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参考資料2_かかりつけ医機能に関する事例集(令和3年度かかりつけ医機能の強化・活用にかかる調査・普及事業) (51 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_36156.html
出典情報 かかりつけ医機能が発揮される制度の施行に関する分科会(第1回 11/15)《厚生労働省》
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3.
取組の詳細
① 人口の高齢化を踏まえた病診の情報連携の推進
山形県庄内二次医療圏においては、開業医師数が全国平均に比べて少なく、人口の高齢化が
予測されていたことから、より効率的な地域医療連携を実現するために、病診の情報連携事業
「酒田地区医療情報ネットワーク『ちょうかいネット』」の取組を実施していた。参加する各医療
機関は、電子カルテ等の情報をインターネットを利用して開示しており、患者さんの同意のもと
に診療に関する情報を地域で共有する仕組みとなっている。
『ちょうかいネット』には、域内の
基幹 3 病院の他、地元の開業医師が多数参加しており、さらにその取組を発展させる形で、平
成 30 年に地域医療連携推進法人『日本海ヘルスケアネット』を立ち上げた。同ネットワークに
は、3 つの基幹病院、地区医師会、歯科医師会、薬剤師会、3 つの社会福祉法人、1 つの医
療法人、計 10 法人が参加している。ネットワーク内では、診療情報や健診センターのデータ・
健診結果が画像も含めて利用でき、過去 5 年分の記録を瞬時に閲覧することができる。当該
ツールについては、普及の強化のため閲覧施設における参加費は無料としており、医療機関連
携が迅速かつ円滑に推進され、適切な医療を提供することが可能となり、診療の質の向上も実
現している。

② 柔軟な人材配置によるシームレスな医療・介護連携の実現
日本海ヘルスケアネットの参加機関の間では、医療・介護の連携強化のため、人事交流も積
極的に行っており、医師会の夜間救急を基幹病院の医師が支援したり、地元開業医が基幹病
院の当直を支援するなど、相互に協力・連携している。
『ちょうかいネット』を通して、1 人の患
者さんについて、ネットワークの参加メンバーは同一の診療情報・健診データなどを共有できる
ため、多職種連携を通じて、医療・介護の連携強化につながっている。また、病診連携にとど
まらず、基幹病院から、人出不足の介護施設に職員を出向させ、教育面も含めた支援も行われ
ているほか、地域の訪問看護ステーションに対しても統廃合を含めた経営支援も行うことによ
り、限られた医療資源の中で、地域のニーズに応じた医療提供を行うことができている。

③ 医療資源の効率的な活用による持続可能な地域医療提供体制の確保
医療資源の効率化の一環として、治療の早期介入や予防を推進するために、例えば基幹病院
の心不全患者には、地域の診療所の医師による定期的なフォローアップに資する情報が集約さ
れた心不全手帳を作成・配布し、記載方法も指導している。心不全手帳の活用により、患者自
身も症状に対する意識が高まり、体重増加を目安に受診するなど、地域の診療所の医師におい
ても適切な時期に適切な診療を行うことができるため、疾病の重症化の予防が可能となる。さ
らに、地域全体で経費管理を行うことにより、診療機能の重点化、集約化を推進し、地域フォー
ミュラリの観点から地域での推奨薬を選定するなど、地域全体での医療費の削減に取り組み、
持続可能な医療提供体制の確保を実現している。
心不全手帳

出典:地域医療連携推進法人日本海ヘルスケアネット提供資料

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