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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (4 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》 |
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新たな価値を生み出す人材の輩出と、それを実現する教育・人材育成システムの実現が求められるこ
とが指摘された。2022 年(令和4年)には、教育未来創造会議が「我が国の未来をけん引する大学等
と社会の在り方についての第一次提言」を発出し 8)、自分自身で課題を設定して、多様な人とコミュニ
ケーションをとりながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決を図ることができる人材像
を示した。このために、創造性教育を含んだ STEAM 教育(Science、Technology、
Engineering、Arts、Mathematics)を強化し、文理横断による総合知の創出を指摘した。
以上のように、2040 年に向けて看護学教育に求められる人材像も、時代の変化に対応して自ら課
題を設定し、論理的思考力、グローバルなコミュニケーション等によって、新たな価値やビジョンを創造
し、積極的に社会を改善していく資質・能力を有する人材である。
2.看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の趣旨
2-1.コンピテンシー基盤型教育(Competency Based Education:CBE)への転換
中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」(2008 年)9)を受けて、「卒業認定・学位授与の方針」
(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受け入れ
の方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(中央教育審議会大学分科会
大学教育部会,2016 年)10)が答申された。同時に、学校教育法施行規則が改正され、三つの方針を
一貫性のあるものとして策定し、公表することが義務化された。これに基づき、大学は卒業認定・学位
授与の方針として、卒業までに学生が身に付けるべき資質・能力を明示し、他の方針と共に公表してき
た。
大学教育の質的転換として、卒業時点での資質・能力をどのような内容で設定するのかが重要とな
る。卒業した学生を受け入れる産業界として、経済協力開発機構(Organization for Economic
Co-operation and Development: OECD)は 1999 年から 2002 年にかけて、DeSeCo
(Definition and Selection of Competencies)プロジェクトを実施し 11)、キー・コンピテンシー
として、①社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力、②多様な社会グループにおける
人間関係形成能力、③自律的に行動する能力を掲げ、Education2030 プロジェクト(2015 年)12)
において④新たな価値を創造する力、⑤対立やジレンマを克服する力、⑥責任ある行動をとる力が追
加された。
これと同時期に、世界の国々は独自の資質・能力の構成要素を明示し、コンピテンシー基盤型カリキ
ュラムの作成など教育改革を打ち出し 13)、コンピテンシー基盤型教育は世界の潮流となった。日本で
は、2008 年に中教審が「学士力」9)として、①知識、理解(専門分野の基礎知識の体系的理解、多文
化、異文化に関する知識と理解、人類の文化・社会と自然に関する知識の理解)、②総合的な学習経
験と創造的志向、③汎用的技能(コミュニケーションスキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思
考力、問題解決力)、④態度、志向性(自己管理力、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、市民として
の社会的責任、生涯学習力)のコンピテンシーを掲げた。
その後、中教審の「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン」(2018 年)5)において、学修者
本位の教育への転換が提言され、「学生に何を教えたか」から「学生は何を学び身につけることができ
たか」への転換と個々の学生の学修成果の可視化が求められた。これは、まさにコンテンツ基盤型教
育からコンピテンシー基盤型教育への転換を求めるものであった。さらに、教育未来創造会議の「我が
国の未来をけん引する大学等と社会の在り方についての第一次提言」(2022 年)8)では、卒業時点で
の質保証を強化する必要性が指摘された。これは、大学に対し、卒業時点で到達すべき能力(コンピテ
2
とが指摘された。2022 年(令和4年)には、教育未来創造会議が「我が国の未来をけん引する大学等
と社会の在り方についての第一次提言」を発出し 8)、自分自身で課題を設定して、多様な人とコミュニ
ケーションをとりながら、新たな価値やビジョンを創造し、社会課題の解決を図ることができる人材像
を示した。このために、創造性教育を含んだ STEAM 教育(Science、Technology、
Engineering、Arts、Mathematics)を強化し、文理横断による総合知の創出を指摘した。
以上のように、2040 年に向けて看護学教育に求められる人材像も、時代の変化に対応して自ら課
題を設定し、論理的思考力、グローバルなコミュニケーション等によって、新たな価値やビジョンを創造
し、積極的に社会を改善していく資質・能力を有する人材である。
2.看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂の趣旨
2-1.コンピテンシー基盤型教育(Competency Based Education:CBE)への転換
中教審答申「学士課程教育の構築に向けて」(2008 年)9)を受けて、「卒業認定・学位授与の方針」
(ディプロマ・ポリシー),「教育課程編成・実施の方針」(カリキュラム・ポリシー)及び「入学者受け入れ
の方針」(アドミッション・ポリシー)の策定及び運用に関するガイドライン(中央教育審議会大学分科会
大学教育部会,2016 年)10)が答申された。同時に、学校教育法施行規則が改正され、三つの方針を
一貫性のあるものとして策定し、公表することが義務化された。これに基づき、大学は卒業認定・学位
授与の方針として、卒業までに学生が身に付けるべき資質・能力を明示し、他の方針と共に公表してき
た。
大学教育の質的転換として、卒業時点での資質・能力をどのような内容で設定するのかが重要とな
る。卒業した学生を受け入れる産業界として、経済協力開発機構(Organization for Economic
Co-operation and Development: OECD)は 1999 年から 2002 年にかけて、DeSeCo
(Definition and Selection of Competencies)プロジェクトを実施し 11)、キー・コンピテンシー
として、①社会・文化的、技術的ツールを相互作用的に活用する能力、②多様な社会グループにおける
人間関係形成能力、③自律的に行動する能力を掲げ、Education2030 プロジェクト(2015 年)12)
において④新たな価値を創造する力、⑤対立やジレンマを克服する力、⑥責任ある行動をとる力が追
加された。
これと同時期に、世界の国々は独自の資質・能力の構成要素を明示し、コンピテンシー基盤型カリキ
ュラムの作成など教育改革を打ち出し 13)、コンピテンシー基盤型教育は世界の潮流となった。日本で
は、2008 年に中教審が「学士力」9)として、①知識、理解(専門分野の基礎知識の体系的理解、多文
化、異文化に関する知識と理解、人類の文化・社会と自然に関する知識の理解)、②総合的な学習経
験と創造的志向、③汎用的技能(コミュニケーションスキル、数量的スキル、情報リテラシー、論理的思
考力、問題解決力)、④態度、志向性(自己管理力、チームワーク、リーダーシップ、倫理観、市民として
の社会的責任、生涯学習力)のコンピテンシーを掲げた。
その後、中教審の「2040 年に向けた高等教育のグランドデザイン」(2018 年)5)において、学修者
本位の教育への転換が提言され、「学生に何を教えたか」から「学生は何を学び身につけることができ
たか」への転換と個々の学生の学修成果の可視化が求められた。これは、まさにコンテンツ基盤型教
育からコンピテンシー基盤型教育への転換を求めるものであった。さらに、教育未来創造会議の「我が
国の未来をけん引する大学等と社会の在り方についての第一次提言」(2022 年)8)では、卒業時点で
の質保証を強化する必要性が指摘された。これは、大学に対し、卒業時点で到達すべき能力(コンピテ
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