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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (37 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html
出典情報 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》
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第2章

●こどもの自殺の状況と対策

JA-RSAは運用を開始したばかりであり、現時点では参画している救命救急センターの数もまだ多
くなく、若年者の情報は限定的であるため、今回示した概要の解釈には注意が必要である。一方で、
若年の自傷・自殺未遂者においては、自傷・自殺未遂の既往がありながら精神科受診につながって
いない例がある可能性や、自傷・自殺未遂で救急受診した際に精神科コンサルトやケースマネジメ
ントがより積極的に行われている可能性も示唆された。若年者の特性に配慮した積極的な支援が以
後の再企図の防止につながることが期待される。自傷・自殺未遂歴のある若年者を地域で把握し関
係機関が連携して支援する仕組みづくりが重要である。

今後の展望

JA-RSAで収集するデータの分析を通して、自傷・自殺未遂者への支援や自殺対策の立案・推進に
貢献していきたい。特に、自殺未遂者の背景や手段の分析からは、背景や手段の変遷を明らかにす
ることができる。これらはその時点に応じたハイリスクグループへの支援や手段の規制等を通じた
自殺対策に寄与することが期待される。また、自殺未遂者の診療における精神科コンサルトや地域
連携の実施状況の分析は、どのような症例で重点的なケアが提供されているのかを明らかにし、質
の高い自殺未遂者ケアを広める施策の基礎資料となることが期待される。今後、正確なデータに基
づき適切な分析を行っていくためにも、残る250か所以上の救命救急センターのレジストリへの参
加を期待したい。

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