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参考資料 4 (52 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/report/zaiseia20221129/index.html |
出典情報 | 財政制度等審議会 令和5年度予算の編成等に関する建議(11/29)《財務省》 |
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無償資金協力・技術協力の予算執行上の課題
資料Ⅱ-9-7
◯ JICAは2億円以上の事業について事後評価を行っているが、当初計画に比べ、無償資金協力では事業の
81%が遅延。技術協力では、50%が遅延し、76%で事業費が上振れている。適切な予算執行のために継続事業
の進捗管理が急務。
◯ また、PDCAの観点からは評価の在り方についても、総合評価や効率性の評価などに改善の余地がみられる。
JICAの事後評価(2020年度の評価結果)
事業期間
事業費
無償資金協力
(計36件)
遅延は29件
(80.6%)
最大22ヶ月
事業費増加は2件
(5.6%)
技術協力
(計91件)
遅延は45件
(49.5%)
最大24ヶ月
事業費増加は69件
(75.8%)
合計85.8億円
(注)件数は報告書の数でカウント(数個の事業が一件の報告書にまとまっている場合がある)。
現状の評価の改善余地①総合評価の算出法
○ 2020年度は、相手国の開発ニーズ等を評価する「妥当性」の
項目は1件を除き全て最高評価。総合評価の底上げにつながっ
ており、結果として総合が最低評価は無償・技協各1件のみ。
事業の相対的な評価が見えにくくなっている。
総合評価と個別項目の評価の例
例1: 妥当性以外の3項目
中2項目が「2:中程度」で
も総合は「B:高い」
例2: 妥当性以外の3項目
全てが2になってようやく「C:
一部課題がある」。
総合
妥当性
有効性
・インパクト
効率性
持続性
A
B
C
D
3
3
3
3
3
3
2
1
2
2
2
2
3
2
2
2
例3: 総合で最低評価が付いているのは2020年度は無償・技協で各1件のみ。
現状の評価の改善余地②:効率性の評価
○ 「効率性」の項目は、事業期間の遅延や事業費の増加を客観
的に数値で評価するものであり有用。
○ 他方で、JICA現地事務所による内部評価(2~10億円の
事業)では、具体的な遅延月数や事業費の増加額、遅延等の
理由が不記載の場合が多数。
(例)
・ 外部評価の場合:「事業期間は計画27ヶ月に対して実績37ヶ月」、
遅延理由は「長雨、洪水被害、クレーン転倒事故」といった記載。
・ 内部評価の場合:「計画比144%」といった記載が殆どで具体的な
月数等が分からず、また、理由も不記載が多数。
○ 無償資金協力では、事業によっては大幅な遅延が生じているに
も関わらず、「効率性」が最低評価となった件数はゼロ。
(例)1年以上、最大で22ヶ月遅延している場合でも、事業費が
計画内に収まったことを以て効率性評価は「2:中程度」にとどまる。
○ 遅延等の場合だけでなく、期間短縮や事業費縮減ができた場
合の好事例の記載も増やすべき。
(例)灌漑施設整備で、現地が日中40℃を超える猛暑のためコンク
リート打設作業を夜間に行ったところ、作業が効率化され3ヶ月短縮。
(注)いずれも2020年度評価結果における例。
資料Ⅱ-9-7
◯ JICAは2億円以上の事業について事後評価を行っているが、当初計画に比べ、無償資金協力では事業の
81%が遅延。技術協力では、50%が遅延し、76%で事業費が上振れている。適切な予算執行のために継続事業
の進捗管理が急務。
◯ また、PDCAの観点からは評価の在り方についても、総合評価や効率性の評価などに改善の余地がみられる。
JICAの事後評価(2020年度の評価結果)
事業期間
事業費
無償資金協力
(計36件)
遅延は29件
(80.6%)
最大22ヶ月
事業費増加は2件
(5.6%)
技術協力
(計91件)
遅延は45件
(49.5%)
最大24ヶ月
事業費増加は69件
(75.8%)
合計85.8億円
(注)件数は報告書の数でカウント(数個の事業が一件の報告書にまとまっている場合がある)。
現状の評価の改善余地①総合評価の算出法
○ 2020年度は、相手国の開発ニーズ等を評価する「妥当性」の
項目は1件を除き全て最高評価。総合評価の底上げにつながっ
ており、結果として総合が最低評価は無償・技協各1件のみ。
事業の相対的な評価が見えにくくなっている。
総合評価と個別項目の評価の例
例1: 妥当性以外の3項目
中2項目が「2:中程度」で
も総合は「B:高い」
例2: 妥当性以外の3項目
全てが2になってようやく「C:
一部課題がある」。
総合
妥当性
有効性
・インパクト
効率性
持続性
A
B
C
D
3
3
3
3
3
3
2
1
2
2
2
2
3
2
2
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例3: 総合で最低評価が付いているのは2020年度は無償・技協で各1件のみ。
現状の評価の改善余地②:効率性の評価
○ 「効率性」の項目は、事業期間の遅延や事業費の増加を客観
的に数値で評価するものであり有用。
○ 他方で、JICA現地事務所による内部評価(2~10億円の
事業)では、具体的な遅延月数や事業費の増加額、遅延等の
理由が不記載の場合が多数。
(例)
・ 外部評価の場合:「事業期間は計画27ヶ月に対して実績37ヶ月」、
遅延理由は「長雨、洪水被害、クレーン転倒事故」といった記載。
・ 内部評価の場合:「計画比144%」といった記載が殆どで具体的な
月数等が分からず、また、理由も不記載が多数。
○ 無償資金協力では、事業によっては大幅な遅延が生じているに
も関わらず、「効率性」が最低評価となった件数はゼロ。
(例)1年以上、最大で22ヶ月遅延している場合でも、事業費が
計画内に収まったことを以て効率性評価は「2:中程度」にとどまる。
○ 遅延等の場合だけでなく、期間短縮や事業費縮減ができた場
合の好事例の記載も増やすべき。
(例)灌漑施設整備で、現地が日中40℃を超える猛暑のためコンク
リート打設作業を夜間に行ったところ、作業が効率化され3ヶ月短縮。
(注)いずれも2020年度評価結果における例。