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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (31 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》
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整(チューニング)するための方法論の構築、コンピテンスの目標化、一般的コンピテンスと分野別コン
ピテンス、単位互換などの制度を整備し、ボローニャ・プロセスの実施(欧州高等教育圏の建設)を進
めた。
看護教育においても、1980 年代と 1990 年代に起こった「トレーニング」から「教育」への移行の一
環として、コンピテンシー基盤型教育ならびにコンピテンシー基盤型カリキュラムに移行した11)12)13)。
American Association of Colleges Nursing (AACN)が 2021 年に発刊した報告書「The
Essentials: Core Competencies for Professional Nursing Education14)」は、学問とし
ての看護学が強調され、高等教育におけるリベラル教育と看護学教育の融合が提案され、コンピテン
シー基盤型教育を大きく打ち出した。
AACN におけるコンピテンシー基盤型教育は、ある分野で重要とされるコンピテンシーについて、
学生が習得する責任を負うプロセスであるとし、教育環境やシステムによるインプットに対して、教育
経験のアウトプットを重視するものである。学修経験の中心は学生であり、教育と実践のすべての経
路において、期待されるパフォーマンスが明確に定義された。また、一貫して自己評価を行うことで、学
生は学修目標の達成と必要なコンピテンシーの継続的な達成に向けた自己の進捗状況を振り返る能
力を養うとしている。さらに保健医療専門職全体において、カリキュラム、コースワーク、実践経験は責
任ある学修を促進し、確実に保証され、あらゆる場面で移行可能な能力の育成を保証するように設計
された。
また、2023 年(令和 5 年)1 月全米看護連盟(National League for Nursing; NLN)の
「Vision Statement」15)でも、コンピテンシー基盤型教育のフレームワーク、コンピテンシー基盤型教
育のアセスメント、臨床と教育の連携、コンピテンシー基盤型教育のベストプラクティス、行動喚起につ
いて説明している。これらが示すことは、看護学教育におけるアウトカムの設定が生み出す看護実践
能力の評価と看護実践場面での看護成果である。
看護学におけるコンピテンシー基盤型教育は、まず①学生自身がコンピテンシー到達度をどのよう
に評価するのか、自分自身のパフォーマンスを継続的に振り返る能力を養う。次に、②すべての看護
学教育プログラムを修了することで、その到達度は一定であることが保証されること、同時に、雇用
主、一般市民、学生自身もそれを願っている。さらに、③コンピテンシー基盤型モデルへの移行は、ドメ
イン、関連するコンピテンシー、及びコンピテンシーの成果指標を定義することで学修の意図性を促進
する。看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案はまさしくコンピテンシー基盤型教育を実現するた
めのコンピテンシー・ドメイン・レイヤー・学修目標・学修評価・評価時期(マイルストーン)・評価基準(パ
フォーマンス・レベルでの到達度)・ブループリントが示されている。これらが看護学士課程の教育機関
の教職員だけでなく、関連団体や学生、看護の対象者や臨地実習施設にも啓発され、普及されること
でコンピテンシー基盤型教育への転換が可能となる。
【引用文献】
1)
今西幸蔵.(2008):キー・コンピテンシーと DeSeCo 計画,天理大学学報, 60,1,79-107
2)
松下佳代(2021):<センター教員・共同研究論考>教育におけるコンピテンシーとは何か --その本質的特徴と
三重モデル--,京都大学高等教育研究,27: 84-108
3)
Rychen, D. S. E., & Salganik, L. H. E. (2003). Key competencies for a successful life and
a well-functioning society. Hogrefe & Huber Publishers.
4)
松尾知明.(2017):21 世紀に求められるコンピテンシーと国内外の教育課程改革,国立教育政策研究所紀
要,146,9-22.
5)
21 Partnership for 21st Century Learning.(2019):Framework for 21st century learning.
https://static.battelleforkids.org/documents/p21/p21_framework_brief.pdf.(検索日 2023 年
12 月 18 日)
6)
髙口努.(2015):資質・能力を育成する教育課程の在り方に関する研究,国立教育政策研究所プロジェクト研究

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