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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (59 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html |
出典情報 | 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》 |
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第2章
4
●こどもの自殺の状況と対策
おわりに
これまでみてきたとおり、小中高生の自殺
者数は増加傾向にあり、危機的な状況となっ
め、支援手法を探っていくことが期待され
る。さらに、長期休暇明け前後のこどもの自
は、警察の捜査の過程で知り得た範囲内のも
のに限られることに注意が必要であるが、自
発活動を行うことが重要である。加えて、自
殺のリスクの早期発見の観点から、1人1台
ている。
自殺統計原票における自殺の原因・動機
殺統計原票からは、小中高生の自殺の原因・
動機は不詳が多いこと、小学生では「家庭問
題」
、中学生では「学校問題」、高校生では男
性で「学校問題」
、女性で「健康問題」が多
くみられるなど、年齢別・性別で様相が異
なっていること、男性は1年を通じて「学校
問題」が多いことなどが示された。また、女
性は、令和2年前後の自殺者急増期におい
て、自殺未遂歴のある自殺者の割合が上昇し
たことが示された。さらに、自殺者数の増加
は地域の長期休暇明けの時期に影響を受ける
こと、同居人の状況によって自殺の原因・動
機が異なる傾向にあることが示された。
これらの分析結果も踏まえつつ、今後も、
更なる対策の推進と効果の検証を図っていく
ことが重要である。具体的には、令和4年の
自殺統計原票の改正により集計可能となった
項目を含めたデータの更なる蓄積及びその分
析を通じてこどもの自殺の動向を把握してい
くことに加え、こども家庭庁と関係府省庁の
連携の下、各機関が保有する関係資料を基に
実施するこどもの自殺の多角的な要因分析の
結果も踏まえ、こどもの自殺をどのように防
ぐことができるのか検討を行っていく必要が
ある。
また、自殺未遂歴のある者への支援とし
て、
「自傷・自殺未遂レジストリ」を活用し、
自殺未遂者の属性や傾向について分析を進
104
殺の予防については、引き続き、国や都道府
県等から適時適切に集中的な相談窓口等の啓
端末等を活用した「心の健康観察」を推進す
るとともに、「こども・若者の自殺危機対応
チーム」の取組を通じて、地域において自殺
未遂歴や自傷行為の経験等があるこども・若
者に対する支援のノウハウや知見を蓄積して
いくことも重要である。併せて、身近な相談
体制の整備として、学校におけるスクールカ
ウンセラー、スクールソーシャルワーカー等
の配置促進や民間団体等が行うSNSを活用
した相談体制の強化、ゲートキーパーの養成
にも引き続き取り組む必要がある。
こどもの命を守るためには、保護者を始め
とする身近な大人一人一人がこどもたちの微
妙なサインに気付き、こどもの不安や悩みの
声に耳を傾け、適切に受け止め、必要な支援
につなげることが重要である。その上で、家
庭と学校、地域、警察や医療機関などの関係
機関が緊密に連携して、不安や悩みを抱える
こどもたちを孤立させることなく地域全体で
支援していくことが可能となるよう、地域の
ネットワークづくりを推進していく必要があ
る。政府としては、大綱及び緊急強化プラン
に基づく総合的な取組を進めているところで
あるが、今後も、地方公共団体や民間団体、
国民等との連携・協働の下、国を挙げて、誰
も自殺に追い込まれることのないよう、生き
ることの包括的な支援として、こどもへの自
殺対策を強力に推進していく。
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●こどもの自殺の状況と対策
おわりに
これまでみてきたとおり、小中高生の自殺
者数は増加傾向にあり、危機的な状況となっ
め、支援手法を探っていくことが期待され
る。さらに、長期休暇明け前後のこどもの自
は、警察の捜査の過程で知り得た範囲内のも
のに限られることに注意が必要であるが、自
発活動を行うことが重要である。加えて、自
殺のリスクの早期発見の観点から、1人1台
ている。
自殺統計原票における自殺の原因・動機
殺統計原票からは、小中高生の自殺の原因・
動機は不詳が多いこと、小学生では「家庭問
題」
、中学生では「学校問題」、高校生では男
性で「学校問題」
、女性で「健康問題」が多
くみられるなど、年齢別・性別で様相が異
なっていること、男性は1年を通じて「学校
問題」が多いことなどが示された。また、女
性は、令和2年前後の自殺者急増期におい
て、自殺未遂歴のある自殺者の割合が上昇し
たことが示された。さらに、自殺者数の増加
は地域の長期休暇明けの時期に影響を受ける
こと、同居人の状況によって自殺の原因・動
機が異なる傾向にあることが示された。
これらの分析結果も踏まえつつ、今後も、
更なる対策の推進と効果の検証を図っていく
ことが重要である。具体的には、令和4年の
自殺統計原票の改正により集計可能となった
項目を含めたデータの更なる蓄積及びその分
析を通じてこどもの自殺の動向を把握してい
くことに加え、こども家庭庁と関係府省庁の
連携の下、各機関が保有する関係資料を基に
実施するこどもの自殺の多角的な要因分析の
結果も踏まえ、こどもの自殺をどのように防
ぐことができるのか検討を行っていく必要が
ある。
また、自殺未遂歴のある者への支援とし
て、
「自傷・自殺未遂レジストリ」を活用し、
自殺未遂者の属性や傾向について分析を進
104
殺の予防については、引き続き、国や都道府
県等から適時適切に集中的な相談窓口等の啓
端末等を活用した「心の健康観察」を推進す
るとともに、「こども・若者の自殺危機対応
チーム」の取組を通じて、地域において自殺
未遂歴や自傷行為の経験等があるこども・若
者に対する支援のノウハウや知見を蓄積して
いくことも重要である。併せて、身近な相談
体制の整備として、学校におけるスクールカ
ウンセラー、スクールソーシャルワーカー等
の配置促進や民間団体等が行うSNSを活用
した相談体制の強化、ゲートキーパーの養成
にも引き続き取り組む必要がある。
こどもの命を守るためには、保護者を始め
とする身近な大人一人一人がこどもたちの微
妙なサインに気付き、こどもの不安や悩みの
声に耳を傾け、適切に受け止め、必要な支援
につなげることが重要である。その上で、家
庭と学校、地域、警察や医療機関などの関係
機関が緊密に連携して、不安や悩みを抱える
こどもたちを孤立させることなく地域全体で
支援していくことが可能となるよう、地域の
ネットワークづくりを推進していく必要があ
る。政府としては、大綱及び緊急強化プラン
に基づく総合的な取組を進めているところで
あるが、今後も、地方公共団体や民間団体、
国民等との連携・協働の下、国を挙げて、誰
も自殺に追い込まれることのないよう、生き
ることの包括的な支援として、こどもへの自
殺対策を強力に推進していく。