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資料1-1 看護学教育モデル・コア・カリキュラム改訂案(本文) (16 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/125/mext_00005.html |
出典情報 | 看護学教育モデル・コア・カリキュラムの改訂に関する連絡調整委員会(第4回 8/6)《文部科学省》 |
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準的な使用方法に関する有識者からの指摘に基づき修正した。また、医療や看護の政策に関する用語
は省庁等から発出されている通知、方針に関する文書を、その他の用語に関しては様々なガイドライン
を用いた。
さらに、看護実践能力を示すために、主に教育内容(別表)においては、看護実践の場で標準的に使
用される用語として「MEDIS 看護実践用語標準マスター行為編 Ver3.7」や看護用語集を用いた。
これに対して、チーム医療・多職種連携を背景に多職種と共通の平易な用語を使うべき、看護独自
の用語ではなく他学問分野と共通の用語による教育内容などを示すことで看護基礎教育内容を他職
種からも理解してもらえるようにするべきなどの意見があった。その一方で、これまでの看護学の蓄積
によりコンセンサスを得ている用語を使うことで、教育者がこれまでの教育との共通点や相違点を理
解できるなどの意見もあった。
特に、今回の資質・能力の内容に頻出する「対象」の用語について、パーソン(個人)のみならず家
族、地域などを包含する概念は看護学独自の定義であり、他職種からは理解されにくいという意見も
あった。また、医療機関を利用する個人を「患者」と表現することが多いが、介護サービスなどにおいて
は「利用者」と表現することもあり、看護学用語としてどのように整理するかは、今後も検討を要する。
その他、比較的新しい概念を表す用語については、現在最もコンセンサスが得られている省庁やキ
ー文献などで示された用語とした。例えば、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツは「性と生殖に
関する健康と権利」という用語として浸透してきているが、リプロダクティブ・ヘルス・ライツが一般化し
ているため、まずは現状でコンセンサスの得られている用語を用いた。このように、今後も、用語の見
直しは継続して行っていく必要がある。
8-2.本モデル・コア・カリキュラムで示す到達度
コンピテンシー基盤型教育を実現するためには、看護学基礎教育から始まり、卒業後に病院等にお
いて看護師として成長する段階までをシームレスに捉えることが重要であり、看護師が身に付けるべ
きコンピテンシーを到達点として明示することが、まずは必要である。そして、身についたかどうかを確
認する時期の設定、そのアウトカムとしての評価基準を明示して、評価することで可視化する必要があ
る。
従って、本看護学教育コアカリにおいては、卒業時点である新人看護師の到達度を見据えたシーム
レスな到達度を設定し、新人看護師の到達度をゴールとした複数時点かつ継続的・段階的に学修成果
と実践能力を評価するために、「資質・能力案」に対する「到達度案」の作成が必要である。Frank は、
コンピテンシー基盤型教育の実施プロセスを、①卒業生に必要な能力(コンピテンス領域)の同定、②
コンピテンシーやその要素の明確な定義、③進度に従ったマイルストーン(milestone:コンピテンスが
成長する際の節目に当たる時期に、どのレベルにいるかを示す明確な記述)の設定、④教育活動、経
験、指導方法の選定、⑤マイルストーンを測定する評価手法の選定、⑥アウトカムが達成できたかのプ
ログラム評価、の6段階に分けている1)。
アウトカムの設定は、看護実践能力獲得に直結する臨地実習での学生による看護実践の質を保証
し、看護実践の機会確保にもつながる。臨地実習は看護職としての実践を経験する機会であり、将来
看護職になるための非常に有効な学修方法である。そのためには、各学生について、知識・スキル、態
度・価値観及び思考・判断・表現力を統合したパフォーマンス・レベルでの保証が必要である。臨地実
