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参考資料 4 (43 ページ)

公開元URL https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html
出典情報 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》
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企業支援と生産性

資料Ⅱ-8-3

○ コロナ前から生産性が低い企業ほど、コロナ支援策を利用していた傾向が指摘されている。
○ また、手厚い支援は資源の効率的再配分を抑制し、生産性低下を通じて長期的な成長を押し下げるリスクもある。
○ このため、中小企業に対する支援は、量的な縮減を図るとともに、支援が生産性の向上につながっているかどうか
を事後的にしっかりと検証すべき。
◆企業支援と生産性に関する先行研究

◆低採算先企業の支援措置利用状況
通常先

低採算先

政府系無利子・無担保融資

23.5%

34.4%

民間無利子・無担保融資

45.7%

53.6%

持続化給付金・補助金

34.6%

40.4%

家賃支援給付金

11.8%

16.6%

(出所)植杉威一郎ほか (2022), 「コロナショックへの企業の対応と政策支援措置:
サーベイ調査に基づく分析」, RIETI Discussion Paper
(注1)ここでの「低採算先」とは、日本銀行(2018)「金融システムレポート」での基準に基づき、
「営業利益ROAが企業分布の中央値を下回っているにもかかわらず、借入金利が収益力の最
も高い企業向けの金利を下回る」状況が過去2年続いている企業を指す。
(注2)植杉威一郎ほか(2022)では、こうした低採算先企業が、支援後も継続的にパフォーマ
ンスが低くなっているかは自明ではなく、今後の分析課題としている。

◆「経営にプラスに働いた支援策は?」
実質無利子・無担保融資

2906

持続化給付金

事業再構築補助金

2350
363

(出所)東京商工リサーチ「「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査」(2022年2
月)により作成。
(注)中小企業4,706社からの回答(複数回答可)

森川正之(2018)『生産性 誤解と真実』日本経済新聞出版社
pp.157-158
・産業全体の生産性向上には、存続する個別企業の生産性上昇――「内
部効果」ないし「内部的リストラクチャリング」と言われる――だけでなく、新陳
代謝(参入・退出、市場シェア変動)――「資源再配分効果」ないし「外部
的リストラクチャリング」――が大きな役割を果たす。
・効率性の低い企業の底上げを図ることは、当座はそれら企業の生産性をい
くぶん改善するかも知れないが、長い目で見ると生産性向上という本来の政
策意図に反して、産業や経済全体の生産性上昇を遅らせるリスクもある
(略)

植杉威一郎ほか (2022), 「コロナショックへの企業の対応と政策支援措置:
サーベイ調査に基づく分析」, RIETI Discussion Paper
・ コロナショックへの支援のために日本政府が講じた措置の財政支出規模は海
外諸国に比べて大きなものであった(Elgin et al. 2020)。こうした支援措置に
は、倒産や廃業等を抑制し雇用を維持する積極的な役割がある一方で、資源
の効率的な再配分を抑制し、生産性の低下を通じて長期的な成長を押し下
げるリスクもある。