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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (14 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html |
出典情報 | 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》 |
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話すこと、聴かれることはレジリエンスを高める~文字による相談「オンラインチャッ
ト」
「つぶやく」
電話相談から始まったチャイルドラインですが、こどもの環境変化に合わせて、現在は、オンラ
インチャットによる文字での相談と、こどもが気持ちを書き込める場「つぶやく」をWeb上に設置
しています。相手がいる電話やチャットでも、書き込むだけの「つぶやく」でも、ぼんやりした感
情や漠然とした不安を言葉や文字にするという行為は気持ちを整理することにつながり、思いを吐
き出し、悩みをいったん横に置ける効果があると考えられます。「いったん横に置く」ことができる
と、自分の感情をコントロールすることができるようになる、つまりレジリエンスが鍛えられると
もいえます。現代のストレス社会において、困難をしなやかに乗り越えていく力=レジリエンスは
とても大切な力です。
「生きていていい」と思える多様な価値観、個性を認める社会づくりを
事例▶ 親の言いなりになって勉強しないと殺される。受験する学校も親の好きな学校に変えら
れた。死にたい死にたい死にたい
第2章
こどもの自殺の状況と対策
事例▶ 私中学3年生。親が成績にこだわってテストで70点台で怒る。クラスの順位も34人中
5位以内に入ってるし、成績も良い方なのに。親が頭良かったのは事実だし、それは超えられな
いけど、勉強するのも親の機嫌良くするためみたいで、私は何のために生きているんだろう。
こどもの自殺の主要原因として、進路の不安、学業不振が挙げられますが、日頃チャイルドライ
ンが聴いているこどもの声から考察すると、自分自身を責め、追い詰めてしまうこどもがいる一方
で、その背景に、こども自身と周りの大人との価値観のずれ、「分かってもらえない」「認めてもら
えない」といったつらさや、そこに至るほかの複合要因による苦しさがあるだろうと考えています。
大人でも多様な生き方があり、価値観があります。こどもも同じです。自らの価値観がベストとほ
かを否定するのではなく、お互いの生き方・価値観、一人一人の個性を認めることができる世の中
こそが、結果的に誰かを自死に追いやることのない、誰もが「自分は生きていていい」と思える社
会なのではないでしょうか。
※取り上げた事例は個人が特定できないように再構成しています。
※データは、こどもの話を聴く受け手が感じたこどもの状況を、データベースに集積し集計したも
ので、2024年4月時点でまとめています。
59
ト」
「つぶやく」
電話相談から始まったチャイルドラインですが、こどもの環境変化に合わせて、現在は、オンラ
インチャットによる文字での相談と、こどもが気持ちを書き込める場「つぶやく」をWeb上に設置
しています。相手がいる電話やチャットでも、書き込むだけの「つぶやく」でも、ぼんやりした感
情や漠然とした不安を言葉や文字にするという行為は気持ちを整理することにつながり、思いを吐
き出し、悩みをいったん横に置ける効果があると考えられます。「いったん横に置く」ことができる
と、自分の感情をコントロールすることができるようになる、つまりレジリエンスが鍛えられると
もいえます。現代のストレス社会において、困難をしなやかに乗り越えていく力=レジリエンスは
とても大切な力です。
「生きていていい」と思える多様な価値観、個性を認める社会づくりを
事例▶ 親の言いなりになって勉強しないと殺される。受験する学校も親の好きな学校に変えら
れた。死にたい死にたい死にたい
第2章
こどもの自殺の状況と対策
事例▶ 私中学3年生。親が成績にこだわってテストで70点台で怒る。クラスの順位も34人中
5位以内に入ってるし、成績も良い方なのに。親が頭良かったのは事実だし、それは超えられな
いけど、勉強するのも親の機嫌良くするためみたいで、私は何のために生きているんだろう。
こどもの自殺の主要原因として、進路の不安、学業不振が挙げられますが、日頃チャイルドライ
ンが聴いているこどもの声から考察すると、自分自身を責め、追い詰めてしまうこどもがいる一方
で、その背景に、こども自身と周りの大人との価値観のずれ、「分かってもらえない」「認めてもら
えない」といったつらさや、そこに至るほかの複合要因による苦しさがあるだろうと考えています。
大人でも多様な生き方があり、価値観があります。こどもも同じです。自らの価値観がベストとほ
かを否定するのではなく、お互いの生き方・価値観、一人一人の個性を認めることができる世の中
こそが、結果的に誰かを自死に追いやることのない、誰もが「自分は生きていていい」と思える社
会なのではないでしょうか。
※取り上げた事例は個人が特定できないように再構成しています。
※データは、こどもの話を聴く受け手が感じたこどもの状況を、データベースに集積し集計したも
ので、2024年4月時点でまとめています。
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