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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (44 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》 |
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Assessment(PEPA))注釈1)も提案され、これにより、学生の学修が進むにつれて専門性・総合性・真
正性が高まるように系列化される、と言われている3)。
社会に説明責任を果たすためにも、看護学士課程教育における共用試験や、教学マネジメント指針4)
で示される、Ⅰ 「三つの方針」を通じた学修目標の具体化、Ⅱ 授業科目・教育課程の編成・実施、Ⅲ
学修成果・教育成果の把握・可視化、Ⅳ 教学マネジメントを支える基盤 (FD・SD、教学IR)、V 情報
公表の5つの構造に基づく、大学全体レベル・学位プログラムレベル・授業科目レベルの分類での評価と
情報公表が求められている。
カリキュラムの評価においては、何を最も重視するか、目的をもった一定の事実を収集することが重
要であり、必要とするアウトカムを実現することを重視し評価を行うとともに、カリキュラムそのものにつ
いては基準や、課程上の網羅性などが、制度等に照らして評価されることが重要である。特に、認証評
価(機関別・分野別)においては、大学全体レベルならびに学位プログラムレベルでのコンピテンシーとア
ウトカムの明確化と効果的・効率的な評価の実施が求められている。これらのことから、看護学教育モデ
ル・コア・カリキュラム改訂案は看護学教育における評価を促進するうえで、重要である。
注釈1)重要科目に埋め込まれたパフォーマンス評価(Pivotal Embedded Performance Assessment, PEPA):
この方法は、評価負担の大きいパフォーマンス評価の対象を、複数科目で修得した知識の統合や高次の能力を要
求される重要科目のみに限定し、それをカリキュラムの各段階の結節点に配置することによって、評価の妥当性を
確保しつつ、評価の実行可能性や単位制度との親和性も維持しようとするものである。評価の信頼性(とくに評価
者間信頼性)は、パフォーマンス評価において教員団が協働でルーブリックを開発し、複数の担当教員でキャリブ
レーションとモデレーションを含む評価を行うことによって担保される。プログラムレベルの目標に直結する重要科
目をカリキュラム上に系列的に配置した上で、そこでの教員団によるパフォーマンス評価とその他の科目での個々
の教員による知識・スキルの評価を組み合わせるというプログラムレベルの評価の方法である。5)
【引用文献】
1)
西村 君平(2014) .蓋然論理とその評価方法論的含意.日本評価学会『日本評価研究』第 14 巻第 1 号.pp.1730
2)
中央教育審議会大学分科会」質保証システム部会新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について(審
議まとめ)令和 4 年 3 月 18 日
3)
Matsushita, K., Ono, K., & Saito, Y. (2018). Combining course- and program-level
outcomes assessments through embedded performance assessments at key courses: A
proposal based on the experience from a Japanese dental education program. Tuning
Journal for Higher Education, 6(1), 111-142.
4)
中央教育審議会大学分科会. (2020). 教学マネジメント指針.
https://www.mext.go.jp/content/20200206-mxt_daigakuc03-000004749_002.pdf.(検索日
2024 年 5 月 18 日)
5)
松下佳代,小野和宏,斎藤有吾(2020). 重要科目での埋め込み型パフォーマンス評価を通して科目レベルとプロ
グラムレベルの評価をつなぐ―歯学教育プログラムの経験にもとづく提案.京都大学高等教育研究,26,pp51-64.
