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参考資料2_かかりつけ医機能に関する事例集(令和3年度かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業) (11 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36156.html |
出典情報 | かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(第1回 11/15)《厚生労働省》 |
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3.
取組の詳細
① 教育を基軸としたグループ診療による持続可能な診療チームの構築
当該医療機関に属する各診療所・病院には、最低 3 名の医師を配置している。多様なレベル
の医師を配置し屋根瓦式の教育体制を実現するとともに、都市部、町村部のいずれにおいても、
待機業務の共有や共同主治医制により、休暇や自己学習時間を十分に確保している。また、育
児中の女性医師も柔軟な勤務が可能となる等、多様な働き方を実現している。
グループ診療の前提として重要なのは、
「代替可能性」である。同じ診療所で働いている医
師の考え方や力量の均整化を図ることにより、安心して他の医師に診療を任せられる体制を構築
している。また、当該医療機関では、自前の教育・研修を行い、医師の知識や技術において
ベースラインを揃える工夫を行っている。
総合診療専門研修施設として、総合診療専門医を育成している。専攻医は、4年間の研修期
間を通じ、研修目標を網羅した研修手帳に実績を記録する。専攻医が習得すべきコンピテンシー
の達成を証明する仕事内容を、症例報告ではなく、経験と省察の記録(ポートフォリオ)として
記述させることで、指導医が研修の進捗状況を把握し、全ての診療科研修で一貫性のある評価
が可能となっている。また、専攻医の外来診療を患者さんの同意を得て撮影し、面接を主観的・
客観的に評価することで、自らが日頃気づいていない面接の長所短所を自覚し、面接能力を向
上させるビデオレビューを実施している。さらに、外来診療は指導医がプリセプティングという
形で直接指導を行い、高い質の診療能力を修得するシステムを構築している。こうした取組を通
じて、患者さんが安心できて、満足できる医療提供を実現している。
② 在宅医療を中核とした診診連携を重視した都市部での診療
都市部診療所では強化型在宅療養支援診療所として地域の在宅医療ネットワークにおける中
核的役割を担い、診診連携を通じて地域医師会との協働を推進している。例えば地方都市の室
蘭市では、周辺の開業医との協力体制を通じた面としての地域のプライマリ・ケア機能の強化の
ため、室蘭市医師会在宅連携システムを構築している。在宅医療における診療所間の時間外や
主治医不在時の対応に関する連携強化、在宅医療に関する勉強会や症例検討会、さらには急
性期病院医師向けの在宅医療説明会による知識や技術の強化と顔が見える関係の構築などを
展開している。
③ 循環型地域医療モデルをベースに自治体と連携した地域包括ケアを展開する郡部での診療
郡部で運営する診療所については、都市部から家庭医療指導医 1 名、専門医 1 名、専攻医
1 ~ 2 名をチームで派遣する循環型地域医療モデルを展開している。こうした取組によって、郡
部診療所に属する医師は、都市部と郡部の双方における医療を経験することができ、幅広い家
庭医療の知識や技能の獲得や自治体と連携した地域包括ケア実践の機会が得られている。郡
部への異動は、医師からは忌避されることも少なくないが、循環型地域医療モデルにおいては、
期限の決まった集中的な研修という位置付けを明確にし、北海道外からも総合診療専門研修の
希望者が多数訪れている。郡部にとっては、プライマリケアを担う医師が恒常的に派遣されるこ
とで、医師確保に割かれる労力や地域の不安も解消され、安定的な地域医療の確保につながっ
ている。
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取組の詳細
① 教育を基軸としたグループ診療による持続可能な診療チームの構築
当該医療機関に属する各診療所・病院には、最低 3 名の医師を配置している。多様なレベル
の医師を配置し屋根瓦式の教育体制を実現するとともに、都市部、町村部のいずれにおいても、
待機業務の共有や共同主治医制により、休暇や自己学習時間を十分に確保している。また、育
児中の女性医師も柔軟な勤務が可能となる等、多様な働き方を実現している。
グループ診療の前提として重要なのは、
「代替可能性」である。同じ診療所で働いている医
師の考え方や力量の均整化を図ることにより、安心して他の医師に診療を任せられる体制を構築
している。また、当該医療機関では、自前の教育・研修を行い、医師の知識や技術において
ベースラインを揃える工夫を行っている。
総合診療専門研修施設として、総合診療専門医を育成している。専攻医は、4年間の研修期
間を通じ、研修目標を網羅した研修手帳に実績を記録する。専攻医が習得すべきコンピテンシー
の達成を証明する仕事内容を、症例報告ではなく、経験と省察の記録(ポートフォリオ)として
記述させることで、指導医が研修の進捗状況を把握し、全ての診療科研修で一貫性のある評価
が可能となっている。また、専攻医の外来診療を患者さんの同意を得て撮影し、面接を主観的・
客観的に評価することで、自らが日頃気づいていない面接の長所短所を自覚し、面接能力を向
上させるビデオレビューを実施している。さらに、外来診療は指導医がプリセプティングという
形で直接指導を行い、高い質の診療能力を修得するシステムを構築している。こうした取組を通
じて、患者さんが安心できて、満足できる医療提供を実現している。
② 在宅医療を中核とした診診連携を重視した都市部での診療
都市部診療所では強化型在宅療養支援診療所として地域の在宅医療ネットワークにおける中
核的役割を担い、診診連携を通じて地域医師会との協働を推進している。例えば地方都市の室
蘭市では、周辺の開業医との協力体制を通じた面としての地域のプライマリ・ケア機能の強化の
ため、室蘭市医師会在宅連携システムを構築している。在宅医療における診療所間の時間外や
主治医不在時の対応に関する連携強化、在宅医療に関する勉強会や症例検討会、さらには急
性期病院医師向けの在宅医療説明会による知識や技術の強化と顔が見える関係の構築などを
展開している。
③ 循環型地域医療モデルをベースに自治体と連携した地域包括ケアを展開する郡部での診療
郡部で運営する診療所については、都市部から家庭医療指導医 1 名、専門医 1 名、専攻医
1 ~ 2 名をチームで派遣する循環型地域医療モデルを展開している。こうした取組によって、郡
部診療所に属する医師は、都市部と郡部の双方における医療を経験することができ、幅広い家
庭医療の知識や技能の獲得や自治体と連携した地域包括ケア実践の機会が得られている。郡
部への異動は、医師からは忌避されることも少なくないが、循環型地域医療モデルにおいては、
期限の決まった集中的な研修という位置付けを明確にし、北海道外からも総合診療専門研修の
希望者が多数訪れている。郡部にとっては、プライマリケアを担う医師が恒常的に派遣されるこ
とで、医師確保に割かれる労力や地域の不安も解消され、安定的な地域医療の確保につながっ
ている。
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