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第2章 こどもの自殺の状況と対策 本文 (54 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/jisatsuhakusyo2024.html
出典情報 令和6年版自殺対策白書(10/29)《厚生労働省》
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2023年度のこども相談窓口件数
(件数)
25
20
15
10
5
0

5月

6月
小学生

7月

8月

中学生

9月
高校生

10 月

11 月

その他

資料:特定非営利活動法人じっくらあと集計

第2章

多職種によるプライマリ・ケアを提供するクリニックとティーンの居場所づくりを行うNPO法人
が連動することの効果は近接性と包括性と継続性にあります。出会いの場が多彩になり、多職種が
関わることで、こどもたちへのアウトリーチの幅が広がりました。こどもたちの居場所にさりげな
く多職種の専門家が行き来できることで、相談の垣根が低くなり、成長に伴うライフコースの変化
にもクリニックの存在により世代を超えて関係性が継続できる可能性があります。

こどもの自殺の状況と対策

精神保健及び心理社会的支援の図

災害・紛争等緊急時における精神保健・心理社会的支援に関する IASC ガイドライン(2007)から引用

ティーンの居場所づくりは、大人世代にとってもかつての自分たちを思い返し、我が子や孫のこ
とを思い浮かべることで多世代の地域住民に当事者意識が芽生えやすくなります。一方向性の関係
ではなく、支える側・支えられる側が相互に変化し、様々な役割を担うことができます。
こどもたちをまんなかにして、その応援に高齢者も含めた多世代が取り組むことで、持続可能か
つ面白みのある豊かなまちづくりの可能性を感じています。
令和6年能登半島地震を経験し復旧・復興の最中のこの地域において、私たちの取組の意味合い
はより強くなっています。学校の校庭、公園などほとんどが仮設住宅となり、もともと少なかった
こどもたちの居場所は更に減少しています。地域全体の混乱の中で、こどもたちは大人が気付かな
い間に我慢を積み重ねています。震災後応急修繕を終え2024年3月末に再始動したラボでは、多
い日には60名程度の小中高校生が思い思いに過ごしています。その様子は一見震災前と変わりませ
んが、利用しているこどもたちとスタッフ皆がお互いをいたわり励まし合うようなつながりが深く
なっています。こどもたちが安心して楽しく過ごせるこの場所で、さりげなく繰り広げられる“聞
くと聞いてもらう”を震災後はより大切に丁寧に育むことが求められています。

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