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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (59 ページ)

公開元URL https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html
出典情報 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》
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重要な出来事を振り返り、詳細に、かつ系統的に省察することで、その経験から学びを今後の改善に
つなげる教育方法である。特に看護場面の再構成やリスク管理において有用であり、数名程度の小グ
ループを形成し、ファシリテーターと発表者を選び、発表者は重大な事例・症例に関して詳細に述べ、改
善案について示すという流れで学修する。
この過程から、重要な出来事や事例を選定し、詳細に分析し、出来事の原因や影響を振り返る一連の
学修から、その場での対応や再発防止策などの教訓を導き出すようなチームでのディスカッションを通
じた共同学修が可能となる。
9)e ポートフォリオ
看護学教育において学生が学修成果やスキルの進展をデジタル形式で記録・管理するツールであ
る。学生はこのツールを使用することで、自己評価やフィードバックを受けながら、実践経験や反省点を
整理し、継続的に学びを深める学修が可能となる。また、教員はこれを通じて学生の成長をリアルタイム
で把握し、個別指導が可能となり、学修成果の可視化と、即応的な形成的評価、ディスカッション、修正
という過程をリアルタイムで得られる教育方法にもなる。
学生が学修成果やプロジェクトをデジタルで記録し、フィードバック機能を活用した教員や同級生か
らの評価を受けることで、ポートフォリオを活用した自己内省や、振り返りと適切な目標設定が可能とな
る。
看護学教育における多様な教育方法や方略の適用は、学生が実践的な能力を効果的に習得し、目指
すべきコンピテンシーを獲得した看護師を育成するために、どれか一つで完成するのではなく、複数の
方法・方略を適切に組み合わせて設計することが重要である。また、プロセスとしてのカリキュラム、教授
と学修、テクノロジーを駆使した学修、評価の観点などからも定期的、総括的、継続的な点検を実施し、
継続的な検討が必要である。
教育方法・方略の選択と組み合わせにおいては、学生のレディネスとしての学修スタイルやニーズに
応じた方法を選ぶことが重要となる。また、学修環境や、活用するデバイスやプラットフォームに対する
技術的なサポート体制や環境などの教育インフラを整えることも重要となり、教育者自身も各教育方法
に精通することが求められる。
教育実践では、教育方法・方略と評価を一体的に設計することが求められる。特にコンピテンシー基
盤型教育では、評価基準を明確に設定し、一貫性のある評価を行う必要がある。一つの授業や演習、実
習に多様な目標や目指すべきコンピテンシーを含む看護学教育における評価では、学生の学修進捗を
定期的に評価し、フィードバックを行うことで、学生の学修状況がアウトカムに向かっているのかを常に
意識した形成的評価が重要である。そのためには、評価者が学修状況を把握すると共に、学修者同士
の協力やコミュニケーションを促進する環境の整備、教育方法や戦略の設計、学修者と教育者が協同し
た教育実践が求められる。
【引用文献】
1)

舟島なをみ監修:看護学教育における授業展開,第2版,2020.

2)

佐々木 幾美, 奥宮 暁子,小林 美子(翻訳):看護を教授すること 原著第 6 版 大学教員のためのガイド, 医歯薬
出版,2021.
Ghezzi, J., Higa, E. F. R., Lemes, M. A., & Marin, M. J. S.. Strategies of active learning
methodologies in nursing education: an integrative literature review. Rev Bras Enferm,
74(1), 2021.
岡田摩理, 泊祐子. (2017). わが国の看護基礎教育で求められてきた看護の専門性を支える思考の内容と教
育の動向. 日本看護学教育学会誌, 27(2), 27-40.

3)
4)

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