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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (53 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html
出典情報 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》
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第2章

●こどもの自殺の状況と対策

COLUMN 6

中高生の居場所づくり×クリニック
〜ティーンまんなかの新たなまちづくりの試み〜

(NPO法人じっくらあと 理事長、ごちゃまるクリニック 副院長 小浦詩)

私たちの住む輪島市は、高齢化率46.7%・年少人口比7.25%(2022年住民基本台帳)と超少子
高齢化の進む地域です。独居高齢者の増加など高齢化に伴う課題だけではなく、高い不登校率など
のこどもたちを取り巻く地域課題も深刻です。私たちは2022年より1階に多職種によるプライマ
リ・ケアを提供するごちゃまるクリニック、2・3階にNPO法人が運営するティーンの居場所拠点
“わじまティーンラボ”という形でティーンをまんなかにした新たなまちづくりを始めました。
クリニック、わじまティーンラボ

NPO法人じっくらあとの活動は、わじまティーンラボの企画運営、こども相談窓口、学校と連携
した課外授業、こどもに関わる地域の皆さんとの連携です。現在、日本財団の「子ども第三の居場
所」事業の補助を受け設備改築・運営を行っています。施設にはコミュニティカフェスペース、漫
画図書室、自習室、運動室、音楽スタジオなどがあり、平均30人/日のこどもたちが利用していま
す。
こどもの相談窓口は、月に1回中学校の保健室に訪問して個別の相談に応じる“月いち保健室カ
フェ”やこども家庭庁の「こどもまんなかアクション」のモデル事例となっているわじまティーン
ラボでの個別相談を行う“ラボカフェ”を入り口とし、継続的な面談や投薬が必要なケースはクリ
ニックの外来につないでいます。ラボカフェは垣根の低い相談として、保護者の相談窓口としても
機能しています。また、クリニックの外来患者は多世代が分布しており中高生も多く、外来からラ
ボを紹介するケースもあります。例えば、母親が不登校の息子の相談にラボカフェを利用し、その
後継続的な本人との面談をクリニックの外来で行っているケースや、慢性腹痛でクリニック通院中
の高校生がラボを利用するようになったケースがあります。グラフは2023年度の相談事業の件数
です。月に20件前後の相談があり、相談内容は不登校、リストカット、慢性腹痛、慢性頭痛、月経
に関するものなどが多く、継続した関わりを行っているケースも多くあります。

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