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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (46 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html |
出典情報 | 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》 |
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3
こどもの自殺対策
⑴
自殺総合対策大綱に基づくこどもの
自殺対策
を利用した相談事業が開始されるなど、より
された最初の大綱では、中高年の男性の自殺
者急増を問題視しつつ、こどもの自殺につい
過去最多となった。新型コロナウイルス感染
症流行下に行われた調査からは、こどもの傾
こどもの自殺対策は、累次の大綱の見直し
とともに拡充されてきた。平成19年に策定
ても課題としており、児童生徒及び教職員に
対する児童生徒の自殺予防に資する教育や普
及啓発の実施、学校で自殺や自殺未遂が発生
した場合の児童生徒等の心理的ケア等、学校
を中心とした対策が掲げられた。
げられた対策に加え、新たに、いじめを苦に
したこどもの自殺の予防や児童虐待の発生予
防、虐待を受けたこどもへの適切な支援等、
社会的な要因によるこどもの自殺リスクに対
する支援策が拡充された。
平成28年には基本法が改正され、新たに
「心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進
等」が盛り込まれた。これを受けて平成29
年に見直された第3次大綱においては、年間
自殺者数が減少傾向にあるものの、20歳未
満の自殺死亡率が約20年間横ばいであった
こと、若年層の死因に占める自殺の割合が高
いことから、こども・若者の自殺対策を更に
推進することとされ、学校におけるSOSの
出し方に関する教育、学校の長期休業前から
長期休業明けにかけての早期発見・見守り等
の取組等の広範な対策を行った。さらに、近
年では、若者の多くがSNSを日常的なコミュ
ニケーション手段として用いていることか
ら、平成30年から文部科学省においてSNS
必要性が示唆された。
そうした中、令和4年10月に策定された
第4次大綱では、
「子ども・若者の自殺対策
の更なる推進・強化」が柱の一つとして盛り
込まれ、これまでの取組に加え、こどもの自
殺等の事案について詳細な調査や分析を進め
ることや、こどもの自殺危機に対応していく
チームとして関係者(学校、教育委員会、地
方公共団体の自殺対策担当者、児童相談所、
福祉施設、医療機関、警察等の関係機関や地
域の支援者等)が連携する仕組み等の構築、
こどもの自殺の状況と対策
ては、若年層の自殺死亡率の上昇や学生・生
徒の自殺者数が増加傾向にあることが新たな
課題として明記され、第1次大綱において掲
向として、問題を抱えた際に周囲にその状況
を伝えて支援を希求することが難しいことが
読み取れ14、15、教員や保護者といった周囲の
大人が丁寧にSOSを受け止めていくことの
第2章
平成24年に見直された第2次大綱におい
身近な方法で支援にアプローチできるような
体制を整備してきた。
令和2年には、小中高生の自殺者数が当時
GIGAスクール構想で配布されているPCや
タブレット端末の活用等による自殺リスクの
把握やプッシュ型の支援情報の発信等の対策
に新たに取り組んでいくこととされた。
⑵
こどもの自殺対策緊急強化プランの
策定
こどもを取り巻く状況を見ると、社会全体
のつながりが希薄化している中で、新型コロ
ナウイルス感染症の感染拡大により人との接
触機会が減り、それが長期化することで、友
人関係を始めとした様々な人間関係に変化が
生じている。そのような中で、令和4年に
は、小中高生の自殺者数が514人と過去最多
14 厚生労働省「令和4年版自殺対策白書」
(第2章第3節 学生・生徒等の自殺の分析⑷学生・生徒等の自殺の原
因・動機)
15 国立成育医療研究センター「コロナ禍における思春期のこどもとその保護者のこころの実態報告書」
(https://
www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxCN_repo.pdf)
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こどもの自殺対策
⑴
自殺総合対策大綱に基づくこどもの
自殺対策
を利用した相談事業が開始されるなど、より
された最初の大綱では、中高年の男性の自殺
者急増を問題視しつつ、こどもの自殺につい
過去最多となった。新型コロナウイルス感染
症流行下に行われた調査からは、こどもの傾
こどもの自殺対策は、累次の大綱の見直し
とともに拡充されてきた。平成19年に策定
ても課題としており、児童生徒及び教職員に
対する児童生徒の自殺予防に資する教育や普
及啓発の実施、学校で自殺や自殺未遂が発生
した場合の児童生徒等の心理的ケア等、学校
を中心とした対策が掲げられた。
げられた対策に加え、新たに、いじめを苦に
したこどもの自殺の予防や児童虐待の発生予
防、虐待を受けたこどもへの適切な支援等、
社会的な要因によるこどもの自殺リスクに対
する支援策が拡充された。
平成28年には基本法が改正され、新たに
「心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進
等」が盛り込まれた。これを受けて平成29
年に見直された第3次大綱においては、年間
自殺者数が減少傾向にあるものの、20歳未
満の自殺死亡率が約20年間横ばいであった
こと、若年層の死因に占める自殺の割合が高
いことから、こども・若者の自殺対策を更に
推進することとされ、学校におけるSOSの
出し方に関する教育、学校の長期休業前から
長期休業明けにかけての早期発見・見守り等
の取組等の広範な対策を行った。さらに、近
年では、若者の多くがSNSを日常的なコミュ
ニケーション手段として用いていることか
ら、平成30年から文部科学省においてSNS
必要性が示唆された。
そうした中、令和4年10月に策定された
第4次大綱では、
「子ども・若者の自殺対策
の更なる推進・強化」が柱の一つとして盛り
込まれ、これまでの取組に加え、こどもの自
殺等の事案について詳細な調査や分析を進め
ることや、こどもの自殺危機に対応していく
チームとして関係者(学校、教育委員会、地
方公共団体の自殺対策担当者、児童相談所、
福祉施設、医療機関、警察等の関係機関や地
域の支援者等)が連携する仕組み等の構築、
こどもの自殺の状況と対策
ては、若年層の自殺死亡率の上昇や学生・生
徒の自殺者数が増加傾向にあることが新たな
課題として明記され、第1次大綱において掲
向として、問題を抱えた際に周囲にその状況
を伝えて支援を希求することが難しいことが
読み取れ14、15、教員や保護者といった周囲の
大人が丁寧にSOSを受け止めていくことの
第2章
平成24年に見直された第2次大綱におい
身近な方法で支援にアプローチできるような
体制を整備してきた。
令和2年には、小中高生の自殺者数が当時
GIGAスクール構想で配布されているPCや
タブレット端末の活用等による自殺リスクの
把握やプッシュ型の支援情報の発信等の対策
に新たに取り組んでいくこととされた。
⑵
こどもの自殺対策緊急強化プランの
策定
こどもを取り巻く状況を見ると、社会全体
のつながりが希薄化している中で、新型コロ
ナウイルス感染症の感染拡大により人との接
触機会が減り、それが長期化することで、友
人関係を始めとした様々な人間関係に変化が
生じている。そのような中で、令和4年に
は、小中高生の自殺者数が514人と過去最多
14 厚生労働省「令和4年版自殺対策白書」
(第2章第3節 学生・生徒等の自殺の分析⑷学生・生徒等の自殺の原
因・動機)
15 国立成育医療研究センター「コロナ禍における思春期のこどもとその保護者のこころの実態報告書」
(https://
www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/CxCN_repo.pdf)
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