習で看護実践が許可されるパフォーマンス・レベルの達成水準が明示され、各学生が実習前時点で到
達しているか、同様に臨地実習時点、実習終了時点や卒業時点で確認する必要がある。その上で、臨
地実習前時点においてこれらの到達が十分であれば、対象への看護の実践は保証される。
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は省庁等から発出されている通知、方針に関する文書を、その他の用語に関しては様々なガイドライン
を用いた。
さらに、看護実践能力を示すために、主に教育内容(別表)においては、看護実践の場で標準的に使
用される用語として「MEDIS 看護実践用語標準マスター行為編 Ver3.7」や看護用語集を用いた。
これに対して、チーム医療・多職種連携を背景に多職種と共通の平易な用語を使うべき、看護独自
の用語ではなく他学問分野と共通の用語による教育内容などを示すことで看護基礎教育内容を他職
種からも理解してもらえるようにするべきなどの意見があった。その一方で、これまでの看護学の蓄積
によりコンセンサスを得ている用語を使うことで、教育者がこれまでの教育との共通点や相違点を理
解できるなどの意見もあった。
特に、今回の資質・能力の内容に頻出する「対象」の用語について、パーソン(個人)のみならず家
族、地域などを包含する概念は看護学独自の定義であり、他職種からは理解されにくいという意見も
あった。また、医療機関を利用する個人を「患者」と表現することが多いが、介護サービスなどにおいて
は「利用者」と表現することもあり、看護学用語としてどのように整理するかは、今後も検討を要する。
その他、比較的新しい概念を表す用語については、現在最もコンセンサスが得られている省庁やキ
ー文献などで示された用語とした。例えば、セクシャル・リプロダクティブ・ヘルス・ライツは「性と生殖に
関する健康と権利」という用語として浸透してきているが、リプロダクティブ・ヘルス・ライツが一般化し
ているため、まずは現状でコンセンサスの得られている用語を用いた。このように、今後も、用語の見
直しは継続して行っていく必要がある。
8-2.本モデル・コア・カリキュラムで示す到達度
コンピテンシー基盤型教育を実現するためには、看護学基礎教育から始まり、卒業後に病院等にお
いて看護師として成長する段階までをシームレスに捉えることが重要であり、看護師が身に付けるべ
きコンピテンシーを到達点として明示することが、まずは必要である。そして、身についたかどうかを確
認する時期の設定、そのアウトカムとしての評価基準を明示して、評価することで可視化する必要があ
る。
従って、本看護学教育コアカリにおいては、卒業時点である新人看護師の到達度を見据えたシーム
レスな到達度を設定し、新人看護師の到達度をゴールとした複数時点かつ継続的・段階的に学修成果
と実践能力を評価するために、「資質・能力案」に対する「到達度案」の作成が必要である。Frank は、
コンピテンシー基盤型教育の実施プロセスを、①卒業生に必要な能力(コンピテンス領域)の同定、②
コンピテンシーやその要素の明確な定義、③進度に従ったマイルストーン(milestone:コンピテンスが
成長する際の節目に当たる時期に、どのレベルにいるかを示す明確な記述)の設定、④教育活動、経
験、指導方法の選定、⑤マイルストーンを測定する評価手法の選定、⑥アウトカムが達成できたかのプ
ログラム評価、の6段階に分けている1)。
アウトカムの設定は、看護実践能力獲得に直結する臨地実習での学生による看護実践の質を保証
し、看護実践の機会確保にもつながる。臨地実習は看護職としての実践を経験する機会であり、将来
看護職になるための非常に有効な学修方法である。そのためには、各学生について、知識・スキル、態
度・価値観及び思考・判断・表現力を統合したパフォーマンス・レベルでの保証が必要である。臨地実
習で看護実践が許可されるパフォーマンス・レベルの達成水準が明示され、各学生が実習前時点で到
達しているか、同様に臨地実習時点、実習終了時点や卒業時点で確認する必要がある。その上で、臨
地実習前時点においてこれらの到達が十分であれば、対象への看護の実践は保証される。
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