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参考資料2_かかりつけ医機能に関する事例集(令和3年度かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業) (57 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36156.html
出典情報 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(第1回 11/15)《厚生労働省》
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3.
取組の詳細
① がん地域連携パスを作成し、地域の診療所との連携を強化
愛知県がん診療連携協議会の地域連携クリニカルパス部会長として、がん診療の地域連携に
取り組んでいる。診療所とがん診療連携拠点病院が情報共有し、診療所の医師が入院治療後
の外来診療・経過観察を行う体制を構築している。
患者さんのメリットとして、中京病院への頻繁な通院が不要となり、通院の不便さや外来での
待ち時間から解放されること、複数の主治医によるサポートを受けられることが挙げられる。病
院にとっては、定期的検査を診療所にお願いすることで見落としをなくし外来診療の質の向上が
期待されること、診療所の医師と密な連携を取れること、急性期の対応に時間を配分できるこ
とが挙げられる。診療所の医師にとっては、連携を通して病院と良好な関係を築くことができ、
診療・検査・病院受診の標準的なスケジュールが把握できる。診療報酬上のメリット(がん診療
連携指導料)もある。
運用としては、入院中に病院主治医が患者さんから同意書を取得し、医師用パス、患者用パ
スに必要事項を記載する。退院後、連携医を受診した際に、診療データを患者用パスのデータ
記録用紙に転記、コピーを拠点病院に FAX または郵送する。診療所にて実施される検査と中
京病院が行う検査のスケジュールは連携パスに記載されている。
診療所の医師からは、専門外の癌種には対応困難という声がある一方で、一度連携してバッ
クアップの安心感が得られると他の癌種にも対応を広げる場合もある。

② クラウド型インターネット予約システムによる、地域の診療所からの診察予約・検査予約の実現
インターネット利用による、診療所の医師が予約できるシステムを導入し、2009 年9月からは
高度医療機器の共同利用の予約、2012 年2月からは診察予約が可能となった。依 頼元施設
(906 施設)が、複数の依頼先施設(10 施設)を選べるようにしたり、連絡会・合同ユーザー
会等、依頼先施設間の連携も行っている。
従来から FAX による予約は可能だったが、インターネット予約が可能となってから CT 及び
MRI の検査依頼件数は 11 年間で 3.2 倍、診察依頼件数は8年間で 1.56 倍に増加した。イ
ンターネット予約の簡便さから紹介の敷居を下げることができ、従来なら紹介するか迷っていた
患者さんの多くが紹介されることになったと考えられる。インターネット予約では必須入力項目
が明確化されており、FAX 予約の場合に発生する依頼元への問合せが不要となる。また、24
時間 365 日予約入力が可能であるため利便性が高い。電話・FAX 予約では即時対応の必要が
あったが、インターネット予約にすることで職員の負担が軽減された。インターネット予約を入り
口にして新たな連携のきっかけにもなっている。
2021年4月からは HPKI 電子署名機能を利用した電子診療情報提供書が運用された。紹介
元(7施設)にとっては患者さんを待たせて診療情報提供書を書かなくてよい、患者さんにとって
は診療情報提供書を受け取り持参しなくてよい、基幹病院にとっては事前に診療情報提供書原
本を受け取れる、という三者すべてにとってメリットがあり、さらなる普及を図っている。

③ 地域の開業医と勉強会を実施
病院全体として、また診療科毎に、症例検討会を実施し、地域の診療所の医師と医療情報
を共有するとともに、医師同士の顔の見える関係を構築することにより信頼関係の強い病診連
携の構築を図っている。

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