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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (54 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》 |
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ている。また、評価に根差した学修目標を設定するため学修成果の 5 分類についても示している 4)。
9つの教授事例の活用により、学習者の注意を引くためのシミュレーション環境を使用したリアルな臨
床状況を再現することで、実践的なスキルを身につけるシミュレーション教育や、学修目標を明確にし、
学生が自分で情報を検索、問題を解決する過程で前提知識を喚起し、新しい知識を実際に適用するよ
うな問題解決型学修 (PBL)においても活用される。
【引用文献】
1)
杉森みど里,舟島なをみ:看護教育学 第8版,医学書院,2024.
2)
O'Connor S, Kennedy S, Wang Y, Ali A, Cooke S, Booth RG. Theories informing technology
enhanced learning in nursing and midwifery education: A systematic review and
typological classification. Nurse Educ Today. 2022
3)
Kolb, A. Y. and Kolb, D. A. Experiential learning theory: A Dinamic holistic approach to
management learning, education and development. Armstrong, S. J. and Fukami, C. V.
(eds) The SAGE handbook of management learning, education and development pp.42-68
SAGE,2009.
4)
Gagne, R. M., Wager, W. W., Golas, K., and Keller, J. M.. Principles of Instructional Design
(5th Ed.). Thompson Learning,2005.
*******コラム:インストラクショナルデザイン*******************
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)は、教育プログラムや学修経験を効果的・効
率的に設計、開発、実施、評価するための体系的な学修方略である。教育者が学修者のニーズに応じた
最適な学修環境と学修活動を構築し、学修成果の最大化を目的としている。インストラクショナルデザイ
ンの基盤には、複数の学習理論が組み入れられている。例えば、行動主義は、学修を外部からの刺激と
それに対する反応の結果と捉え、強化や体験などの外部刺激や評価を通じて行動を変化させることを
重視する。一方、認知主義は、学修を情報の処理と内的な理解の過程とし、学修者が情報をどのように
受け取り、整理し、記憶するかに焦点を当てる。また、構成主義は、学修者が自らの経験を通じて知識を
構築するプロセスを強調し、学修は社会的文脈と相互作用によって学修が深められると想定する。イン
ストラクショナルデザインの実践における代表的なモデルでは、ADDIE モデル1)と Merrill の ID 第一
原理モデル2)がある。ADDIE モデルは、分析(Analysis)、設計(Design)、開発(Development)、
実施(Implementation)、評価(Evaluation)の五つの段階から成り、教育プログラムを体系的に設
計するための基本設計を提案している。分析では、学修者のニーズ、既存の知識、教育目標を明確に
し、設計では教材と学修活動を計画し、開発で、設計に基づいた具体的な教材を作成し、実施ではそれ
を用いて教育を行う。評価では、教育プログラムの効果を評価し、改善点を査定する。
Merrill の ID 第一原理モデルは、学修者が実際の問題解決を通じて知識を習得することに着目し
た学修モデルである。新しい知識は既存の知識に結びつけるべきであり、学修者は新しい知識を用いて
実際のタスクを遂行する経験から学ぶ事が効果的であると提案している。また、フィードバックを通じて
学修者は自らの理解を修正し、深化させることが求められ、学修はより実践的な学びとなるものである。
インストラクショナルデザインでは、教育実践を考える際に、計画、実施、評価を一体として構想する事
が重要である。そのためには、まず、学修者の背景、知識レベル、学修スタイル、学修目標を分析し、教
育プログラムが解決すべき具体的な問題や課題を明確にする。次に、明確な学修目標を設定し、学修者
が達成すべき具体的な成果を定義する。その後、最適な教育戦略を選択し、講義、ディスカッション、実
習、シミュレーションなどの方法を組み合わせる。これらの設計に基づいて、具体的な教材を開発し、開
発された教材を用いて教育を実施する。実施中には、学修者の反応や理解度を観察し、必要に応じて
調整を行う。最後に、学修成果を評価し、教育プログラムの効果を確認し、改善点を特定する事が重要
である。
【引用文献】
1)
Reiser, R. A., & Dempsey, J. V. Trends and Issues in Instructional Design and Technology.
Pearson,2017.
2)
Merrill, M. D. First Principles of Instruction. Educational Technology Research and
Development, 50(3), 43-59,2002.
【参考文献】
1)
Gagne, R. M., Wager, W. W., Golas, K., and Keller, J. M.. Principles of Instructional Design
(5th Ed.). Thompson Learning,2005.
