアカリを改訂する意義は、社会環境の変化から、「普遍的な知識・理解と汎用的技能
を文理横断的に身につけ、時代の変化に合わせて積極的に社会を支え、論理的思考力を持って社会
を改善していく資質を有する人材像」が求められ、社会は大学卒業時点の学生の質の保証のためにコ
ンピテンシー基盤型教育を求めている。また、コンピテンシー基盤型教育は既に世界の潮流となってい
る。平成 29 年コアカリはコンピテンシーを参照したカリキュラムであったがコンピテンシー基盤型教育
としては不十分であったため、今回改訂が必要である。
コンピテンシー基盤型教育を行うためには、学生の看護実践能力はコンピテンシーとして「知識、ス
キル、態度・価値観、思考・判断・表現力」を統合した、学生のパフォーマンスとして示されることを明確
にする必要がある。さらに、看護学教育におけるコンピテンシーは、卒業時点のみならず、卒業後に看
護師として成長した段階ごとのコンピテンシーにつながるものである。コンピテンシー基盤型教育はプ
ロセス評価ではなくアウトカム評価であるため、入学後から卒業後の成長段階までを見通したアウトカ
ム評価に基づき、卒業時点のアウトカムを設定する必要がある。
専門職としてのコンピテンシーは、大学における看護学基礎教育のみで達成するものではなく、キャ
リアにつながる大切な指標と考えることができる。今回の改訂によって、看護師としての成長段階まで
を見通したコンピテンシー基盤型教育への転換ができることを目指している。
3.コンピテンシー基盤型教育の実現に向けて
3-1.コンピテンシーに基づく学修方略
コンピテンシー基盤型教育は、学修者が習得する必要のあるスキルが明確に示された学修に対す
るアウトカムベースのアプローチであり、カリキュラムの開発、実施、評価が中心となる 26)。つまり、コン
ピテンシー基盤型教育は、従来の「学修者がどういう授業や実習や研修を受けたか」をみるプロセス重
視ではなく、「学修者がどのような看護師に育っているか」のアウトカム重視の評価方法となる。
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