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(資料2)精神保健福祉法上の入院制度等についてのこれまでのご意見を踏まえた論点と検討の方向性について (7 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_24461.html
出典情報 地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(第7回 3/16)《厚生労働省》
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2.患者の意思決定及び意思の表明についての支援(論点①)
検討の方向性
(支援者の役割)
○ 精神科病院では、退院後生活環境相談員の選任や地域の相談支援事業者との連携、退院支援委員会の開催等、
患者の権利擁護に配慮しながら入院治療が実施されているが、入院する患者としては、判断能力が必ずしも十分では
ない中、慣れない環境での治療が継続されることになる。
○ こうした点を踏まえ、支援者の役割については、以下の2つの観点から考えてはどうか。
⑴ 特に入院初期は、自分の気持ちや状況について話を聞いてもらえない、十分な説明が得られない、伝えてはみた
が上手く伝えられない等の体験の中で、孤独感や不安感が増大する一方で、自尊心や自己肯定感が低下し、継続す
る入院生活のもと、次第に退院を諦めることが考えられる。
そのため、支援者においては、医療機関とは独立の外部の立場から、院内の生活で困ったことがある、退院したい
等、本人の話す言葉を傾聴していくことが基本の役割となる。その上で、患者の権利等について情報提供を行いなが
ら、医療機関に本人が気持ちを伝える際の「意思表明支援」の役割を担うことが求められる。
⑵ その上で、こうした役割を通じて時間をかけて築かれた本人との関係を基礎にしながら、本人が希望する地域での
生活についても理解を進め、地域移行支援の利用に向けた準備を進めることも考えられる。
※ このように、支援者の基本的な役割としては、以下の内容が想定される。
① 傾聴
・ 医療機関を訪問し、本人と面会を行い、本人の話を丁寧に聞く
・ 入院の経緯や入院後の状況、入院環境についての不安を丁寧に聴く 等
② 情報提供
・ 入院制度、本人の権利、精神医療審査会の仕組み、退院等請求や処遇改善請求の方法等を本人に分かりやすく伝える 等
③ 意思表明支援
・ 本人が医療機関に自分の考えや希望を伝える手伝いをする
・ 本人の了解・同席のもと、医療機関に本人の考えや希望等を伝える 等
※ したがって、支援者は、本人の代理の位置付けにはなく、また、ケアマネジメント、看護、介護等の支援を直接担うものではないと考えられる。

(支援者の名称)
○ このように、入院中の患者の意思決定及び意思の表明の支援は、本人の話を丁寧に聞いたうえで、患者の権利等
を分かりやすく説明してくれる、病院とは独立の外部の立場からの支援として、医療機関における一般的な「意思決定
支援」とは異なるものである。こうした両者の趣旨の違いが明らかになるよう、精神科病院に入院中の患者の意思決定
及び意思の表明の支援については、「意思表明支援」(仮称)の名称を用いてはどうか。
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