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9つの教授事例の活用により、学習者の注意を引くためのシミュレーション環境を使用したリアルな臨
床状況を再現することで、実践的なスキルを身につけるシミュレーション教育や、学修目標を明確にし、
学生が自分で情報を検索、問題を解決する過程で前提知識を喚起し、新しい知識を実際に適用するよ
うな問題解決型学修 (PBL)においても活用される。
【引用文献】
1)
杉森みど里,舟島なをみ:看護教育学 第8版,医学書院,2024.
2)
O'Connor S, Kennedy S, Wang Y, Ali A, Cooke S, Booth RG. Theories informing technology
enhanced learning in nursing and midwifery education: A systematic review and
typological classification. Nurse Educ Today. 2022
3)
Kolb, A. Y. and Kolb, D. A. Experiential learning theory: A Dinamic holistic approach to
management learning, education and development. Armstrong, S. J. and Fukami, C. V.
(eds) The SAGE handbook of management learning, education and development pp.42-68
SAGE,2009.
4)
Gagne, R. M., Wager, W. W., Golas, K., and Keller, J. M.. Principles of Instructional Design
(5th Ed.). Thompson Learning,2005.
*******コラム:インストラクショナルデザイン*******************
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)は、教育プログラムや学修経験を効果的・効
率的に設計、開発、実施、評価するための体系的な学修方略である。教育者が学修者のニーズに応じた
最適な学修環境と学修活動を構築し、学修成果の最大化を目的としている。インストラクショナルデザイ
ンの基盤には、複数の学習理論が組み入れられている。例えば、行動主義は、学修を外部からの刺激と
それに対する反応の結果と捉え、強化や体験などの外部刺激や評価を通じて行動を変化させることを
重視する。一方、認知主義は、学修を情報の処理と内的な理解の過程とし、学修者が情報をどのように
受け取り、整理し、記憶するかに焦点を当てる。また、構成主義は、学修者が自らの経験を通じて知識を
構築するプロセスを強調し、学修は社会的文脈と相互作用によって学修が深められると想定する。イン
ストラクショナルデザインの実践における代表的なモデルでは、ADDIE モデル1)と Merrill の ID 第一
原理モデル2)がある。ADDIE モデルは、分析(Analysis)、設計(Design)、開発(Development)、
実施(Implementation)、評価(Evaluation)の五つの段階から成り、教育プログラムを体系的に設
計するための基本設計を提案している。分析では、学修者のニーズ、既存の知識、教育目標を明確に
し、設計では教材と学修活動を計画し、開発で、設計に基づいた具体的な教材を作成し、実施ではそれ
を用いて教育を行う。評価では、教育プログラムの効果を評価し、改善点を査定する。
Merrill の ID 第一原理モデルは、学修者が実際の問題解決を通じて知識を習得することに着目し
た学修モデルである。新しい知識は既存の知識に結びつけるべきであり、学修者は新しい知識を用いて
実際のタスクを遂行する経験から学ぶ事が効果的であると提案している。また、フィードバックを通じて
学修者は自らの理解を修正し、深化させることが求められ、学修はより実践的な学びとなるものである。
インストラクショナルデザインでは、教育実践を考える際に、計画、実施、評価を一体として構想する事
が重要である。そのためには、まず、学修者の背景、知識レベル、学修スタイル、学修目標を分析し、教
育プログラムが解決すべき具体的な問題や課題を明確にする。次に、明確な学修目標を設定し、学修者
が達成すべき具体的な成果を定義する。その後、最適な教育戦略を選択し、講義、ディスカッション、実
習、シミュレーションなどの方法を組み合わせる。これらの設計に基づいて、具体的な教材を開発し、開
発された教材を用いて教育を実施する。実施中には、学修者の反応や理解度を観察し、必要に応じて
調整を行う。最後に、学修成果を評価し、教育プログラムの効果を確認し、改善点を特定する事が重要
である。
【引用文献】
1)
Reiser, R. A., & Dempsey, J. V. Trends and Issues in Instructional Design and Technology.
Pearson,2017.
2)
Merrill, M. D. First Principles of Instruction. Educational Technology Research and
Development, 50(3), 43-59,2002.
【参考文献】
1)
Gagne, R. M., Wager, W. W., Golas, K., and Keller, J. M.. Principles of Instructional Design
(5th Ed.). Thompson Learning,2005.
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