③評価項目と評価基準と達成水準
評価項目とは、評価における観点のことであり、評価基準とは、各評価項目(観点)について数段階に
分けて文章で説明した尺度である。また、評価の構造化には、マイルストーンで示される各段階の到達
度に対して、評価基準・評価項目を設定し、各項目に対して、コンピテンシーの到達段階を表す水準とい
われるパフォーマンス・レベル 1)2)を示すことが必要である。
その代表的なものがルーブリックである。ルーブリックは、学生の学修成果を評価するために標準化
されたテストに代わるものとして考案され、到達度に関連する基準と学生の達成状況を伝える方法とし
て用いられている。学修成果の評価方略であるルーブリックについて、米国大学協会は Valid
Assessment of Learning in Undergraduate Education(VALUE)3)構想を開発した。この評
価尺度は、論証、クリティカルシンキング、記述作業などの多種多様なスキルの評価を可能にし、採点基
準の精巧な明確さだけでなく、期待されるパフォーマンス・レベルについての共通認識を持つものであ
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正性が高まるように系列化される、と言われている3)。
社会に説明責任を果たすためにも、看護学士課程教育における共用試験や、教学マネジメント指針4)
で示される、Ⅰ 「三つの方針」を通じた学修目標の具体化、Ⅱ 授業科目・教育課程の編成・実施、Ⅲ
学修成果・教育成果の把握・可視化、Ⅳ 教学マネジメントを支える基盤 (FD・SD、教学IR)、V 情報
公表の5つの構造に基づく、大学全体レベル・学位プログラムレベル・授業科目レベルの分類での評価と
情報公表が求められている。
カリキュラムの評価においては、何を最も重視するか、目的をもった一定の事実を収集することが重
要であり、必要とするアウトカムを実現することを重視し評価を行うとともに、カリキュラムそのものにつ
いては基準や、課程上の網羅性などが、制度等に照らして評価されることが重要である。特に、認証評
価(機関別・分野別)においては、大学全体レベルならびに学位プログラムレベルでのコンピテンシーとア
ウトカムの明確化と効果的・効率的な評価の実施が求められている。これらのことから、看護学教育モデ
ル・コア・カリキュラム改訂案は看護学教育における評価を促進するうえで、重要である。
注釈1)重要科目に埋め込まれたパフォーマンス評価(Pivotal Embedded Performance Assessment, PEPA):
この方法は、評価負担の大きいパフォーマンス評価の対象を、複数科目で修得した知識の統合や高次の能力を要
求される重要科目のみに限定し、それをカリキュラムの各段階の結節点に配置することによって、評価の妥当性を
確保しつつ、評価の実行可能性や単位制度との親和性も維持しようとするものである。評価の信頼性(とくに評価
者間信頼性)は、パフォーマンス評価において教員団が協働でルーブリックを開発し、複数の担当教員でキャリブ
レーションとモデレーションを含む評価を行うことによって担保される。プログラムレベルの目標に直結する重要科
目をカリキュラム上に系列的に配置した上で、そこでの教員団によるパフォーマンス評価とその他の科目での個々
の教員による知識・スキルの評価を組み合わせるというプログラムレベルの評価の方法である。5)
【引用文献】
1)
西村 君平(2014) .蓋然論理とその評価方法論的含意.日本評価学会『日本評価研究』第 14 巻第 1 号.pp.1730
2)
中央教育審議会大学分科会」質保証システム部会新たな時代を見据えた質保証システムの改善・充実について(審
議まとめ)令和 4 年 3 月 18 日
3)
Matsushita, K., Ono, K., & Saito, Y. (2018). Combining course- and program-level
outcomes assessments through embedded performance assessments at key courses: A
proposal based on the experience from a Japanese dental education program. Tuning
Journal for Higher Education, 6(1), 111-142.
4)
中央教育審議会大学分科会. (2020). 教学マネジメント指針.
https://www.mext.go.jp/content/20200206-mxt_daigakuc03-000004749_002.pdf.(検索日
2024 年 5 月 18 日)
5)
松下佳代,小野和宏,斎藤有吾(2020). 重要科目での埋め込み型パフォーマンス評価を通して科目レベルとプロ
グラムレベルの評価をつなぐ―歯学教育プログラムの経験にもとづく提案.京都大学高等教育研究,26,pp51-64.
③評価項目と評価基準と達成水準
評価項目とは、評価における観点のことであり、評価基準とは、各評価項目(観点)について数段階に
分けて文章で説明した尺度である。また、評価の構造化には、マイルストーンで示される各段階の到達
度に対して、評価基準・評価項目を設定し、各項目に対して、コンピテンシーの到達段階を表す水準とい
われるパフォーマンス・レベル 1)2)を示すことが必要である。
その代表的なものがルーブリックである。ルーブリックは、学生の学修成果を評価するために標準化
されたテストに代わるものとして考案され、到達度に関連する基準と学生の達成状況を伝える方法とし
て用いられている。学修成果の評価方略であるルーブリックについて、米国大学協会は Valid
Assessment of Learning in Undergraduate Education(VALUE)3)構想を開発した。この評
価尺度は、論証、クリティカルシンキング、記述作業などの多種多様なスキルの評価を可能にし、採点基
準の精巧な明確さだけでなく、期待されるパフォーマンス・レベルについての共通認識を持つものであ
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