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参考資料3-2 (11 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32513.html
出典情報 厚生科学審議会 感染症部会(第74回 4/12)《厚生労働省》
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研究開発・創薬
薬剤耐性(AMR)対策に関する研究開発及び創薬については、薬剤耐性菌バンク(JARBB)の整備、
ヒト・動物・環境由来のゲノムデータベースの拡充、医療経済的評価や抗微生物薬の適正使用に関す
る臨床・疫学研究の推進などに加えて、産学官連携体制の下、日本医療研究開発機構(AMED)の
「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」及び「医療研究開発革新基盤創成
事業」による推進を図ってきた。
このような取組により、薬剤耐性(AMR)対策に関する研究の進展など一定の成果が出つつあるが、
1990 年代以降、我が国の新規抗菌薬の開発は停滞している。他方、開発に成功し市場に流通する薬
剤が増えても、不適正な使用が広がれば、耐性菌が増加し、結果として効果が減弱してしまうことから、
使用量を適正な水準にコントロールすることが求められる。米国や英国、スウェーデンなどでは、「使用
量(販売量)」と「売上げ(収益)」を切り離しつつ(de-link)、市販後の収益予見性を高める市場インセ
ンティブが、試験的に導入されつつある。我が国においても、市場インセンティブなどの薬剤耐性菌の
治療薬を確保するための具体的な手法を検討していく必要がある。また、抗菌薬の供給不足が世界
中で発生しており、日本においても大規模な抗菌薬の供給不足が発生している。適正使用を推進し、
薬剤耐性(AMR)の拡大を抑制するためにも抗菌薬の安定供給は重要な課題であり、新たな抗菌薬
の研究開発の促進に加え、抗微生物薬の安定供給を維持するための方策が求められている。

国際協力
我が国は、世界保健機関(WHO)のグローバル薬剤耐性サーベイランスシステム(GLASS)へのデ
ータ提出、世界保健機関西太平洋事務局(WPRO)との AMR ワンヘルス東京会議の共催、国際獣疫
事務局(WOAH)が行う動物用抗菌性物質使用量のデータベース構築へのデータ提供や助言等を通
じ、世界保健機関(WHO)、先進7カ国(G7)プロセス、国際獣疫事務局(WOAH)等の取組を支援し
てきた。また、ヒト分野では、日米 EU を含む薬事規制当局国際連携組織(ICMRA)の枠組みにおいて
薬事当局が実施する必要がある規制対応に向けた議論に、動物分野では、動物用医薬品の承認申
請資料の調和に関する国際協力(VICH)の枠組みにおいて世界共通試験ガイドラインの策定に向け
た議論にそれぞれ参画するとともに、主にアジア諸国を対象とした、感染予防・管理(IPC)、動向調査
体制の支援、耐性菌情報を収集する体制基盤の整備、薬剤耐性(AMR)検査の技術伝達等の国際協
力を行ってきた。
我が国は抗菌薬使用量について経済協力開発機構(OECD)平均を下回る程度で推移をしており、
引き続き、世界、特にアジア地域において、薬剤耐性(AMR)対策を主導すべき役割を担っている。

薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン(2023-2027) | 11